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6条―どうせ今コクリコ坂見てるんでしょ
グルコース堤下が目を覚ますと津軽海峡だった。
「これが冬景色か……」
筆者はこれしか知らない。
これ以上は想像力のたまものなのだ。
「それにしてもどうして今回は津軽海峡なのだろう」
それもそのはず。
赤の組織、通称レッドブルは毎回堤下の命を奪わんとしてあらゆる異世界に彼を転送し続けてきた。
それが今回は初歩的な田舎町である。
周りを見回してもイオンすらない。
「これは一周回って地獄かもしれないな」
そう、シティボーイの堤下にとってイオンもない田舎町など苦行でしかないのだ。
「おーっほっほっほ」
油断してグルコースに火をつけていた堤下の背後に不気味な笑い声がとどろいた。
「誰だ!!」
堤下の女子供を問わない大人げない怒号が響く。
「わしじゃ」
そう、第一村人である。
堤下の運命やいかに。
to be continue...




