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作者: 作家志望の学生さん。
掲載日:2015/03/03

僕はこう。犬。

僕のご主人様は厳しいけど…

とっても大好き。

ずっとずっと一緒にいれると思ってた。

でも…。


ある日僕はご主人様に車に乗せられて

どこか連れて行かれた。

ワクワクしてた。


「さあ、こう。着いたよ。」


「わふっ!」


わあ!ここはどこなの?

僕が連れてこられた場所は

木がたくさんあって古くて錆びたバス停がある

とっても静かなところ。


「ごめん、こう。

またね。そこで待て。だよ。」


そのままご主人様は車に乗って行ってしまった。

僕はすぐに戻ってくると思って待ってた。

でもご主人様は来なくて

時間が経つと日は暮れ、真っ暗になった。

僕は心細くて怖かった。


「くぅーん…。」


ここで待ってなければいけない。

ご主人様が来るから。

待ってなきゃいけない。


そうご主人様を信じて僕は待ってた。


やがて2か月の月日が経った。

僕はやせ細り、葉っぱなどが体にまとわりつき

とにかく辛かったんだ。

でもある日、僕に希望が見えた。


いつものようにさまよっていたら、

聞きなれない車の音が聞こえた。

すると僕の前で車が止まる。


「何?梨桜。急に車止めろって…。」


「すごくつらそうなわんちゃんがいる。

拾ってあげないとかわいそうだよ」


「あ、ほんとだ。

でも結構汚れちゃってるね。

うちでは飼えないよ。」


「そんな…。

この子死んじゃう!」


…僕は何のことを言ってるのか

よくわからなかったけど

梨桜ってのはこの女の子の名前で

“梨桜”は僕を助けようとしている…?


「もう行くよ。乗りなさい。」


「お姉ちゃんはどう思うの?

獣医さん目指してるんでしょ?」


「かわいそうだけど。

私にはどうもできないよ。」


…行っちゃった。

もう僕はひとりぼっちなのかな…。

怖いよ。助けて怖い…。


数時間たった時にまた人影が。

足音が近づく。“梨桜”だ。


「わんちゃん!

うち、来る?」


「わふ…?」


「逃げないってことは

飼い犬なの?捨てられちゃったのか…。

そうか…よしよし…。」


梨桜の手は暖かくて、

安心した。今までの怖さ不安すべて消えて行った。

僕は梨桜に抱き上げられて森を抜けて行った。


僕は梨桜のお家に行った。


「梨桜!!!

何で連れてくるの!!」


僕が怒られたわけではないのに

とても怖かった。


「だってわんちゃんがかわいそう!

せめて…病院だけにでも行って

幸せにしてあげようよ!」


「…わかった。

病院行くだけだよ。」


「やった!」


僕はその後病院へ行って

薬を出してもらって…

もうずっと梨桜の家にいる。

幸せだった。ご飯もあって水もあって

あたたかくて…一人じゃなくて。

これ以上にない幸せだった。


「あき!お散歩いこう!」


「わんっ♪」


僕は「あき」という名前をもらった。

とっても嬉しい。


ピンポーン


音が鳴りだした。

僕知ってる。人が来たときになるやつって。


「はいはーい!」


そこに立ってたのは見覚えのある人だった。


「!?どちらさまですか…?」


「こうの…その犬の飼い主!

早くその犬返せ!

森のあたりの家を探ったんだよ。

お前だったのか、盗んだのは。」


「…!?どういうことですか?」


「早く返さないと訴えるぞ!」


「で…でも…証拠なんて…どこにもないでしょうし…」


「この子の写真ならある。これ!」


「…ですが一度捨てられましたよね…?」


…怖い。ご主人様が怖い…。


「関係ないだろ!

返せよ!捨てたら戻っちゃダメなんて

規則どこにあるんだよ!」


…梨桜…怖いよ。お母さんが必死に負けじと

言い返すけどご主人様は帰ろうとしない。


「いい加減にしてください!!

あきは捨てられたときすっごく苦しんだんですよ!

あなたにその気持ちがわかるんですか!?」


「何だよ…ガキ」


「一回捨てた人が飼い主だなんて

堂々と名乗らないで!

犬の気持ちも考えれない人に…絶対!

あきは絶対に渡しません!」


「な…。知らないし!

その子はもうおじいちゃん犬だ。

死ぬんだからいらねぇよ!」


勢いよくドアを閉め、出て行った。


「…あき……。

怖かったよぉ…でもね…

あきを失うよりはよっぽどへいきだよ。」


梨桜からあったかい水がたれてきた。

涙?…なんで泣いてるの?梨桜。


「あき…あき…。大好きだよ…。」


その涙は僕の心に染みた。

僕も涙が出そうだった。


そして1年くらいたったころかな…。


僕は体調が悪くなって、歩けなくなった。

食べ物を食べるのも苦しいほどだった。


何で泣いているの?梨桜は笑って居てよ。

そういいたいけど…言葉は通じない。


「わふ…わふ…。」


「あき…無理しないでよ…?

……うっ…笑顔でいないと…

あきに心配かけちゃうね…ううぅ…」


僕はそのあと息を引き取った。


「梨桜、ありがとう」


って思いながら。

あたたかい梨桜の中で…幸せに。





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