☆7
「まず、自己紹介をするわね。私は、土方かおり(ひじかた かおり)、あなた達と同じ芝公園高校の二年生よ。クラスは二組だから、教室は日下部君のクラスの向かい側ね」
かおりの言葉を聞いて、亜梨子が睨んでくる。向かいのクラスに在籍しているのに、かおりの存在に気付く事ができなかったからだろう。
うちの高校は、廊下を挟んで両側に四クラスずつ教会が並んでいるので、両隣と向かいのクラスの生徒とは廊下で顔を会わせる機会が多いのだ。
「魔法少女は、警察の専門部署に所属している事になっていて、モンスターと戦うのが仕事よ。私の場合は、東京都だから警視庁ね。まぁ、現代の陰陽師っていう噂も間違いではないかしら」
立場的には警察官という事か。それなら、自衛隊や警察関係にしか出回っていない銃火器を使用しているのも頷ける。
「魔法少女は、他にも居るのか?」
「ええ。私だけじゃないわよ」
複数の魔法少女に警察組織か。逆らうには分が悪い。
「俺達をどうするつもりだ?」
「それは、あなた達次第ね」
かおりがカップを持ち上げて微笑んだ。
「俺達はヴァンパイアと戦っている」
「ちょっと、先輩!」
テーブルに手を突いて、亜梨子が立ち上がった。
それを片手で制し、続ける。
「俺達には、そうしなきゃいけない理由がある。とは言っても、君達がヴァンパイアを倒してくれるのは構わないし、君達と敵対する意思は無い」
「理由?」
「悪いが、それは話せない」
俺の答えを聞いたかおりは、考え込んでいるようだ。
「君の事も口外しない」
かおりが考えるのを止めて、顔を上げた。
「いいわ。その代わり、条件があるの」
俺と亜梨子の顔を交互に見る。
「一度、私達の上司に会ってもらえない?あなた達がヴァンパイア退治を続けられるように、私からもお願いするから」
「分かった」
断る事はできないだろう。断れば、敵対する事になるかもしれないだ。
亜梨子も頷いている。渋々と言った様子だが。
「じゃあ、上司の予定を聞いて、連絡するわね」
その日は、連絡先を交換して解散になった。




