☆15
「ここか…」
安藤のオフィスがあるビルから、警察車両と思われる黒いバンに乗せられて辿り着いたのは、麻布にあるクラブの前だった。
大音響の中で踊る方のクラブである。
「ええ。斎藤さんと沖田さんから合図が着たら、突入するわよ」
「了解」
かおりの言葉に了承の返事を返し、羽織っている黒いロングコートのポケットから、ドライシガーを取り出す。ビリガーエクスポート マデューロだ。
包み紙を破り捨てて、ドライシガーに火を着ける。
「おいおい、突入前に煙草かい?」
あいが呆れた様子で声をかけてきた。
「これが俺のスタイルでね。今日は遠慮する必要も無さそうだからな」
紫煙を吐き出しながら、レミントンM870をポンプアクションさせて、薬室に初弾を送り込む。
ベレッタも両脇のホルスターに一丁ずつ収まっている。左腰には刀。かつて友と旅をしたスタイルだ。唯一の違いは、コートの下に着ているのが高校の制服だというところだけ。
「久しぶりですよね、その格好も」
懐かしそうに笑う亜梨子も、かつての旅と同じ黒いマントを羽織っている。俺と同じく制服を着ているのは、制服を着るのが最後になるかもしれないからだ。
「かおり、アタシ達も!」
かおりとあいは、左手の指輪をかざし、魔法少女に変身した。
二人とも同じくセーラー服の様なコスチュームだが、セーラーに入っているラインの色が違う。かおりは黄色、あいは赤。
それぞれにライフルと槍を装備している。
「沖田さんから合図よ」
「じゃ、派手にいこうぜ!」
クラブの玄関ドアに向けてショットガンを連射すると、扉が穴だらけになって吹き飛んだ。
「言うだけあって派手だねぇ。アタシは好きだぜ、そういうの!」
扉の無くなった玄関から飛び出して来たヴァンパイアを、あいの槍が串刺しにする。
「突入よ!」




