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息抜き短編集  作者: 荒木空
佰物語系列
4/9

『佰物語』供養3──『もしもの話』


 神像や仏像について、何か思う事は有るだろうか?


 アレ等は人が自分達の想いやイメージを具体化させたものだ。


 お地蔵様と呼ばれているあの彫像は、言い方を変えれば『道祖神』なんて呼ばれ方もしている。

 現代に(なぞら)えて言えば、少し毛色は違うがアニメのキャラクターなんかが良い例じゃないだろうか。


 先にも述べたが、要するに神像仏像は人のイメージが形になったものだ。だからアニメのキャラクターなんかは作者の頭の中の登場人物達が、彼等彼女等の『描写』という形で具現化したものと言える。つまり、極論を言えばアニメのキャラクターや、そこからメディア化されて実体化されたフィギュアなんかは、『想いの詰まったものが具体化されて形になった』という意味では、神像や仏像と根本は同じと言える。


 さて、この話を踏まえた上で本題に入ろうと思う。


 神や妖怪なんかの空想上の存在達は、我々人の手で生み出せると語ったと思う。

 『妖怪1足りない』や『物欲センサー』のような、現代の妖怪とも言える存在達が実在しているのではと語ったと思う。


 では、もしもそんな存在達の一部を体に取り込んだら……?

 これはそんな、もしもの話だ。




 今や三大宗教と呼ばれている宗教は、それぞれ『キリスト教』『仏教』『イスラム教』だ。それぞれの掲げる教えや考えは違うが、総じて『各々の崇め奉る存在を信仰する』という点に置いては同じと言えるだろう。


 イスラム教は違うが、ほとんどの宗教には所謂(いわゆる)偶像崇拝の概念がある。偶像崇拝。つまり、神像やら仏像やらを己の信仰する存在の似姿として信仰する訳だ。

 基本的に偶像崇拝という言葉は否定的な意味で使われがちだが、今は置いておく。ここで言いたいのは別の事だ。


 キリスト教は神の子としてキリストを信仰している。仏教は悟りを拓いて神仏に成った釈迦、仏陀を信仰している。イスラム教は唯一絶対神を信仰している。この3つを言い換えると、神に近付こうとする宗教達と言えるだろう。



 宗教を取り上げたが、同様に今度は妖怪やら西洋の化け物なんていう空想上の存在達についても、どんな姿か明示されていて、中には信仰されている存在も居るだろう。




 さて、ここで本題だ。もしこの偶像やらその血肉の一部を体に取り入れる事が出来たら、その力の一旦を人が手に入れられるのではないか?という仮説を聞いた事は有るだろうか?


 具体的な空想上の存在を例えに挙げるのなら、狼男や人魚伝説、吸血鬼なんかが該当するだろう。

 狼男は吸血鬼の眷族になった人間、または狼の因子を取り込んだ男が成るもの。人魚の肉を喰らえば不老不死になる。吸血鬼に血を吸われる、または血を分け与えられたら吸血鬼になる。オカルトに明るくない人でも1度は耳にした事が有るだろう有名な話だ。


 宗教もそうだし、人魚伝説なんかは最たる例だが、乱暴に一文に纏めれば、これ等は全て『空想上の存在を身に取り込めばその力を得る』という一文に集約される。この考え事態は昔から言われている考えだ。まぁ、現代に於いてはなんの意味を為さない、本当にただの妄言だと言えるだろう。




 …………本当に妄言なのであれば。


 人の想いで空想上の存在は簡単に姿を現す。現すかもしれない。

 つまり、本気で空想上の存在の何かを取り込めばその力を得ると考え信じれば、本当にその力を得る事が出来るかもしれない。


 ……もしも、この佰物語を終えた時点で語られた怪談の存在が生まれ、力を得て、実体化したとして、その力を得るような危ない人が現れたら…。










 これはそんな、もしもが現実になってしまったらというたらればのお話。



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