第27話
何気ない日常を過ごしていたが、祖父の死をきっかけに自分の未来を放送するラジオを手に入れた主人公。未来は何故ラジオから放送されていたのか?その未来はただの予測なのか?現実に起こる確定の未来なのか?未来は誰の手にあるものなのかわかった時、あなたはどうしますか?
軽快なリズムの音楽のボリュームがどんどん小さくなってゆき、やがて消えた。
長く感じる静寂の僅かな時間、定まらない視線のピントを合わせる事なく、呆然としていた。
思い出した様に立ち上がると、茶の間に進み、テレビを見ている3人に明日は1時間出発を早めようと伝えて、今日は体調が良くないのでもう寝ると伝えて振り返らずに部屋の外に出て、力無く歩いていった。
予定より1時間早めて携帯電話の目覚ましをセットし、布団に潜り込む様にして自分だけの世界に閉じこもった。
早めに起きた朝は快晴の天気ですっきりした気分に包み込まれた。
右足の爪の付け根部分を蚊に食われているらしく、寝ぼけ眼で指で掻いていた。
部屋を出て茶の間に向かうと、いい匂いに誘われて台所に進んだ。
「おはよう、幸一。起きるの早いねぇ。
まだ朝ご飯出来るまで時間があるし、ちょっとハナの散歩にでも行って来たらどうかね?」
振り向いた祖母が下の方に視線を向けて、笑いながら話しかけてきた。
その視線の先を見るとハナが嬉しそうに尻尾を振って期待する様な眼差しでジッと見つめてきた。
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