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Overflowing life あふれた生命  作者: 結城健三
4/5

国連事務総長

西暦2046年 4月  新世界暦0011年


ジェラルド・R・フォード級航空母艦バラク・オバマ内

プロジェクト·アイオーン特別研究室

「ネルソン博士その後、体調の方はいかがですか? 一昨日、精密検査を受けられたと聞きましたが」

神宮寺博士が、ソファーに座り最近では、珍しくなった紙の資料を捲りながら聞いてくる

「神宮寺博士、おはようございます」

そう言いながら、テーブルを挟み向かいのソーファーに腰を下ろす ネルソン博士

「にわかには、信じ難いことですが、すべての項目で異常なしとの検査結果です 

肺にまで転移していた腫瘍も完全寛解したということです 

しかも朝起きたときに、体がどこも痛くないのです  このような事は、何十年も無かった事です

神宮寺博士には、どれほど感謝してもしきれません ありがとうございます」

「それは、本当に良かったです エブリン譲も自分の足で歩けるようになり学校へも通われているそうですよ

奇しくも、2人がアイオーンで難病を克服された初めての人類になったわけです」

「光栄なことです 閲覧を許可していただいたアイオーンに関する資料を、すべて読ませていただきましたが

11年前に照射された神宮寺博士、8年前に照射されたプロジェクト·アイオーンのスタッフ12名

現在まで一切の病気も患わず、持病であったアレルギー等もすべて完治しているのですね。。。

興味深いのが肉体年齢、脳年齢共に生物のもっとも成熟されると思われる年齢まで、成長してそのまま固定され

我々の場合は、その年齢まで若返り固定されると予測されているわけですね」

「あらゆる動物実験で、そのような結果が出ています まぁ それを証明するために実験体を6人も頂いたわけですから これからの数年でいろいろなことが解明されます」資料をテーブルに置き 腕を組む 神宮寺

「その年齢で固定され、細胞が劣化も老化もしないのであれば不死だと結論出来ますね」

「ネルソン博士にお手伝い頂いてる、どのレベルのダメージで我々は死ぬのか。。。 この施設を使えるのも、あと3ヶ月ですから 実験も次の段階に移って下さい」

「わかっています 何%の失血で死に至るのか レベル3以上の熱傷で体表の何%で死に至るか その他、有毒ガスに対する耐性 火傷、裂傷、骨折の自己回復など自分達に関係する実験ですからね オマリー博士もマチルダ博士も

積極的に取り組んでくれていますよ」歯を見せて笑う ネルソン博士

「実験体を2体は、残しておいてくださいね ゆくゆく試すことがありますので」


西暦2059年 5月  新世界歴0024年


JAXA筑波宇宙センター内 スペースドーム

はやぶさ4号が、アイオーンを持ち帰ってから25年を記念する式典がスペースドームで開かれていた

この25年の間にアイオーンが人類に与えた功績を讃えた

式典である

主な成果として 食糧不足に悩む途上国の食料事情が大幅に改善された

アイオーンを照射する事により あらゆる環境で生育が可能となった植物の種や苗を輸出することにより

安定した収穫が保証され 食糧不足を解消し それに伴う雇用までもを、促進した

またアイオーンを照射された魚類、家畜は、病気にならず

老いずに繁殖をし続け こちらも世界の食料事情に改革をもたらした 

それだけでも日本に莫大な利益をもたらし

JAXA自体も、各国からの莫大な寄付で潤い

宇宙開発分野でも発展を遂げたが

マザーアイオーンと名付けられた 木星軌道上の小惑星からは

2つ目のアイオーンが持ち帰られることはなかった

そして10年前 日本政府は、アイオーンを他国の脅威から

守るために 対等な立場となる日米安全保障条約を日本主導で

見直し 霞が関で調印された

これにより日米の国際的な影響力が、さらに強大となり

日本は、国連の常任理事国となり、さらに特筆すべきは

神宮寺博士が国連初の国連本部に縛られない、名誉理事として就任し アイオーンの運用に関し日米そして国連が主導していく立場を表明した


通常の首脳会議以上の厳重な警備が敷かれ

各国首脳、大臣級が多数出席 

今回は、原爆の日100年に列席以来 14年ぶりに来日した国連事務総長

エドヴァルド·ダ·シウバも出席している

そして事務総長の演説では、アイオーンの運用を国連の主導であることを印象付け 会場の一角で20代後半から30歳ほどにしか見えない JAXAアイオーン研究所職員を彼が紹介することで

アイオーンの特異性を、さらに強調して終わる


この日より、アイオーンの窓口がJAXAから国連へと移行し

日米ともに莫大な利益が保証されることになる












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