私の去ったその後で
第4話
短いです。そして会話文多いです。
会話の書き分けって難しいorz
誰が誰だか分からなくなってる可能性有り(´・ω・`)
誤字脱字等がありましたら連絡よろしくお願いしますm(_ _)m
「…一体何だったんでしょうか」
安土美穂が特能を切った後、暁学園高等部の生徒会室では役員五人が怪訝そうに顔を突き合わせていた。
「今の視線、特能か?」
「恐らくはそうだと思いますが…視線が微かすぎて上手く捉えられませんでした。この類の特能持ちは高等部にはいなかったはずなのですが…」
「んじゃ、隠してる人がいるとかッスかねー?」
「確かに特能のコントロールが上手ければ隠すことは可能だけど…」
「可能性としては限りなくゼロに近いよねー。ずっちー的外れー!」
「うん、だよねー。でもね動矢、実はオレ、君の先輩なんだよー?」
「そんなこと知ってるしー」
「そっか、じゃあせめて呼ぶときは先輩って付けようねー?」
「やだー!」
「あれ、おかしいよね?オレ、譲歩してるよね?」
多少期待を込めた水地の推測を、江陰が遠慮がちに、伊山がばっさりと否定した。
水地の名字をもじって、伊山は水地のことを「ずっちー」と呼んでいるようだ。
水地の言葉は的外れどころか大当たりだし、美穂が聞けば「うっわ、勘鋭っ!」と思うこと間違いなしなのだが、そんなことを知るはずもない面々は後輩に軽くあしらわれて落ち込んだ水地を慰めようともしない。
もっともこれが普段の風景で、水地も見た目ほど落ち込んでいるわけではなく、ただオーバーリアクションなだけなのだが。そして他の面々はそれを承知しているので、2人を放って話を進めている。
「特能であることは間違いないだろうね。それに、静が目を向けてから視線がなくなったことを考えれば、向こうはこっちが気付くとは思っていなかったみたいだ」
「ええ、その可能性は高いでしょう。特能を申請していない上でばれないと思ってこちらを覗き見していたとすれば、完全になめられているんでしょうね」
「ほーぉ。いい度胸じゃねえか。俺ら相手にケンカを売ってると解釈しても問題ないんだな?よし、なら捕まえてやんよ!」
「いや、そうと決まったわけではないので勝手に盛り上がらないでください。ですが、申請していない特能を確認、報告するのも義務の内ですから、仕方ありません、僕も参加しましょう」
「そんなこと言って、目が輝いてるよ、静。やっぱり楽しんでるね?」
「バレましたか。ええ、楽しみですよ。ここの所事務作業ばかりで体が鈍っていましたから、この鬼ごっこでは動き回りたいものですね」
「そうだね。僕も楽しみだ。でも、あんまり手荒くしちゃだめだよ。女の子かもしれないしね」
「分かってますよ。で、掠はどうやって見つけるつもりですか?」
「ああ、そうだな…。とりあえず校舎内を一度手分けして探索するぞ。どの特能であれ、ついでにいくらコントロールが上手くても、そんなに広い範囲を使える特能持ちは限られている。校舎内にいる可能性は高いだろう。見つかったらそれでよし、見つからなかったらそうと思われる特能を持っているヤツを挙げて絞っていくぞ」
「ええ、そうですね。あぁ、疾風と動矢はここで事務作業をしててもいいんですよ?」
「いやいや、当然参加するッスよ!面白そーですし!」
「うん、面白そー!どんな子かなあ?きっと僕らをよく知らない1年生の外部生だよねー!よーし、一番最初に見つけるぞー」
「見つけても遊びすぎちゃだめですよ。さて、それでは、行きますか」
林堂の言葉を皮切りに、役員5人は楽しげに部屋を出て、ばらばらに校内を探し始めた――。
生徒会でのいじられキャラは会長と書記。