☆17
「久しぶりね」
扉の奥から出てきたのは、白いフード付きのローブを着た女性だった。
「そうだな。随分と探したよ」
俺と亜梨子は、この女を知っている。かつての旅で俺達を裏切り、この事態を招いた女だ。
「どうして、あなた達は私が書き換える前の世界の記憶を持っているのかしら?」
話に付いてこれないのか、魔法少女達の動きは止まっている。ヴァンパイアどもは殲滅したので問題は無いのだが。
「お前が書き換えた世界の影響を受けるのは、人間だけなんだろ?それが答えだよ、ユキ」
俺の体を白い光が覆った。
ショットガンを投げ捨て、刀を抜く。刀の刀身も白い光に覆われた。
「あなたのした事は、絶対に許せません!」
亜梨子の瞳が深紅に輝く。さらに、体全体と双剣を深紅の光が覆う。
「な、永倉さん!?」
その途端、かおりが声を上げた。
「黙ってて、ごめんなさい…。私はヴァンパイアハーフなんです…。だから、この戦いが終わったら、さよならです」
亜梨子が寂しげに言う。
「そういう事だったのね…」
ユキの瞳も深紅に輝く。
「ついでに教えてやるよ。明智もちゃんとこの世界に転生してるぜ。ただし、ちゃんと天使に守られて、な!」
言い終えると同時に斬りかかる。
しかし、ユキは恐ろしい速度で俺の斬撃を避けた。
続いて斬り込んだ亜梨子も躱し、俺達の背後へ回り込む。
「なんだかよく分からねぇけど、こいつは倒さなきゃいけないんだよな!」
あいがユキに飛びかかるが、槍を躱されてしまう。
「そういう事!」
えりもユキに斬りかかった。
あいが身を翻し、えりと連携する
「鬱陶しい!」
「うっ!」
「えり!」
ユキの手刀が、えりの腹を貫いていた。
「てめえ!」
あいが激昂し、魔力を込めた突きを放つ。
しかし、槍はユキに掴まれてしまう。
「がはっ!」
ユキは、槍を引っ張ってあいを引き寄せ、その腹を貫いた。
「斎藤さん!原田さん!」
「えりちゃん!あいちゃん!」
かおりとあおいが悲鳴を上げる。
「土方さん、二人を頼む!亜梨子、もう出し惜しみは無しだ!」
「はい!」
俺を覆う光の色が白から金へと変わる。
亜梨子の背中には純白の翼が生えた。
ユキが俺達へと向き直る。
「さぁ、第二ラウンドだ」




