デートをドタキャンした彼女が甥っ子くんの面倒みてて…うっかりそのパパと浮気しちゃったっぽい⁉︎
オレには超絶大好きな彼女がいる。
かやのっていうんだけど、いつもニコニコしてて優しいオーラがすごいんだ。
でも…
デート二日前に、突然ドタキャンしてきたかやの。
なにやら、甥っ子くんの看病をしなくてはならなくなったそうな。
かやののお姉さんの息子さんらしいんだけど、お姉さんが急遽仕事で、甥っ子くんは少し風邪気味だから、お家でまったりするとか。
オレも手伝いに行こうとしたんだけど、風邪うつしちゃうと悪いからっていうのと、風邪気味のときは、不機嫌なことが多いから大丈夫っていう理由だった。
なんなら、お姉さんの旦那さんも送ったあと、ついでに少しお邪魔するからって…。
で、その日から…なんか、かやのの様子が変なんだよね…。
一応次の週は、やり直しデートしようねってなったんだけど…
やっぱり遊べなくなったって連絡がきた。
だから電話したら、電話はできない。って断られた。
ほんとにどうしたのだろう?って心配していたら、かやのから携帯に連絡が入った。
「ごめんなさい」
と。
⁇
やっぱりおかしいよね。
「どうしたの?」
ってすぐさま返信するとかやのは、
「浮気しました…」
って返してきた。
⁉︎
う、浮気って…
「それっていつ?」
「この前デートドタキャンした日」
「甥っ子の面倒みてたんじゃないの?」
「みてた…でも、そのとき…つい…断れなくて…。大好きなの。ごめんなさい」
ってきたんだよね…。
お姉さんの旦那さんと…ってことだよね…
好きなんだ…?
てか、大好きって…
オレは大きな、ため息をついた。
「いつから好きなの?」
「ずっと。それで…なんか言いづらいんだけど、うつっちゃったっぽいんだ。だから当分は…」
え…
うつっちゃったって何⁉︎
「病気ってこと?病院には行ったの?」
「うん、薬もらった」
「治る…んだよね?」
「うん。でもわたし…いつも長引くから…」
⁉︎
いつも⁉︎
えっ⁉︎
どういうことー⁉︎
「いつもって何?」
「わたし、油断するとすぐうつるんだ…だから、当分治らない。熱とか高熱になるし」
…
浮気は許せないけど、でも熱が出ちゃうなら、これは放っておけないよね。
「ご両親は、今いるの?そのこと知ってるの?」
「うん」
…
知ってるんだ…
かやのは、ご両親と住んでるんだもんな…
「これからどうするの?とりあえず顔がみたい。すぐ帰るから少しだけ会えない?」
「無理」
…
仕方なくオレは、かやのの家の玄関にかやのの好きなお菓子とジュース、熱冷ましグッズを置いてきた。
メッセージも一緒に。
(体調良くなったら連絡ください。今はゆっくり休んでね。)
って書いて。
それから一週間が過ぎて、だいぶ良くなったって聞いたから、あって直接話を聞くことになった。
待ち合わせ場所の公園のベンチに座るかやの。
「かやの…」
なんだか、かやのは随分と痩せたようにみえる。
「あ、悠人…」
元気のないかやのの隣にゆっくり腰をかけた。
「ごめんな…。オレがこんなんだから、ちゃんと繋ぎ止められなかったから…」
「ううん、わたしが悪いんだし…」
「病気の方は大丈夫なの?」
「うん、もう治った。」
「そっか。で、これからどうするの?お姉さんは、そのこと知ってる?」
「うん、笑ってた。」
⁉︎
お姉さん…
壊れた?…んだ?
「その…旦那さんは、なんて?」
「お姉ちゃんみたいに笑ってた。でも、二人ともうつしちゃったのは、ごめんって謝ってくれた。」
…
え…
「ご両親は?一緒に住んでるよね?」
「うん、笑ってた」
…
もう、笑うしかない…みたいな⁇
「えと…かやのは、どうしたいの?」
…
しばらく黙っていたけど、かやのはオレをじっとみて、
「別れたくない‼︎あれは…つい…っていうか、不意打ちだったから…」
って、真っ赤な顔でオレに訴えかけてきた。
不意打ちって…
「でも、オレより…好きなんだよね?」
「オレよりっていうか…好き度が違うから…その…」
…
好き度…
オレは、いったい…どうすりゃいいんだろう…
「オレは、かやのがもうしないって約束してくれるんなら、その…許す。どう?」
「うん、気をつける‼︎そういうことしないように、おもちゃで釣るね‼︎」
気をつけるって…
おもちゃって…
「え?ペットとかの話じゃないよね?」
「違うよ!人間に決まってるじゃない」
…
あ、そうだよね。
浮気相手がペットだったら…って淡い期待を持ってしまったバカなオレ。
…てか、なんか…心配だなぁ。
「そもそもさ、みなさん…笑うってどうなのかな?」
「そうでしょ?笑うっておかしいよね?二歳の男の子でもやっぱり男の子じゃない?いきなりほっぺにチューとか、浮気じゃない」
と顔を赤くした。
「え?浮気って…甥っ子くん?」
「うん。向こうは、パパとママはよくほっぺにチューするし、飲み物も交換したりするっていうんだよ?だからって、いつのまにか…わたしのジュース飲むとかありえないじゃない?風邪気味なのにさ?そりゃうつるじゃない?キスだってさ…」
…
「えと…かやのは、風邪ひいてたんだ?」
「うん、薬飲んでだいぶいいけど」
…
「マジかぁ。マジかよー…」
オレは安心して、かやのを抱きしめた。
「えっ…、どうしたの?」
「ううん、甥っ子くんと浮気してもオレは全然許すよ。だから、あんまり心配しなくていいよ。それは浮気じゃなくて、スキンシップだわ。よし、これから甥っ子くんにおもちゃ買いに行こっか」
「うん!」
かやのにオレは、優しく微笑んだ。
純粋なかやのが、やっぱり大好きだって改めて思う今日この頃なのです。
おしまい♡