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⑸『罪、駆ける、罪』

⑸『罪、駆ける、罪』



かと言って、逃げ出す訳にもいかない。人間は長く生きていると、それなりの、あしかせが、出来上がるのであって、身動きが取れないという、存在と時間が出て来る。ハイデッガーを、読む気すらないくらい、疲弊しているのも、確かなのである。



じゃあ、ハイデッガーを読んだら、芥川賞が貰えるなら、俺はハイデッガーを読むだろうが、そんなことをしたって、芥川賞が貰えないことくらいは、知っている。というよりも、目の前の君が読んだら、芥川賞が取れるかもしれないが、偶然の神に見放されている俺は、ハイデッガーを読んでも、無理なんだ。



神に祈っても、芥川賞は取れないだろう。しかし、俺は、一つ知っていることがある。あの、自分が研究し、愛読した、芥川は、芥川賞という賞の冠にはなったが、芥川自身は、芥川賞を取っていないという、歴然とした事実だ。ならば、より、芥川的に成る為には、芥川賞を取らないことが、明晰じゃないか。現に、太宰も、芥川賞を取っていない。

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