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暁学園  作者: surumeica
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救出 ―生徒会役員―

第21話


主人公が意気込んでずっこけるお話。


監査の口調が難しい…orz




 保健室に到着。

 道中顧問が何か言いたそうにこっちを見ていたが、生徒会に囲まれて歩いている姿を誰かに目撃されないかに気を配っていた私には些細なことだったので黙殺。


「こりゃひどいな。誰にやられた?そこの馬鹿どもに監禁プレイでもされたか?」

「いやしねぇよ!頭腐ってんじゃねえの」

「直江先生、たちの悪い冗談は止めてくれませんか?」

「なおちゃん、つまんなーい」

「お前ら手厳しいな…」


 ちょっとした冗談でそう言った直江先生は、会長と副会長と会計の反論にあって少しうなだれていた。ハハハざまあ。

 保健室まで行って手首と足首を見せ、手当てをしてもらった。


 尋問タイム突入ですかー…。はぁ、憂鬱だ。

 でも、とりあえずここで私が特能をもっていることは話してしまおうと思う。眼操についてはまだ話さないけどね。寮から学校内を見れるのは相当強くなきゃ無理みたいだし。移操と色操は弱いし特訓もしたいから、話そうと思う。

 あ、そうするとさっき林堂先輩に嘘ついたことも話さなきゃいけなくなってしまう。ここは素直に怒られるべきか。いや、怒ったあの人超怖そうだし、色操だけにしとこうかな。うーん、悩みどころである。

 でも、後でバレた時の方が怖そうだよなあ。絶対あの人いつまでも根に持つタイプだよ。

 うん、話そう!


「じゃ、もう帰っていいぞ」

「は、」

「今日はお疲れさん。ゆっくり休めよ」

「え、」

「犯人の方もこっちで確保しとくから」

「あれ、」

「知尋、送ってやれ」

「えっと、」

「了解です。じゃあ、行こうか」

「は、はぁ…」


 あれ、おかしいな。確かに水地先輩の目は保健室で詳しく、って言っていたのに。雷先生が勝手に話を進めちゃったよ。

 水地先輩もぽかーんとしてるし。林堂先輩なんかぽかーんとしながら青筋浮かべてるし。器用だな、本当に。江陰先輩は送る気満々で私の荷物持ってるし。


 …って、ん?私の荷物?

 そういえば、攫われる前、購買に行ったときは持っていた筈なのに用具入れ内には無かったな。なんで持ってるんだこの人。


「あの、私の荷物、どこにあったんですか?」

「やっぱり気付いた? 犯人が持ってたよ」

「犯人に会ったんですか!?」


 江陰先輩は困ったように笑って教えてくれた。そういえば私、江陰先輩の表情の中で一番この顔を見てる気がする。


 そういえば呆然としていて聞き流たけど、顧問も犯人の確保とか言ってたし、犯人は誰だか分かってるっぽかったな。でもまだ捕まえてないってことは、見かけたけど逃げられた、とか?

 いや、違うか。どうして誘拐について知ったのかが分からないし、その犯人についてもどうやって見抜いたのかが分からない。


「詳しく話すと少し長くなるんだけどね――…」


 困った笑顔のままの江陰先輩の話を要約すると、こういうことだった。


 生徒会は上杉志信を見失った。その上杉志信は私を探していたから、私も一緒に探すことにした。校内を走り回っても見つからないから一度一か所に集まったとき、目の前を一人の男子生徒が走りすぎて行った。副会長が注意しようとしたところで会計がその生徒が持っている鞄が私の物だと気が付き、事情を聴こうと追いかけた。鞄は奪取したがその生徒の確保は出来ず、これはますます怪しい、ということになって気配を探る特能持ちを呼び出して探し出した、と。



 どうして私が攫われたことが分かったのか、どうやって見つけ出したのかまで分かってしまった。その分少し時間もかかったけど、流石は生徒会役員。実に分かりやすく話してくださいました。

 あ、鞄の中は覗いてないってさ。そんな心配してないけど。


「そうだったんですか。ありがとうございます。で、上杉さんは見つかりましたか?」

「「「「…あ」」」」


 こいつら…実はあほだったのか。知らなかった。まぁ助かったし、表情には出さずに苦笑しておく。

 恩返しに主人公の場所を探して、教えておこう。弱ってるし早く寮に帰って寝たいが、眼操で人を探すくらいなら容易い。

 …ん、見つけた。


「彼女なら図書室にいますよ。移動してなければ、ですけど」

「どうしてあなたが知っているんですか?」

「私、何故か彼女に追いかけられているでしょう?友人に協力してもらって、彼女を見かけたら逐一居場所をメールしてもらってるんです」

「なるほどー。だからまだみーちゃん捕まってないんだねー」

「危機察知センサーって嘘じゃーん」

「え、まさかそれ信じてたんですか!?先輩…正直ドン引きです」

「いや信じてないよ!信じてないからね!?」


 一応嘘じゃない。昨日から歩ちゃんその他比較的仲の良いクラスメイトに頼んで、彼女を見かけたらメールをくれるよう頼んであるのだ。そしたら何故かかなりの人数が集まって、その人たち全員とメールアドレスを交換する羽目になってしまったが。お陰で眼操を使ってなかった時はすごく助かった。


 伊山君についてはどうでもいいので放置。朝のことを根に持ってなんかいないんだから!

 ついでにニヤニヤ笑いながら突っ込んできた水地先輩は虫けらを見る目で見ておいた。なんかウザかったから。


「えっと、じゃあもう帰ってもいいですか?」


 なんだか説明する気も失せてしまったので、そろそろ帰ろうと思います。

 と思ったのに。


「待て。まだ話は終わってない。今度は此方が聞きたいことがある」


 こんの馬鹿会長め。一度ならず二度までも私の腕を掴みやがって。

 雷先生が帰っていいって言ったんだから、帰してよ。


「え、でも…」


 なんて言えるわけもなく。先を濁して雷先生の方をチラ見するだけにとどめましたよ。


「おい、掠。安土は疲れてんだから今日は休ませてやれ。話を聞くなら明日でもできるだろ」


 そうだそうだ!私は疲れてるんだ!ふらふらなんだ!眠いんだ!


「ふぁ~ぁ」


 あ、やべ。そんなこと思ってたら大欠伸してしまった。なんか見られてるのを感じる…恥ずかしっ!

慌てて口を手で覆うも時既に遅し。頬に熱が集まるのを感じながら、俯くしかなかった。


「…どうやら本人も疲れているようですし、話は明日にしましょう」

「チッ、そうだな」


 火野先輩は本当に舌打ちがお好きなことで。


「では安土さん、もう行って結構です。そのかわり明日の放課後、生徒会室に来るように」

「…はい」


 副会長サマに念押しされ、もう一度生徒会と直江先生にお礼を言ってから江陰先輩が開けてくれていた扉をくぐる。


「じゃあ行こうか」


 困った笑いじゃなくなったのはいいけど、何故にそんな満面の笑みで仰るんでしょうか。

 そして私が先輩に送られることは決定事項なんですね。畜生!



 …早く寝たいなあ。




監査の笑顔…ゴク


そろそろ直江先生視点が書きたいな…(´・ω・`)

「保健室の先生」での行先とかその後の先生たちとか書きたい(´・ω・`)

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