4条―今日から俺は……
グルコース堤下が目を覚ますとラブホテルだった。
「やっちまったか!?」
隣には茶髪のロングヘアーが寝ている。
昨日堤下はポイズン丸山と新入りローレライ綾子と居酒屋エグ罪ルで飲んでいた。
みんなやたらと飲み散らかし、最終的に服を脱いだ丸山が彼のファンファンウィーヒザステーステーを露出し始めたあたりで隣で飲んでいたレインボーブリッジ封鎖課の刑事に補導されていったことまで記憶にある。
まさか綾子か。いきなり新入りに手を出してしまったのか。堤下はくちびるまで青くなった。
「おい……おい!」
恐る恐る布団をはぐとジャスティス佐原(♂)だった。
「おあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
「うるさいわね」
部屋の隅でうなだれる堤下を一瞥すると佐原はタバコに火をつけた。
「あんたが誘ったんじゃない」
嘘だ。そんなの嘘だ。堤下は自分に言い聞かせた。
これは罠に違いない。そう赤の組織だ。やつらがまた俺をはめようとしているに違いない。堤下は心の平衡を保とうとした。
「終わったことは仕方ないわ」
佐原は言った。
しかし堤下は許せなかった。童貞(45歳)をこんなやつにささげたなんて……。
彼は童貞永年私財教を信仰しており、一生涯性的交渉を持たぬ高潔な民として生きる者なのだ。それがこんな形で破られようとは……。
彼は立ちあがった。
必ずやなにもなかったのだと証明せねばなるまい。
まずはアリバイを集めよう。彼はケータイを取り出し、毛利探偵事務所に電話をかけた。
つづく