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第29話 9階フロアボスとの戦い、未踏の地へ


 【種族】デーモンロード

 【体力】  1500/1500

 【魔力】  0/0

 【力】   500

 【素早さ】 200

   ・

   ・

   ・


  [魔族の王。氷結能力を持つ。超振動する手のひらを持つ。魔法耐性、物理耐性あり。飛行能力あり]



「やっぱりデーモンの上位存在でしたね……」

「今度は氷結能力か、火炎系で攻めてみよう。魔法耐性ってあるけど一応……」


 いきなりデーモンロードに炎を描きいれ、炎上させてみる。

 しかし一瞬火が付くも速攻で消えてしまった。

 気づくと奴の体の周りに吹雪が渦巻いている。


「手じゃなく体全体から氷結系の魔法を放っているようなものか……」

 

 デーモンロードがこちらに気づいた。

 吹雪や氷塊でも飛ばしてくると思いきや、いきなり突進してきた。

 手のひらを突き出してくる。格闘戦、それも掌底が得意なのか?


 シンシアが魔晶核の防御陣を展開して防ぐ……が、なんと魔晶核は掌底を受けて数個砕け散ってしまった。


「あーん、またぁ!?」

 

 魔晶核の防御陣を破壊されることが続いて嘆くシンシア。


 しかし掌底がこちらまでは届かなかった。砕けていない核で掌底を止めている。

 

 鑑定結果だと奴の手のひらは超振動する……それで魔晶核を粉砕するってわけか。

 それで動く鎧の魔晶核は掌底で破壊できるが、デーモンのまではそうはいかなかったらしい。

 ……いや、少しずつだが、デーモンの魔晶核にもヒビが入りつつある……!?


 しかし、


「さささささむいですうう!!!」


 デーモンロードの体からまき散らされる吹雪による冷気にアメルが悲鳴を上げる。

 近づくだけで氷結魔法を食らうようなものだ、まずはこっちが先決。

 かろうじて掌底を止めてる間にどうにかしなければ。


 とりあえず奴の両手両足を鉄球に変えて足止めし、いったん距離を取る。


「goooooooo!!」


 デーモンロードが口を大きく開けて吠えた。


「……両手足とか、ぬるいことする必要ないわな」


 ついでに頭も鉄球にしてやった。呼吸をする生き物なら窒息死するだろう。

 

 しかし奴は手の鉄球をあっさりと粉砕し、頭の鉄球も両手で挟み込んだかと思うと瞬時に破壊してしまった。

 

「まじか!?」


 だが頭部に結構な衝撃が来たらしく、頭を振って膝をついている。ノーダメージとまではいかないか。ブフーウと鼻の孔が広がり大きく呼吸をしている。一応はそういう生き物のようだ。


 膝をついている隙に、アメルの盾投擲とシンシアの魔晶核弾がデーモンロードの体を打つが、ほとんど意に介していない。

 

「物理耐性……あまり効果はなさそうだ。それに盾とか魔晶核も手で粉砕されるかもしれない」

「それは危ないですね……」


 戻ってきた盾をぎゅっと抱えるアメル。

 

 デーモンロードは足の鉄球も粉砕し、再びこちらに向き直って突進してきた。

 また防御陣を展開しても鎧の核は砕かれるし、デーモンのだって時間をかければ砕くことも可能のようだ。近づけさせてはいけない……!


 とりあえずやつの目を真っ黒に塗りつぶし、視力を奪った。


 またいったん距離を取る。目が見えなくなったデーモンは暴れまわり、周囲の壁に掌底を打ち付けまくっている。

 

「……今更ですけど、ダンジョンの壁や床って何で出来てるんでしょう?」

「魔晶核を壊したあの手でも、壁は壊れてないわねえ。ミスリルなのかしら」

「二人とものんきか」

「今の状態だとダリンちゃんにおまかせ、なのね」

「お願いします!パンの盾も砕かれちゃったら困るし」


 ま、いいけどさ。


 ドゴンドゴンと掌底を繰り出し続けるデーモンロードが少しずつ近づいてくる。


 俺は考えた結果、デーモンロードの両手首をバネで繋げた絵を描いた。バネは限界というところまで引き延ばされている状態だ。

 現実のデーモンの手首にも極限まで延ばされたバネが現れ……

 デーモンの両手首がバネで引っ張られて勢いよくくっついた。超振動する手のひらどうしも。

 

 その結果、デーモンロードの手のひらはどちらとも粉々になって吹っ飛んだ。


「gyoooooooooo!!」


 超振動の手を失い、のたうち回るデーモンロード。


「これでもう、くっつけたモノを粉砕される心配はなくなった」


 なのでゆっくり、デーモンロードの頭をデーモンの魔晶核に描いてやった。

 妙にでかい魔晶核に包まれた頭を失った手でどうにかしようともがくが、何も出来ず、そのうち窒息したらしくどすんと倒れる。

 そして、デーモンロードの魔晶核を残して消えたのだった……



「やりましたね、お疲れ様です!!」

「さっすがあダリンちゃん」


 勝利のハイタッチをかわしあう。


「な、なんか巨大なデーモンの魔晶核が残りましたけど」

「ダリンちゃんが描いたやつね。これ持ち帰ったら評価されるのかしら」

「うーん、どうだろ。デーモンロードの頭のぶん、穴が開いてるしな」


 やがてその穴から崩れて消えてしまった。

 一瞬こうやって魔晶核を描けば無限に換金できるのでは!?と思ったが、そうそううまくいくものでもないか。



 ――ついに9階フロアボスも倒した。魔晶核を持って最下層への扉を開く。

 

 俺たち一行は興奮して普段ならとる小休止もそこそこに、先への階段を降りていった。

 

「つ、ついに来たんですね……!」

「ええ……やだ、すごいドキドキしてきちゃった」

「俺たち<三つの星>が未踏の地、『竜座のダンジョン』10階へと到達したんだ……!」


 俺もわくわくが止められず、階段を二段飛ばしで降りていく。


 そして。

 ついに地下10階へ俺たち三人は降り立った。



 そこに広がっていた光景は、ひたすら広い草原、青い空。

 なんら地上と変わりのない……雲まで広がっている自然の風景。

 

 そして草原の向こう、小高い丘になっているところに、巨大なクリスタルがあり……

 そのクリスタルの中に、巨大な竜が閉じ込められていた。

次回。地下10階の攻防

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