表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/24

☆3

「なんかさ、もう俺達、ヴァンパイアと戦わなくても良さそうだよね」


 無事にピザ屋に辿り着く事ができた俺達は、遅めの夕食を取っていた。


「なに言ってるんですか!ダメですよ!」

「ダメかぁ…。あの魔法少女に任せて、高校生活でも楽しもうかと思ったんだけどなぁ」


 例の魔法少女が率先してヴァンパイアと戦ってくれるなら、俺達は手出しをする必要は無いと思ったのだ。ヴァンパイアなんて奪い合う様な獲物ではない。


「はぁ…。全く先輩は…」


 亜梨子は溜め息を吐いてから、再びピザに手を伸ばした。

 ここのマルゲリータを気に入ってくれたみたいだ。

 昔、テレビで紹介されていたのを見て興味を持ち、ネットで店舗を探して訪れた事があった。実際に来てみると、味は美味しいのだが、店内はファーストフード店の様だなと感じた記憶がある。

 そんな事を思い出していると、携帯にメールが入った。


「あの子が使ってた銃、分かったぞ」


 メールは、銃火器に詳しい友達からだった。

 先程の公園で撮っておいた魔法少女の写メを送り、銃の種類を教えてくれるように頼んでおいたのだ。


「89式小銃って言う、自衛隊が使ってる銃だって」


 ピザを食べ終えた亜梨子は、頭にハテナマークを浮かべている。


「あの子は、公的機関の関係者である可能性が高いって事だよ。あの銃、市場には出回ってないんだとさ」


 ポケットからシガリロの缶を取り出し、一本抜いて、愛用の赤いバーナーライターで火を着けた。ウィンドミル製で、葉巻の着火に便利なのだ。


「なるほど」


 今はジャケットにジーンズという私服を着ているので、年齢確認をされる事も無い。前に高校生をやっていた時もそうなのだが、実年齢より上に見られるからだ。若く見られるようになったのは、25歳以降。

 それに、繁華街の飲食店で年齢確認をされる事なんて、ほとんど無い。万が一されたとしても、成人している年齢の記載された身分証も持っている。昔の自分のものだが、まだ有効期限内だ。

 亜梨子もその辺は分かっているので、今回は喫煙を咎める事はしない。

 ちなみに、彼女の私服は、ティーシャツに黒いミニスカートで、パーカーを羽織っている。実年齢通りか少し幼く見えるので、年齢確認等に関しては、こちらの方が心配だ。


「公的機関がヴァンパイアの存在を認識しているとしたら、俺達も気を付けて行動しないとな」

「はい」


 ヴァンパイアの存在を認識しているという事は、それを追う俺達の存在も知られている可能性がある。

 先日の魔法少女の反応を考えると、まだ俺達の個人情報までは掴んでいないのかもしれないが、それも時間の問題かもしれない。


「問題が山積みだな。ハァ…」


 溜め息と共に吐き出された紫煙が、天井へと昇っていく。


「溜め息吐くと、幸せが逃げちゃうんですよ?」


 亜梨子は、俺の様子を見て苦笑いしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ