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暁学園  作者: surumeica
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ライバル登場!

サブタイトル詐欺と言われそうでビクビクしている今日このごろです


 私の悲痛な魂の叫びが聞き届けられるわけもなく、無情にも今日からA組での授業が始まった。

 正式なA組への移動は昨日だけど、昨日の全校集会は7時間目、つまり授業が全部終わったあとだったから。

 うーん、授業中何かされないといいんだけど。倍返しは楽しいけど、無駄な労力って使いたくないんだよね。主人公もうるさそうだし。

 何もないといいなぁ、というか、何もしようがないだろうけど。



「――で、ここで先ほど使ったβの二次式をαに代入して――…」


 ちなみに私の席は廊下側の一番後ろだ。どうやら成績がそのまま席順になるらしく、考査も受けないままAに移動した私はやはり一番下という扱いらしい。それでいいんだけどね。


「――そうするとαは三次式から二次式になるので――…」


 ふと思ったんだが、これで中間考査で私が悪い点数を取ったらBに落ちる、なんてことにならないかな。いや、やらないけどね?だって生徒会入りは取り消せないし。

 仮にBに落ちたとして、私を待っているのは『何あの子頭悪いくせに生徒会に…』みたいな視線だろうし。流石にいじめはないといいなぁ。犯人の特定とかは簡単だけど、これまた報復は面倒だし。特に相手が先輩だったりすると。


「――最初に作っておいたxの式を代入することでαが求まるわけだ」


 分かると思うが、今は数学の授業中だ。B組よりも多少進んでいるとは言え予習の範囲内だったため、問題はない。一応ちゃんと聞いているし、ノートも取ってるしね。

 もうあの時みたいな失敗は犯さないよ!二度あることは三度ないんだから!


「これを参考に…そうだな、矢野、安土、問3と問4を解け」


 と思ったら普通に当てられました。いや、聞いてないと思われて当てられるよりはよっぽどいいんだけどね。

 それでもこう…心の中とは言え格好つけた後で当てられると…ねぇ。うん、解けるし別にいいんだけどね…。は、恥ずかしくなんてないんだからっ。


 渋々前に出て、問題を解いていく。ちなみに私と一緒に当てられたのは、主人公の親友(笑)のつづちゃんだ。苗字は矢野と言うらしい。初めて知った。嘘だけど。


 どうでもいいけど、チョークって書きづらいよね。xならまだましだけど、αとかβとかだと書き辛いことこの上ない。先生が書いてるとうまく見えるんだけどねー。慣れって大事。


 とか思っていたら、つづちゃんが困っているようだ。途中で計算を間違えたまま書いちゃって、今矛盾に気がついたみたい。どこから間違えたか分からず混乱しているようだ。

 こういうのって客観的に見れば一発で分かるんだけど、自分で見直すと案外分からないもんだよね。人に言われてようやく分かる、みたいな。割とよくあると思う。


 さて、私はもう席に戻りたいんだが…つづちゃんが書き終わらなきゃ戻れる雰囲気じゃない。どこを間違えてるかも分かるし、大した手間じゃないから助けてあげるか。これで見捨ててつづちゃんだけ恥ずかしい思いするとかは割と罪悪感あるだろうし。



 先生から見えないように、黒板にこっそりどこを間違えているか書き、つづちゃんに目配せする。

 なかなか気がつかないので、チョークで黒板をカツカツと叩いて合図を送ってみる。ようやく気が付いたようだ。


「ありがとうっ!」


 つづちゃんはこっそりと、でも笑顔で私にお礼を言い、間違っていた部分から修正していく。結構始めの部分で間違えていたので、計算を直すのも大変だろう。頑張れつづちゃん!


 何度か主人公とのやり取りを見てたけど、つづちゃんはゲームで受けた印象よりもよっぽどまともな子だったので好感が持てるのだ。もちろん歩ちゃんの方が好きだけどね!



「よし、二人共正解だ。席に戻っていいぞ」


 つづちゃんが書き終わったようで、教室の扉にもたれ掛かって見ていた先生からお声がかかって二人同時に席に戻る。直した答えは無事合っていたようだ。よかったね、つづちゃん。


 やはり自分だけ終わったからといって席に戻ったら白い目で見られたようだ。いや、本当に見られたかどうかは分からないけど。

 この先生は自分でいちいち指示を出すタイプらしいから、許可なしに席に戻ったら何か言われたかもしれない。よかった、一人で戻らなくて。


「えー、このように三次式に二次式を代入し、出来た二次式に一次式を代入して解を求める場合は――…」


 あぁ、そういえば、主人公の位置は窓際の前から5番目だった。あれでそんなに頭いいのかぁ…。まじかぁ…。少し遠い目になったのは許して欲しい。ちなみにつづちゃんは真ん中らへん。

 会計の位置は主人公の3つ前。つまり学年2位だそうです。1位は誰だろうと思ってみると、可愛らしい女子だった。主人公とは違うタイプの、利発そうだが大人しそうな子だ。うーん、どっかで見たことあるような気がする。



 どこだっけなー、と考えつつ平然と授業を受けていると、急に思い出した。ピコン!と言いそうな勢いで、それはもう鮮明に。

 そうだ、そうだった。ライバルキャラだ。会計のライバルキャラで、彼が主人公よりも彼女をからかった方が面白いと感じると彼女ルートが始まる。

 ちなみに主人公は指をくわえてみているだけ。むしろ微妙に背中を押していたりする。何故だ。


 各キャラには一人ずつライバルキャラがいて、ライバルキャラルートが一つずつ用意されている。バットエンドの一種だ。

 ライバルキャラルートって書くと主人公がライバルキャラを攻略するみたいだけど、そういうわけではなく。主人公という名の第三者視点でライバルキャラと攻略キャラの恋愛模様を見ていくだけというルートだ。

 これだけ聞くとプレイヤー受けは悪そうだが、実はそうでもなかったりする。

 理由は簡単。ライバルキャラがまともな上に、ストーリーが感動ものなのだ。設定もなかなか凝っているし、このルートに入るとその攻略キャラとライバルキャラの絡みのスチルが一枚以上見れるのだ。これがかなり綺麗だった。あ、絡みって言っても変な意味じゃないからね?グロい的な意味でR18なゲームだったけど。

 それはともかく、ライバルキャラは割と人気だったし、私も好きだった。前世では。今まで存在ごと忘れてたけどね!

 さて、私が何を言いたいか、お分かり頂けただろうか。




 つまり、ライバルキャラktkrヒャッハー!ってことです。



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