第45話
何気ない日常を過ごしていたが、祖父の死をきっかけに自分の未来を放送するラジオを手に入れた主人公。未来は何故ラジオから放送されていたのか?その未来はただの予測なのか?現実に起こる確定の未来なのか?未来は誰の手にあるものなのかわかった時、あなたはどうしますか?
(昨日のお婆ちゃんの同じ会社の佐藤って、佐藤課長の事だったのかよ・・・・・・)
「そんな、いえいえいえ、当たり前の事をしたまでです」
困惑しながら、答えると、肩をポンと叩かれ、もう一度お礼を言われた。
ボーッとしていると、いつもの出社時間になり、次々と人が事務所に入ってきて、
「具合大丈夫?」
なんて声をかけてくれたりもした。
その度「まぁ、なんとか」と答え、気のない返事をしていた。
「まだ具合悪そうだね」
という言葉を耳の端で捉えながらも、左から右へと抜け落ちていった。
(正解ってこういう事か・・・・・・)
何を持って正解なのだろうか?
自分にとっての損得?社会のモラルに反しているのかどうか?
人の理性と本能どちらが正しい?
考えれば考えるほど、底なし沼に足を捕られるようだった。
端から見るとボーッとしている様に見えただろうが、頭の中は出口の無い迷路に迷いこんでいる混沌とした世界の中心にいる様だった。
そんな状態を業務中にしていたら、すぐ課長の雷が落雷していた筈だが、これも正解したという効果の延長だろうか。
あれこれ考えるのを無理やり辞めるように立ち上がり、営業先へと向かい今日も1日が始まった。
100%当たる占いがあったらどうしますか?




