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第2話
何気ない日常を過ごしていたが、祖父の死をきっかけに自分の未来を放送するラジオを手に入れた主人公。未来は何故ラジオから放送されていたのか?その未来はただの予測なのか?現実に起こる確定の未来なのか?未来は誰の手にあるものなのかわかった時、あなたはどうしますか?
「おはよう」
会社の入り口で濡れたスーツの雨を埃を払う様に撫でていると、同僚の栗平さんが挨拶してくれた。
「おはよう。
酷い雨だよね!
天気予報なんてあてにならないよ・・・」
そう言いながら彼女の姿を見ると服がいっさい塗れてなかった。
その驚きの視線に気付いた彼女は右手に持っていた折りたたみ傘を軽く振って、軽く微笑んだ。
「いつも持ち歩いてるんです。」
備えあれば憂いなし。
晴れている日に傘を持ち歩くなんて邪魔で、考えられないと思っていたが、こんな日に出くわすと気持ちが揺らぐ。
でも、確率から考えると降られる状況の方がぐっと少ないし。
なんて、思いながら、濡れている髪の毛の雫を払った。
100%当たる占いがあったらどうしますか?