☆20
「世界を書き換えたんだ。これぐらいのパワーアップはしててもおかしくはないさ」
刀身に纏う光が強過ぎて、もはや刀というより金色の大剣の様に見える刀を振りかぶる。
「亜梨子!」
「はい!」
亜梨子がユキに斬りかかり、時間を稼ぐ。俺の技をフルパワーで放つには、チャージに時間がかかるからだ。
「やぁ!」
亜梨子の双剣が弾かれ、バックステップでユキから離れる。
亜梨子が離れた直後、あおいの魔力でできた矢が俺の頭上を越えて、ユキへと無数に降り注ぐ。
矢は、振り返ったユキの魔力を纏った腕に防がれてしまったが、亜梨子が体勢を立て直すには十分な援護だ。
「かおりさん!」
「任せて!」
かおりが銀色の装飾が施されているリボルバーを構えている。
「斎藤さんと原田さんの分よ!」
リボルバーから魔力を纏った弾が発射された。
ユキの心臓を狙ったものだったのだろうが、左腕で防がれてしまう。それでも、左腕に深手を負った様だ。大量の血が飛び散った。
その隙を見逃さず、亜梨子がユキに向かって双剣を投げつける。一本は右腕に弾かれたものの、もう一本が左肩に突き刺さった。
「えい!」
亜梨子のかけ声で、ユキの左肩に刺さっていた剣が爆発し、肩から先が綺麗に吹き飛んだ。
「グオオォ!」
ユキが唸る。その声はすでに人のものではなく、まるで獣の様だ。
「亜梨子!OKだ!」
亜梨子は俺の声に頷くと、天井すれすれの高さでユキの頭上を飛び越え、俺の背後に舞い降りる。
これで、仲間は全員、俺の背後。前方には、鬼と化したユキだけだ。
「あばよ、化け物」
上段に構えた光の剣を、こちらへ振り向いたユキに向かって思い切り降り下ろす。
「ガアアァァ!」
刀身が伸びたかの様に光が突き進む。
ユキが断末魔の声を上げ、真っ二つになった。
爆音と共に光の奔流がフロアを金色に染め上げる。




