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4条―男なら清濁併せのむほどの器量が云々


 「みなさんお揃いですか」

 居酒屋エグ罪ルには事件発生前、ガイシャとともにいた者たちが召集をかけられた。

 毛利探偵事務所のモーリータンティ浜田は周りを見回したが、そこにはグルコース堤下とジャスティス佐原のほかは誰もいなかった。


 「どういうことですか」

 モーリータンティ浜田は激怒した。

 しかし南国の穏やかな気風に囲まれてすくすく育った堤下は一向に動じない。

 「まあまあ落ち着いてください。あ、僕は生中で」

 「あたしも」

 「ふざけてるんですかあなたたちは!今から事件を追うところなんですよ!!あ、僕カシオレ」

 浜田は下戸だった。


 居酒屋エグ罪ルは今日も繁盛している。

 なにしろ店長はあのサンシャイン敦。今日も敦の美声が響き渡る。

 「うるさい!」

 モーリータンティ浜田は激怒した。

 しかし北国の酷烈な気候で胆力を養ったサンシャイン敦は一向に動じない。


 「早速ですが、ガイシャはあなたですね堤下さん」

 「はい」

 「あなたはこの佐原氏と一夜を共にしたと」

 「違います!断じて違います!」

 堤下が奇声を発したため店のお客はどん引きした。

 

 「まあ良いでしょう。とにかくあなたは佐原氏と最後まで行ってないことを証明したいわけだ」

 「そうです!」

 堤下はビールを飲み干すと勢いよくイカの一夜干しに手を伸ばした。

 「別にどっちだっていいじゃない」

 「よくない!」

 堤下は泣きながらソーセージを口にする。


 「とにかく証人が必要です。まずは人が集まるのを待ちましょう」

 居酒屋エグ罪ルは今日も大盛況だ。


 はたしてみんな来てくれるのか。二次会やいかに。


 つづく

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