初戦場
オートリア王国から出てすぐにある初心者向けの狩場は王国から徒歩20分で行ける場所だ
今回は5人1チームを作り
魔道士と騎士隊兵が1人ずつ付き添いし魔物達と戦うこととなった
敵の魔物はランクがありSからEランクまで存在する
今回のエリアはとくにEランクばかりが集まるエリアとなっていて
レベル1の人達にもよっぽどのことがない限り危険が少ない場所だった
『同じ班になった人たちは1匹のモンスターをみんなで囲んで順番に討伐してください!』
エリアは広くモンスターもいるがうじゃうじゃいる感じじゃなく
所々に存在していた
今日の目標はとりあえずはレベル6まで上げるとこまで行う!
モンスターも班の人達で倒すのが目的だ
危険は元々少ないがレベルが低いうちは何で致命傷になるかわからない
倒した敵から経験値が入手されレベルを上がる感覚だけを覚えてもらうのが今日の目標だ
『まったく、、呑気な仕事だな、、まったく、、未来の勇者ね、、本当にそうなるのかね?』
1人の騎士隊員が呟く
『こらこら、あまり文句をいうもんじゃないよ、今は仕事を忠実にまっとうし危ない場面は助けてあげなきゃね』
付き添いの魔道士がなだめる
しかし5人でモンスターのEランクのスライムを囲んで倒すのはさすがに用心深い気がした
自分達の時でもスライム相手なら1人で対応してきたからだ
将来魔王を倒すというのにさすがに優しいミッションの気がする
朝から夕方までには全員がレベルを6まで上げることができた
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2日目
スキルの実戦訓練が行われた
自分の保有スキルを班で囲んだスライムに当てていく訓練だ
スキルは発動後ランクによっても違うがチャージタイムがある
ランクの高いスキルなどは長くて10分以上も使用できないスキルもある
レベルや経験でも短縮されるがチャージタイム中は発動できないので注意である
『同じ班に13個スキル持ちがいると俺達のスキルがチャージされてもかなりまたされるな、、』
『たしかに、、けど実際見てみたけど、、あのスキルは凄いな、、』
天堂 雀のスキルの衝撃に同じ班の皆は驚きが隠せなかった
班の人達だけではない付き添いの騎士隊員や魔道士、それに他の班のみんなも天堂 雀のスキルには驚かされていた
『本日はレベルが1上がった7までを行う事にする。あともし新しいスキルを手に入れたならその時に報告してほしい!レベル20くらいまではスキルを覚えることがある!使い方、注意を伝えるので覚えた場合はすぐ報告をするように!』
『スキルを使う感覚を覚えることが今日の目的です!スキルの使用に慣れるとスキルを同時発動し威力を上げることもできます!先ずは1つ1つを使いこなせるように練習してください!』
『はあ、、威力が上がるか、、もしこのまま一個のスキルなら私はどーしようもないけどな、、』
田中 真夜は悲しい顔を下に向けた
休憩時間中途中でスキルが増えた人たちは騎士隊員や魔道士達に報告に行っていた
『ええ、、けっこーいるなースキル習得した人、、いいな、、このままスキル1つが私だけだったら悲しいな』
『どうしたのだ真夜殿、どこか具合でも悪いのか?』
天堂 雀は本日渡されたお弁当を持って田中 真夜のところにきた
『いえいえ、、ちょっと、、悲しくなってきちゃって』
『またスキルの事で落ち込んでいるのか?』
『はい、私元々運動は得意では無かったから仕方ないって思えるんですけど、アニメは少し好きだったので強い自分を少し想像していたので、、現実とても強くなれなさそうなのが辛くて、、』
『なに、、この世界にはまだきたばっかりじゃないか?諦めるのはまだ早い気がするぞ、さあ食事をし、午後からの修行だ』
『なに?Sランクスキルが習得しただと』
今回の班をまとめる指揮官が報告を聞いて驚いた
どうやらスキル取得でSランクのスキルを手にした人が現れたみたいだ
『このスキルはSランクの中でもかなりのレアです、これなら四天王討伐にも役立てるはずです』
『そうだな、、二か月後の四天王討伐事この男は必ず役に立つだろう、、ビルダ将軍にも帰ったのちに報告しよう!』
片山 祐介(17歳)
習得スキル
無我の境地 自分と接している人達は一時的に完全に気配を消す事ができる【魔法や攻撃も無効化可能】
時間は役30秒程使用後のチャージタイムは役3時間必要
午後の修行も終了しみんなのレベルは7となった
会議室では報告を受けたビルダ将軍が今後の事について内容を変えた
先ず選ばれた異世界人は四天王討伐参加が決まった
とりあえずは半分を参加させることも決まった
半分の数で決めたのはブロッサム団長の意見だった
スキルで役に立つ片山 祐介は四天王のいる広間に一緒に突撃
他は途中までの雑魚を倒す為のコマ扱いだった
本隊は最後まで体力を温存し四天王と闘う予定らしい
決戦は二か月後
それまでの予定も決めた
二週間後にC級ランクも出現することがある洞窟に入りレベル上げを行う
1カ月後にはそれぞれ経験を積むためにも依頼で請け負った
討伐依頼を処理してもらうことにした
『まずはスキルを自分のものにしないと本番でびびって使えなかったら殺されてしまうからな』
『戦いに慣れてもらわないとだな、、』
『天堂 雀ももしスキルを全て使いこなせたなら戦力になるだろう、、洞窟に入るまでの間はスライム相手ならもうそんな危険は少ないだろうから1人での行動を許可しレベル上げを行なってもらおう』
面白くないという顔をブロッサムは作った
『ふん、、なにが13個スキルだ、、、』
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天堂 雀は本日から同じエリアにはいるが1人単独でスライム退治を開始した
5人の班よりもスライムを倒す数が圧倒的に多かった
スキル発動も午後の演習からは慣れてきたのか
2つ同時に発動させることもあった
2つ同時に発動し上手くいったときの衝撃の音は離れていたみんなの元まで音が響いて伝わっていた
『おい、、、まさか、、もう俺よりあいつの方が強いんじゃないか?』
付き添いの騎士隊員が驚いて言う
付き添いの騎士隊員はレベル平均は40を超えているが
まだレベル10未満の天堂 雀の凄まじい力を見て衝撃を感じた
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明日は洞窟に入ってのレベル上げが行われる
1番レベルが高いのはレベル16まで上がった天堂 雀
他のみんなはレベル11くらいだった
王宮騎士団も今回の同行は危険が多い為いつもの倍の人数で対応する事となった
『今回のレベル上げはこのドットガランドの洞窟だ!ごくたまにC級のモンスターも出現することがある危険な洞窟だ!今までEランクのスライムモンスターとは違うモンスターが出現する!モンスターが出る洞窟では1番難易度が低い洞窟だが油断は禁物だ!そこらで出てくるモンスターは全部がDランクはある!レベルでいうと10くらいだ!攻撃を喰らったら危険だ!距離をとってじっくり倒せ!時間はいくらかかっても構わん!危険な時は我ら騎士団がすぐに交代する!ここを今日乗り越えたらいつものスライム達では得られないくらいの経験値を得ることが出来る!では突撃する!』
今まではスライムのモンスターばっかりだったがこの洞窟の中では巨大なコウモリ、クモ、蛇といったモンスターが出現した
動きも早く敵からの攻撃を受けることは多かった
しかし致命傷になる前に引き魔道士達に治癒魔法を受け回復し
1匹の相手に数人で挑めば倒せない敵ではなかった
スキル発動も最初は当てることができなかったが
慣れてくると当たる確率が上がり倒すのに苦労が無くなってきた
1日目が終わった頃にはみんな戦い方が慣れてきて1人でも
洞窟のモンスターが倒せるくらいになった
5日目が過ぎた
最初は入り口付近での戦いだったがどんどん奥に行き
班もいくつかに分かれて行動するようになった
レベルも初日はみんな11だったが今はレベル平均は15を超えた
『もう5日目となるとこの中でも慣れてきちゃうものですね、、最初来た時は泣きそうなくらい怖かったのに、、クモも苦手だったけど、、だんだん可愛く思えてきちゃう自分が怖いです』
田中 真夜は少し笑いながら残念だといわんばかりの表情をした
『真夜ちゃんが強くなった証拠だね、この世界なら凄い良いことじゃない?』
同じ班の女の子が嬉しいそうな笑みを見せる
『ですね、、まだ怖いことは多いけど、、ちょっとは強くなれたのは嬉しいです』
ぎゃーーーーー
突然洞窟の奥で叫び声が聞こえた
奥に進む
そこにはトロールがいた
『な、、、、なぜ、、ここにトロールが、、』
騎士団の兵隊は驚いた
トロールは棍棒で人を叩きつけた血の跡がある
『ひいいぃぃぃぃ、、、、』
田中 真夜はその血の跡を見て驚いた
殺されたのは一緒に異世界から来た人とそれを守ろうとした騎士団の兵隊だった
魔道士が叫ぶ
『みんな逃げるんだ!!』
みんなは一斉に逃げ出した
しかし腰を抜かして動けなくなった田中 真夜はその場で尻込んだ
『真夜ちゃん!!』
同じ班の女の子が真夜に向かって叫ぶ近づきたいが真夜の近くにトロールがいる危険な為近寄ることができない
トロールがゆっくり近づく
トロールはレベル50を超えるB級モンスター
王宮の兵隊でもトロールを1人で倒すのは厳しかった
ガクガクガク、、、田中 真夜は恐怖で叫ぶこともできない
【ご‥‥ごねんリオお姉ちゃんこんな弱くて‥‥リオの分まで強く生きなきゃって思ってたのに‥】
トロールはゆっくり棍棒を上げて振り落とす
ぶおん!!
風が吹く
真夜は目を瞑った
ズバン!!
ボトッ
トロールは自分に何が起きたか理解出来なかった
『私の友達に何をしようとする』
天堂 雀がトロールに剣を向けて言った
【え?】
真夜は目を静かに開ける
田中 真夜はビックリした様子で天堂 雀を見た
『て‥‥天堂さん?』
スキル飛斬発動 Aランクスキルの飛ぶ斬撃
トロールは失った右腕を抑えて叫ぶ
『ううううおおおおうううおおおおおおおおおおおおおおーーーー』
痛みでトロールは抑えられない様子だ
『友達を殺そうとした罪だ‥‥‥‥ふう、、、、では、、、ひと想いに苦しまず、、、イクガヨイ、、』
天堂 雀が鞘を収めて抜刀の構えに入った
そして天堂 雀が鞘から刀を出した瞬間
ギイイイィィィィィィィィン
洞窟に金属音の大きな音が鳴り響く
ガチャン、、、
天堂 雀は刀を鞘に収めた
天堂雀はいつの間にかトロールの後ろに立っている
ズバババン
トロールは胴体から真っ二つに斬れた
血しぶきが舞う
天堂 雀
スキルSランク3つ同時発動
スキル 神速 加速スピード10倍
スキル 天光の閃 抜刀からの攻撃力10倍
スキル 光の進撃 スピードが高い程攻撃力がUP