☆9
人数分のお茶をトレーに載せて部屋に戻って来たかおりは、シガリロを吸っている俺を見て驚いていた。
しかし、安藤が約束通り上手く説明してくれたので、反論は出て来ない。
「本当は歳上だったのね…」
かおりは、俺にどう接して良いのか戸惑っている。
「まぁ、今まで通りというか、同級生として接してくれればいいよ」
短くなったシガリロを灰皿に捨てながら、そう告げる。
「わ、分かったわ」
肯定しながらも、かおりの視線は灰皿へと注がれている。
仕方ないと言えば、仕方がない。
「改めてよろしく」
「よろしくお願いします」
亜梨子と共に、当たり障りの無い挨拶をしておく。
「ええ。よろしくね。仲間が増えて嬉しいわ」
かおりが嬉しそうに微笑む。
「かおりちゃんはね、大地の属性の魔法少女なんだよ」
安藤がそう言うと、かおりは左手の中指にしている白い宝石が嵌まった指輪を見せた。
「あなた達は、魔法を使えるのかしら?」
「俺の武器はこれだ」
携帯を操作して、武器を喚び出して、テーブルに置いた。
愛用しているシルバーのベレッタ92FSだ。
「銃を使うのね」
「あぁ」
魔法を使うのかという、かおりの質問に直接答えてはいないが、魔法は使わないと解釈した様だ。今はそれでいい。
「永倉さんは?」
「私は…」
かおりの問いに、亜梨子は一瞬迷った後、魔力を実体化させた剣を出した。
「剣ね」
「はい」
かおりが確認したのを見て、亜梨子は剣をしまう。亜梨子も剣以外の手札を晒すつもりは無いらしい。
「彼らは、きっと大きな助けになるよ」
安藤は笑顔で言った。
「期待してるわよ」
かおりの言葉に、亜梨子が頷いた。
俺は新たなシガリロを取り出し、火を着ける。
「これで出来る範囲でね」
かおりの顔の高さに、片手で拳銃を掲げた。




