第9話
何気ない日常を過ごしていたが、祖父の死をきっかけに自分の未来を放送するラジオを手に入れた主人公。未来は何故ラジオから放送されていたのか?その未来はただの予測なのか?現実に起こる確定の未来なのか?未来は誰の手にあるものなのかわかった時、あなたはどうしますか?
高速を降りて、一車線の田んぼ道をゆっくりと走って行く。
別に田舎で育っていない自分にも感じるこの懐かしさはなんなんだろう。
そう思いながら、自転車では上れそうにない坂道を上って行くと、微かに覚えがある景色がめのまえに広がってきた。
濃い緑色の葉っぱが生い茂った木に囲まれて、庭には小さな池と小さな農園があった。
赤い屋根に木造の古い家屋と祖父が建てた小さな物置が小さな頃の記憶と変わらずに存在していた。
ただ、一つ違う点は祖父がいない事だ。
車を敷地内に停めると、ハナがこっちに向かって勢い良く駆けてきた。
ハナは柴犬で人懐っこい性格で、俺よりも祖父と祖母の孫の様に可愛がられていた
。
ハナの頭を撫でていると、久しぶりに会った俺の顔を思い出す様に、綺麗な目で見つめてきた。
「よく来たね~」
祖母がゆっくりと玄関を開けて顔を見せた。
100%当たる占いがあったらどうしますか?