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⑷『罪、駆ける、罪』

⑷『罪、駆ける、罪』



はっきり言って、芥川賞を取れる小説家なんて、余程、良い運命に飲まれた人だと思う。じゃあ、俺は何をして、その良い運命に飲まれるのか。それが、分からないんだ。例えば、人脈作り、例えば、名声を得る、例えば、俺じゃない俺になる。



俺にはそんな、云わば世間では初歩的とも思われることすら、どうすれば良いのか、分からない。生まれつきの馬鹿なんだろう。国語を勉強したって、小説家になれる訳ではない、小説家になったって、芥川賞が取れる訳じゃない、この悪循環から、俺は逃れられない。



ふと、今日は雨だったのか、と言う風に、外出時に、今日は雨だったのか、と気づくくらいの、突拍子もない、所謂偶然に、芥川賞があるなら、俺は偶然の神というものに、散々裏切られ、助けられなかったから、芥川賞を取る偶然の機会すら、与えられないだろう。罪を犯して、名を売るくらい容易いが、そんな馬鹿な真似は、とてもできないのである。

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