ハーレムルート失敗 ―主人公―
第8話
途中までゲーム主人公の独白。
読みづらいです、ご注意ください。
主人公の方針のお話。
1/20 タイトル変更 ハーレムルート失敗→ハーレムルート失敗 ―主人公―
私、不肖安土美穂は、早くも最初の関わらない宣言を撤回せざるを得ない状況に追い込まれたようです…。
***
えっと、とうや君から逃げた所まで話したっけ?
あぁ、そうみたいだね。じゃあ、続き、話すよ!もちろん聞いてくれるよね!
そのとうや君から逃げた後は無事正門を出て寮まで戻ることができたんだ。で、自分の部屋から目的の物を取って寮を出ようとしたら、ロビーの所で一緒に勉強してた親友に会ったの。
どうしたのか聞いたら、時間が経ちすぎてて心配して来たんだって。時計を見たら、私が図書室を出たときから1時間経ってたの!私どれだけ迷ってたのよって感じだよね!
謝ってから、寮の自習室で一緒に勉強したんだ。親友が私の分の勉強道具も持ってきてくれてたみたいだから。
これで昨日の話はおしまい。こっからは今日の話だよ!
え?聞かなくっても分かる?いいから聞いて!ねっ、お願い!グチりたいの!
あ、いいの?ありがと!
大丈夫?なんだか疲れた表情してるけど…。なんでもないから早く進めろって?あ、じゃあ話すね!
えっと、今日の朝起きて、学校の支度をして、寮でご飯を食べてから学校に行ったんだ。あ、寮のご飯はすごく美味しかったよ!当り前だって?そうだよね!でも、あんな美味しいご飯初めて食べたんだもの!
で、学校に登校したら、不機嫌そうなとうや君が来て、こう言ったの。
「昼休み、生徒会まで来て。聞きたいことがあるから」
って!とうや君って生徒会だったんだね!
そんなことより、私が何をしたのか、生徒会室で何があるのか気になって気になって、もう胃に穴が開く思いだよ!どうしよう!!
親友もその時一緒にいたんだけど、生徒会への呼び出しって何やったの、ってすごい食いつかれちゃって…。私に呼び出される覚えなんてないのに…。
え?内容が気になるんなら生徒会室に行け、もう昼休みだ、って?
お願い!一緒に行ってくれない?あなたに頼むなんてお門違いだってわかってるけど…。
「ねえ、私の名前、知ってる?」
「え、」
「名前も知らない人にそんなこと頼むの?」
「ご、ごめん。でも、なんだかあなたといると落ち着くっていうか、ホッとするっていうか」
「…ふーん。でもやだ」
「そんなっ!こんなこと頼めるの、あなただけなの!お願い!」
「いや、そもそも今会ったばっかのどこの誰とも知れない奴に頼む方がおかしいんだからね」
「う、そうだけど、でも」
「て、いうか! その親友とやらは頼まれてくれないわけ?ひどい親友もいたもんだね」
「違うよ!つづちゃんはそんな子じゃない!委員会が昼休みにあるらしくって…」
知ってるけど。
それともここはいやつづちゃんって誰だよ、って突っ込むべきか?まぁいいや。面倒くさいし。
あまりに主人公が鬱陶しかったんで話をさえぎって分かり切ったことを聞いてしまった。
しっかしこれはひどい。もう学園崩壊確定とか。
いや、確かにバットエンドを逃れる方が難しいのは知っていますよ?バットエンドを迎える確率が高いことも承知していましたとも。
でも、でもだ。この主人公は現実で主人公なんだし少しくらい期待知ったっていいじゃないか。
昨日、見事隠しルート突入した主人公は、最後の最後でこけやがりました。
顧問、会長、監査、副会長、書記と順調にイベントをこなして、流石主人公、一個も選択肢間違ってねえ、と私をうならせた主人公は、最後の会計で見事選択肢を間違えた。
なぜここで間違えると聞きたい。すごく聞きたい。なぜなら、前5人は選択肢を間違えてもやり直す機会があるが、最後の会計だけはやり直す機会がなく、学園崩壊一直線だからだ。
もちろん学園崩壊まで時間はあるし、攻略キャラの好感度も上がるし、イベントも存在するが、それでも最終的な終わり方は学園崩壊なのだ。これが、このゲームがプレイヤー泣かせと言われた一番の所以。
しかもこの場合の学園崩壊は、特能持ちが一般人に弾圧され、次々と謂われない罪で逮捕されて公開処刑されていくというかなり物騒なものだったはず。弱い特能持ちでも忌み嫌われ差別され、肩身の狭い思いをして暮らしていかなくてはならない。
私はまだ特能持ちだとばれていないが、この学園も取り壊され、在学していた一般人も特能持ちと馴れ合ったとして移された学校では白い目で見られていた。
あー、ヤバいよ。このエンドは嫌だ。くっそう、修正するか。
ちなみにその後の生徒会の面々は、生徒会室で顔を合わせることになった。顧問が生徒会室に行き、それを会長が追い、監査も追い、副会長も追い、となった結果である。次々と息を切らせて生徒会室に駆け込んでくる面々を不審に思った顧問が問い詰めた結果、見事生徒会メンバー全員が情報の共有に成功、全員と遭遇している志信を怪しんだわけである。
そして今日、私が昼休みにお気に入りの菖蒲園、つまり東庭でお昼を食べようと思ったら主人公と遭遇し、愚痴を延々と聞かされていたのであった、まる。
もちろん主人公の頼みなんて聞くつもりはない。修正はするけど、それは自分のため。自分に最もいい形に持っていくなら、主人公とは関わらない方がいい。
仕方ない、こうなったら私がバットエンドをハッピーエンドに変えてやるよ。
主に自分のために。
公開処刑でないと安心できない、という一般人の訴えにより公開処刑。
という設定です。ご都合主義でごめんなさい…(´・ω・`)