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1.ムカつく程キラキラしてますね。

本日2回目

よろしくお願いします

 東から朦朧とした明かりが大地を優しく包み、人々に新しい朝が来たと報告する。でも大半の人間はこの報告を無視し、自分の殻の中に閉じこもったまま心地いい時間を過ごしているそうだ。

 そう、まるでこの家の中で心地良く寝ている私の親と妹みたいに。

 でも、

「雑巾よし、ゴミ袋よし、強力消臭スプレーよし、それと、それと......はあ、もう、これでいいっか。」

 でも、普段なら私の家族の中で一番遅く起きてる私はコンビニで何本も栄養ドリンクと缶コーヒーを買い、まだ眠い自分を無理矢理叩き起こした。

 あ、勘違いしないで、今日は元旦ではない、それに私は初日の出には興味ないからいつも外の騒音を無視して寝ているよ。

 だけど今日はある意味私の人生がかかっている大事な日、しかも相当やばいやつで、もし今日の計画が失敗したら私の人生が終わる。


“コンコン”

「なるみ?どうしたんだ、こんな早く。」

う、嘘、こんな時間じゃ寝ているはずなのに!

「え、ええっと、さんぽ、ですわ?」

「...... ......まさか、連次のところへ行くんじゃないよな?」

“ギクッ!”

「そ、そんなまさか、もう、パパ上ったら相変わらず変な冗談が好きなのね!」

ほんと、来たのがパパ上の方で良かった......

「ほう、そうだよな、なるみはそんな悪い子ではないよな、」

「う、うう、」

ごめんなさい、パパ上、ごめんなさい、でも私は......

「ま、いい、11時前にはそこに行く、だがくれぐれも「パパ上、大丈夫、絶対におじいちゃん達にバレないようにするしパパ上とママ以外には私がアニメファンだってことは隠すから、」」

「はあ、わかった、だがくれぐれもお前の爺さんと婆さんにはバレるな。

ま、言わなくても最善は尽くしているみたいだがな。」

う、やはりパパ上には何も隠せない。

「......行ってきます。」

そう、いってきますゲレンドラ様、

今日の戦、絶対に勝ってみせます!



始発の電車が駅に着き、私はほぼ誰もいない車両の中で薄暗いくて朦朧とした外の光景を見ている。


はあ、本心からを言うと、私の家はなんかおかしい。


いや、これは少しだけ語弊がある。

私は普通の愛し合う男女から生まれたなんの特徴もない子供、そしてその普通の愛し合っている男女は私が6歳の時に私の妹、渚を生んだ。

そう、傍から見たら何も違和感が無い普通の家族だけど、でも問題は私の叔父、黒川連次は私と同い年の19歳で、数ヶ月前からひとり暮らしを始めたという。

ええ、そうです、私の叔父は、法律的に繋がっている実の叔父は私と同い年です。

まあ、元はというと私のパパ上(血が繋がった実の親)側のおじいちゃんおばあちゃんは一人息子のパパ上が二十歳で自立して結婚するなど思ってなくて、そのショックでおばあちゃんは何度も精神内科医のところへ足を運んだらしい。

そんなある日、おじいちゃんの従兄弟とその家族が事故に巻き込まれ、その中で生後2ヶ月ちょっとの連次おじちゃんだけが奇跡的に生還し、お葬式でおじいちゃんの親戚は連次おじちゃんを誰が引き取るかもめてたそうです。

ですが最終的におじいちゃんは連次おじちゃんを引き取ることを決意し、最初は少しだけ戸惑っていたおばあちゃんも数週間後には連次おじちゃんを自分の実の息子だと思いはじめたらしい。


はあ、もし話がそこで終わったら私的にはいい話だけど、神様はそんな事を許さず、数ヵ月後に私がこの世に生まれた。



“シューーー”

私の後ろで電車のドアが閉める音がして、私はスマホで検索した地図を使って駅の西出口を通った。


その頃太陽の光は地面にいる全ての生き物を包み、まだ朝早いのに公園に小さな子供たちが遊んでる。

そう言えば小さい頃から可愛くて、賢くて、頑張り屋さんな連次おじちゃんはおじいちゃんおばあちゃんだけじゃなく私のパパとママ達まで可愛がられて、気づいたら私はいつもおじちゃんと比べられていた。

でもその時の私は大丈夫だった、だって私もおじちゃんのことが大好きだったから。


そう、“大好きだった”

あの事件から10年、

お外で遊ぶのが大好きだった私は休みの時にはアニメショップとアニメイベントにしか行かない普通のアニメファンになり、連次おじちゃんは私が一番苦手なキラキラのリア充になった。





そして、私はとあるアパートの二階にある一番隅っこの部屋の前にパパ上からもらった地図を持ちながら立っている。

「ふう、ここだね!」

“ピンポーン”

「。。。。。。。。。。」

ん?

いないのかな?

“ピンポーン”

「。。。。。。。。。。。」

いや、どう見ても今時の若いリア充が起きている時間だ。

おかしい、やはり自分で確かめるしかない。


そして私は昨日ママからもらったこの部屋の合鍵を使い、そのドアを開けた。

まあ、どうしてママがおじちゃんの家の合鍵があるのか聞いても答えてくれなかったけど。


“カチャ”


「おじちゃん、連次おじちゃん、いる?」

“シーン”

あれ?

いないのかな?


私は変だと感じ、数年も会っていない連次おじちゃん家の玄関とリビングの間にあるドアの前に立った。

「ふう、」

おじちゃんには私がアニメファンだと知られてはいけない、それは私がアニメファンになることを許した私の実の親が出した唯一の条件。

だから私は外ではリア充にはいかないが、リア充たちと比べたら当たらず障らずの生活をおくっているふりをしなくては......

「よし!」

“カチャ”

「おはようございます連次おじちゃん、今日は......」

あ、え??



私の目の前に雑魚寝している人の中では誰でもなく連次おじちゃんがいる、

いや、いるけどその雑魚寝しているすべての人はキラキラするリア充男どもで、その男たちはどうしてか裸で、おじちゃんはその中の誰かと抱き合いながら寝ている。


「。。。。。。。。」

どこかで聞いたことがある、

人は、余りにも驚きで自分にとってはありえないことが起きると言葉を失い、固まると。

でも、これは、


「ふう、ううううう、うん!」

起きてきたのは連次おじちゃんと抱き合っていたとてもちゃらそうな金髪男、

まあ、顔は三次元の男の中ではなかなかいい方だと思う。

ちなみに私のゲレンドラ様と比べたらせいぜい太陽と虫けらぐらいかな?

もちろん、ゲレンドラ様の方が太陽ですけど。


「誰、ストーカー?ったく警察呼ぶぞ、つーかこっちもおおごとにしたくないからさっさと出て行け。」

な!


前言撤回、このキラキラのリア充そうな野郎は神聖なるゲレンドラ様と比べてはいけない、

だってあんな野郎と比べたらゲレンドラ様が汚れる!!


「ふ、ううう、ん?

 あれ?なるみ、来たんだ。」

起きてきたのは私と同じ闇色の髪を持つ四捨五入したら私の血縁の部類に入るかどうかもわからない私の法律的に繋がっている連次おじちゃん。


「。。。。。。。」

ああ、起きてたての姿もムカつく程キラキラしてますね。

「ん、どうしたの?」

は、どうしたって?

私こそ何がどうなっているのか分からないよ!

なにそれ、今時の若いリア充は何を......




......あ、そう言えば、

最近腐女子から貴腐人にジョブチェンジした親友のみなみから聞いたことがある、

最近三次元のキラキラリア充男どもは同性同士で愛し合い、その中ではハーレムを作っていると......


いやいや、

いやいやいやいや、

いやいやいやいやいやいやいや、



そうね、まさかね、

いや、同性愛に何も偏見はないけど流石にうちのおじちゃんだけはないでしょう!

でも確認ぐらいしないと。

「お、おじちゃん......」

「連、この地味女は誰?」

れ、連?

呼び捨て?しかもあだ名?!


「あ、ああ、勇太、おはよう、コイツは俺の親戚だ。」

「。。。。。。。。。。」

まあ、本当のことだからね、凹むことは何もない。


でもその勇太という男は私を見下すような目で私を見ている、

“フッ”

え?

「へえ、親戚、ねえ、てっきり連が俺達を裏切って浮気したと思ったよ。」

う、裏切り、浮気!!!?

え、嘘、

いやいやいやいや違うよね、

いや、でも、え、



えええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!




誤字、脱字及び気になる点などありましたらお気軽に感想欄や活動報告のコメント欄に書いてくれたら嬉しいです。(待っています~~)

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