かくれんぼ
第10話
短いです。
主人公とゲーム主人公のかくれんぼのお話。
もちろん鬼はゲーム主人公。
そしてどんどん主人公に疲れとストレスが溜まっていきます(笑)
あれ、どうしてこうなった?
入学3日目。
今日も普通に登校して可愛い歩ちゃんと会話して退屈な授業を聞きつつ主人公と攻略キャラを見つつ可愛い可愛い歩ちゃんをチラ見しつつ暇を持て余していた。今日の午前中までは。
昼休み。
何をどうトチ狂ったのか、主人公が私を探して私のクラスに訪れたようです。
なぜ推定なのか。それは、私の主人公センサーが危機を察知して他のクラスに逃げ込んだから。
嘘です、はい。単純に主人公の動きを観察していたらなにやら不穏な動きを見せ始めたので逃げただけです。
親友(笑)のつづちゃんに私を紹介したかった模様。
勝手に私のことを友達って言ってましたが、あなたは私の名前もクラスも知らないんですよ。ええはい。
ついでに言うなら私はあなたの要求を断った挙句にあなたを振り切って逃げたんですが。
どうも主人公の頭の中はお花畑なようですね。春だからかなあ…。いや、年中か。
とにかく私は主人公から逃げ切ることができた。油断は許されたくなったけど。
1年の教室を見た後は2年、3年、更には他の棟まで探し始める始末。方向音痴属性どこ行った。
外を探そうとして、迷ったことを思い出して止めたみたいだけど。
放課後も、正門を出る生徒を見張った後に校内を探し回っていた。ご苦労なことで。
私はというと、主人公が正門を見張っている間に裏門から帰った。
歩ちゃんと一緒に帰りたかったけど、部活があるらしい。野球部のマネージャーをしているらしい。中等部からとはいえ内部生だから、中3からやってるんだってさ。ちなみに彼氏も野球部所属だと。畜生彼氏が羨ましい!
***
次の日も、その次の日も主人公は私のことを探し続けていた。どうやらかくれんぼだと勘違いしているようです。はい、主人公の頭はお花畑決定!
寮の部屋まで見て回ろうとしたそうだけど、流石につづちゃんに止められていた。ナイスつづちゃん!私の中でのつづちゃんの好感度がうなぎ上りだよ!嘘だけど。
さらに、時々生徒会のメンバーまでB組を訪れていた。そして主人公と絡んでいた。そこでも会計以外の選択肢は間違えなかった。会計の選択肢はことごとく間違っていたけど。
これのせいで今やB組と主人公は学校中の注目の的である。
これで私は完全に気を抜けなくなった。
今までは寮の自室に帰ってからはB組の顧問が言っていた条件にあてはまる生徒を軽く観察して、予習をしていただけだったんだが、主人公が寝るまで、更に起きる前から主人公を見ていなければいけない。
授業中も生徒会も主人公も今まで以上に注意して観察するようになった。複数に集中すると疲れがたまるのが早いんだけどなぁ。
予習は流石に特能を使わずにやったが、3日も連続で使い続ける日が続くと疲れる。歩ちゃんにも心配されてしまった。もちろん、ただの疲れなので大丈夫だと笑って言っておいたが。
主人公の就寝時刻は意外と早く、11時には熟睡していた。起床時刻は6時。
7時間睡眠ですか、羨ましい。こちとらあなたのせいで12時に就寝、5時半起床なんだぞごるぁ!
うーん、早々に今の状況を打破しないとヤバいかもしれない。
きちんと予習を続けている主人公はただの勉強好き。ついでに歩ちゃん好き。
勉強から逃げて小説を読み始めた私とは天と地ほど違います(笑)




