第22話
何気ない日常を過ごしていたが、祖父の死をきっかけに自分の未来を放送するラジオを手に入れた主人公。未来は何故ラジオから放送されていたのか?その未来はただの予測なのか?現実に起こる確定の未来なのか?未来は誰の手にあるものなのかわかった時、あなたはどうしますか?
自分も死んだ時にこんなに自分の事を思ってくれる人がいるだろうか?
そう思うと日頃の人との接し方を思い出して、軽く息を吐き出した。
祖父の遺影を見ると小さな時に見上げていたくったくのない笑顔で見つめ返してきた。
思わず口がほころんで、力強く一歩踏み込み、親族の座席へと向かった。
駐車場の整理の為に再び外に向かう途中、遠くからサイレンが聞こえどんどん近付き大きくなっていった。
建物の外に出ると同時にサイレンの音がやみ、目の前の電柱に衝突して炎上している車が目に入った。
迅速な救助と消火作業がドラマや映画と違い、まるで温度が通わないように見えた。
それは、派手さが無く、生々しい世界の現実だった。
運転手が救助されて、運び出されると
(・・・車が・・・燃える)
心の奥でいつか聞いた声が木霊した。
事故現場の遭遇と外の気温の他に感じる心の奥の体温に反応して、汗が首筋を伝っていった。
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