1話
私は大地遥。お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、私の4人暮らし。お父さんは、私が4年生の時に浮気が原因で離婚した。あまり勉強ができない私にとって頼りになる幼馴染の草木あつの兄である草木れんは、学校1番の天才。私と同い年のあつもれんにまけないくらい勉強ができて、学年で1位。そんなあつとれんに出会ったのは、5歳の時、お父さんの転勤で引っ越ししてきた時だった。
「こんにちは。ここに引っ越しされたんですか?」
私のお母さんにあつのお母さんが声をかけてきた。
「あ、はい」
「私は、そこの家に住んでいます。」
「よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
私はそんな様子を窓から見ていると・・・あつのお母さんと目が合った。
「子供さんいらっしゃるのですか?」
「はい。娘が1人います。」
「うちは、息子が2人います。本当は、女の子がほしかったけど。男の子ばかりだったんです。だからというか、ときどき家へ遊びに行っていいですか?」
「はい。ぜひぜひ。」
それからというものあつのお母さんは学校の先生で忙しいのに毎日のように遊びに来た。そんな日が続き、あつのお母さんが提案してきた。
「私ばかり家におじゃましてばかりなので、うちにも来てください。」
「じゃあ、行かせていただきます。」
「どうぞ。そのときは遥ちゃんもつれてきてください。」
「分かりました。」
あつの家
「おじゃまします。」
「おじゃましますっ。」
「かわいいあいさつ。どうぞ。」
「何か飲む?」
「ありがとう。じゃあ、紅茶。」
「遥、オレンジジュース。」
「分かった。」
「あ、そうだ。息子、紹介するね。こっちは、遥ちゃんより2歳上のれん。」
「よろしくお願いします。」
「礼儀正しい」
「で、遥ちゃんと同い年のあつ。」
「よろしくお願いします。」
「どちらも礼儀正しいわね。」
「この子が遥ちゃん。」
「よろしくね、れんくん、あつくん。」
「かわいいー」
「よろしくね。」
「うん」
「うち、女の子がいないから子供たちが喜んでいる。ありがとう。」
「いえいえ。こちらこそ遥が喜んでいる顔あまり見たことがなかったから本当にありがとう。」
「遥って呼んでいい?」
「うん」
「俺たちのことも、れん、あつって呼んでいいから」
「うん。」
「思ったら、小学校うちの子と一緒のところ行くの?」
「うん。たぶん。」
入学式前日
「あつー明日、一緒にいこー。」
「いいよ」
「遅れたらダメやでー」
「遥こそ遅れたらあかんでー」
「はーい」
入学式
「あつーはやめにきた。」
「はやすぎ。今何時やと思ってるん?」
「わからん」
「は?今7時。」
「はやすぎた。ごめんなさい。」
「でも、帰るのめんどくさいからここにおる」
「べつにいいけど、暇やで」
「うん」
「あつおはよう」
「あ、れん。おはよう。」
「おはよう。はやすぎひん?」
「うん、知ってる」
「そろそろ、行こか。」
「うん」
「れん、どうやって行くん?」
「歩いて」
「へー」
学校につくと女の子がたくさんいた。正直、びっくりした。まだ、小学3年生なのに。キャーー、かっこいいなどの言葉が聞こえてきた。
「れん、結構モテているんだ。」
「へーー。だから、人がたくさんいるんだー。」
私は、れんやあつと仲良くなって、たまに一緒に遊ぶことがあった。しかし、私とあつがれんが行っている塾に、入塾してから2年くらい経ったとき、あることで塾でみんなの関係が壊れてしまう・・・。