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Overflowing life あふれた生命  作者: 結城健三
5/5

アイネクサーとイレイズ

長い間、放置してしまいました。。。


西暦2090年 3月  新世界暦0055年


アイオーンの運営がJAXAから国連に移されて30年以上が過ぎていった


国連新東京事務所 理事長室

ジュネーブ、ウィーン、ナイロビに続き、4つ目の国連地域事務所が東京都府中市の元府中刑務所跡地に2068年に設立され

主にアイオーンの運用、宇宙資源の活用に取り組んでおり

責任者を国連名誉理事長·神宮寺大介が務める



白河玲子と共に、遅めの昼食を終えた神宮寺が理事長室の壁に設置されたモニターを

左手に貼りつけられた 一見すると腕時計のようではあるが

直接皮膚に埋め込まれた液晶を操作して起動させる

(三層性人工真皮に有機ELSディスプレイを癒着させ 体液の流れから発生する電気で電力を賄う アイオーンを照射された者には装着する事が義務化され 個人にON,OFFの権限は無く着脱も不可能である)


モニターに映し出されたのは、アイオーンを照射され20代にしか見えない

国連事務総長·エドヴァルド·ダ·・シルバと挨拶を交わす


「現時点の総人口110億人の10%にあたる11億2千万人ほどが、アイオーンを照射済みで その殆どが、国連加盟国の首脳、上層部とその家族 そして財産の管理を国連に委託した世界的大企業の経営者や重役とその家族といった面々になります」


エドヴァルドが画面を操作し、人口の推移をグラフにして映し出している


「うん ここ10年の統計だよね アイオーンを照射された者の死亡者が12名の死因ってわかるんだよね?」

「はい 事故死3名で頭部が完全に破壊された者が2名 溺死が1名

他殺が8名で頭部切断が2名 頭部に銃弾を撃ち込まれたものが6名ですが最低でも6発の銃弾を浴びています 自殺者1名なのですが死因は焼身自殺になっていますね」

「溺死に焼身ね どのくらいの時間で死ぬのか? 個人差があるのか? また実験体を用意してもらわないとね

確かネルソン博士の実験では5時間の無酸素でも死ななかったはず 焼身は脳まで炭になったら再生は無理か」

「わかりました 実験体は10体ほどでよろしいですか?」

「うん ネルソン博士の方に送っておいてくれる?」


「それでですね神宮寺理事長、今週も数万件のアイオーン照射希望が来ておりますが 

どう致しましょう? すべて受け付けた場合、400億ドルほどの寄付金が集まる見込みですが」

「JAXAのサイバネティクス部門が開発したこれだけどね」

神宮寺理事長が左手首に埋め込まれた液晶をカメラに向ける

「例の国民管理ネットワークシステムですな」


「これをアイオーンを照射されたすべての国民に装着させるのは決定事項だけど、ご存知のように手術を施せるロボットの数が限られていて大幅に普及が遅れていた訳だけど

遂にね人工真皮を外科的手術を必要とせずに直接皮膚に貼り付けるだけで24時間後には皮膚に癒着し血管にまで侵食する技術を開発してくれたんだよね 難しい事は省略するけど体のどこにでもプリント出来てナノニードルとBCI(ブレイン·コンピューター·インターフェイス)の進化で脳波や血液の流れまでコントロール出来るのさ 凄いのはねニューロモジュレーション技術の

応用で、即死させるのは無理でも体の自由を奪う事は容易いというデータが来ているね 

そうなったら後は、どうにでも処理できるからね

そう言うわけだから、どんどん受け付けてもいいよ ちなみにこのシステムを“イレイズ”と名付けたからね “死の恐怖を消し去った”という意味に捉えてくれたら良いけどね」

「おぉ それは画期的ですな 我々国連の影響力が増すわけですな」

「それとアイオーンを照射された人類を“アイネクサー(AINEXER)”と呼ぼうと思うんだけど

どうだろう? 次のステージの人類ということだね」

「“Nexus”ネットワークを連想させるのも、良いですわね 博士」


「そうなると、いよいよ国境とか要らなくなるね 国ごとの法律もね 国連と言う1つの国家でみんなの命を握ればいいよね それにしても、世界人口110億人って多すぎるよね?

この星の適性な人口ってどのくらいだと思う?」

「半分くらいじゃないかしら?」

「白河君は優しいね〜 半分は多すぎるよ」



実に楽しそうに笑う 神宮寺


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