第32話
何気ない日常を過ごしていたが、祖父の死をきっかけに自分の未来を放送するラジオを手に入れた主人公。未来は何故ラジオから放送されていたのか?その未来はただの予測なのか?現実に起こる確定の未来なのか?未来は誰の手にあるものなのかわかった時、あなたはどうしますか?
耳障りな携帯の着信音で目を開けて、寝ぼけながら電話に出ると会社の上司からだった。
「谷垣、お前今どこにいるんだ?」
ボーッとした頭がどんどん冴えてくると、チラッと時計を覗く事ができた。
出勤時間を過ぎている時計は無情にももう一分時間を追加した。
「すみません、今起きました。
直ぐに会社に向かいます!」
起きたての目が三倍の大きさまで広がり、ボタンを掛け違えながら、靴のかかとを踏み潰しながら家を飛び出した。
会社に着くと、お前は社会人としてなってないとか、普段から仕事に対する姿勢でやる気が感じられないだとか、ここぞとばかりに言われたい放題だったが、言葉は右耳から左耳に流れて落ちる一方だった。
適当に相槌をうって、すみませんと時々口にして、反省している雰囲気を自分の演技力にしてはまずまず表現できていた。
席について昨日と今朝の出来事を思い返してみた。
虫刺されに、大雨。
カツカレー、交通事故に寝坊。
未来は本当に決まっているのか?
何故知っているのか?
そもそも誰?
どういう仕組みであの音声が流れてくるんだ?
?で満タンになった頭から煙が出る前に、内線が鳴り、いつもの日常に取り込まれ、?は頭の奥に隠れていった。
100%当たる占いがあったらどうしますか?




