第16話
何気ない日常を過ごしていたが、祖父の死をきっかけに自分の未来を放送するラジオを手に入れた主人公。未来は何故ラジオから放送されていたのか?その未来はただの予測なのか?現実に起こる確定の未来なのか?未来は誰の手にあるものなのかわかった時、あなたはどうしますか?
日が落ちて夕日が山に囲まれる頃合に、幸一は縁側で足をブラブラさせながら、沈む夕日を眺めていた。
夕日が消えていくのをこんな風に眺めているのは久しぶりだった。
いつもよりゆっくりと太陽が物悲しそうに去っていく様に感じた。
いつもは時間に風景がついてくるが、今は風景に時間が忘れ去られるているようだ。
少しだけ開いた口が塞がらない俺とにらめっこしている夕日は、ゆっくりゆっくりと姿を消していった。
いつもの自分がどこかに旅立ってる時に、目の前を何かがスッと通り過ぎた。
無意識に追っていくと、黄色い小さな物体が空中を右へ左へ動き回っていた。
暗くなり始めた世界をよく見るように目を凝らしてみる。
(・・・・・・ハチだ!スズメバチ!)
黒い服によってくる、上下の急な動きに弱い、一瞬蜂にまつわる聞いた事がある情報が頭の中を過ぎったが、体が勝手に動き回り、バタバタと後退りしていた。
100%当たる占いがあったらどうしますか?




