反乱
魔道士ソアラは涙を流しながら漏れ出る声を手で押さえていた
ガクガクと震える
私はとんでもないことを知ってしまった
私は自分が魔道士という誇りがある
小さい頃から魔道士になりたくて勉強をして
専門の学校にも通って成績もトップとなって
特待生として進学し同じ学年では1番の魔道士として名をあげた
オートリア王国にはもちろん優秀と言われる第一部隊に入団
いつかはこの世界を魔法の力で救ってみんなを幸せにしたい
そんな気持ちも強く芽生えてきた
入団10年目
その気持ちは更に大きくなる
魔法で人々を幸せに、その気持ちで今もなお魔法の勉強に励む
私の魔法はいつかはここの国の最強と呼ばれる大魔道士プリズン様にも評価され
私は第一部隊の隊長の右腕となった
今後はどこかの部隊の隊長として任されるよ予定とも言われた
頑張ってきたことが報われるのは嬉しいことだ
だけど、、、
私は今は涙を流して膝を抱いている
私は自分の罪深さに涙を流す
無知な自分
ソアラは見ていた
レクリアとプリズンのやりとりを
魔道士を辞めたレクリアには正直呆れていた
失敗を恐れて辞めて行ったのは弱虫だと
失敗しても国の為、世界のためには負けじという姿勢じゃないと!
王国に来たという情報を手にしたソアラはレクリアに一言言ってやるという気持ちで
プリズンの会話が終えるのを待っていた
なのに、、、レクリアから出た言葉に耳を疑った
私達の知らなかった真実をレクリアは知ってそれを止めにきたことに
そして、、あの信頼していたプリズン様がまさか
この国の為とは言え沢山の人々を殺す事をやっていたなんて
レクリアはプリズンの攻撃で倒れて連れていかれた
『泣くな!ソアラ!そして、、レクリアを助けなきゃ!』
ソアラは大五芒星の広間からプリズンの後を確認したあとその場から動いた
助ける為、そして止める為に今からできる事をやるんだ!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
薄れた意識から少しづつゆっくり目を覚ます
目を開けて周りを見ると牢獄の中だった
レクリアは思い出した
大魔道士プリズンの手によって魔法の攻撃をくらわされて気を失ったことを
『そうか、、私は、、、捕まってしまったんだ、、、』
悔しい、、まさかプリズン様が、、止めたいけど私の知る真実ではもう止める事は出来ない
知っていたんだ、、みんな
鬼羅に必ずなんとかするって伝えたのに
レクリアは涙を流す
『ごめん、、、、』
君が謝る必要なんてないことだよレクリア君
声が聞こえた
プリズンの声だ
『やあ、、レクリア目を覚ましたみたいだね、良かった良かった、、一撃で倒れてもらうために威力に加減はしなかったからね、、最悪は死んでしまっても良かったんだがね』
ゴクリ、、
レクリアは手加減無しでこの国の1番の魔道士から殺されようとしたのかと思うと震えが出る
『まあ、、せっかく、、、生きていたんだ、、レクリア、、、聞かせてくれないか?その情報はどこで聞いたんだ?』
『はあ、、はあ、、そ、、その情報を漏らしたとしたら私は、、どうなるのですか?』
『ふふふ‥‥』
プリズンは小さく笑った
『そうだね、、嘘でここから釈放させてあげるよと言いたいけど、、正直に言おう、、真実を知っている君を帰すわけがないだろう?その秘密は必ず秘密なんだから、、ここで永久に幽閉されるか殺されるかのどちらかだね』
そんな、、、レクリアは涙を流す
ガタガタと身体を震えらす
怖い
私は今まで怖い経験なんてほとんどしたことがない
裕福な家で育ち
それなりに成績もよく
絵本の中の勇者に憧れて王宮魔道士に入団
そんなごく普通の人生
今私の選択は無いのも一緒だ
死が間近にある
怖い
でも約束をした
鬼羅君と
そして同じ境遇の子達はもう絶対作らないと
『い、、いやです、、絶対、、絶対喋ったりしません』
プリズンは笑って近づく
ブス
ナイフを足の太ももに差込んだ
『あああああああああああああああああああああああああああああああ』
レクリアは突然の痛みに大きく叫ぶ
『まあそういうだろうと思ったよ、、楽しませてくれよ、、レクリアくん』
プリズンはもう一つのナイフをもってニコっと笑って見せる
『ここは周りが魔力が込められた石で作られた牢獄‥‥トークの魔法はここからじゃあ通じない特別な牢獄だよ‥‥ふふふ‥‥‥』
レクリアは痛みで口から唾液をだす涙も止まらない
痛い、、痛い、、痛い、、痛い、、痛い、、痛い、、痛いよ!
気が狂いそうになる
『次はどこにいこうかなー』
プリズンは笑ってナイフをレクリアの前で見せつける
『一応聞いてやるよレクリア、、誰から聞いたんだ?』
プリズンはレクリアの顔を覗く
普段細目のプリズンは目をかっと開く
怖い、怖い、怖い、怖い、怖い
グッっと歯を噛み締める
垂れる唾を口に溜めて
ペッ
プリズンの顔に唾を吐きつけた
プリズンは目を再度目を細める
『さらばだなレクリア、、馬鹿だったな、、もう遊びは終わりにするよ』
ドカーーーーン
上で地響きが響く
『なんだ?、、ふんレクリアよ、、後でまた続きをやろう、、』
プリズンは上に駆けつけていった
『はあ、、、はあ、、、、はあ、、、、うぐ、、うぐ、、うぐ、、いたい、、』
良く頑張ったねレクリア!
声が聞こえた
『ヨーク!』
レクリアは叫んだ
ヨークはレクリアに刺さったナイフを直ぐに抜いた
『ああああああああー』
『ちょっと我慢してレクリア!今治癒魔法をかけるよ!』
ポオオオオオオオオオォォォ
緑色の光が足の傷を癒していく
他に4人牢獄に入ってきた魔道士がいて私につながっていた鎖を外してくれた
『どうしてここが?』
レクリアは不思議にヨークに尋ねた
『ここの場所に運んだ騎士団に聞いたんだよ、そしてレクリア君がプリズンに言った真実はもうこの国の騎士団や魔道士みんなが知っているよ』
レクリアは涙を拭きながら喜ぶ
『頑張ったねレクリアあとは任せてくれ!ソアラさんがきっとなんとかしてくれるよ!』
◆◆◆◆◆◆◆◆
大五芒星の広間にきたプリズンは驚く
『どういうことだソアラ!一体何をやっているのだ?』
ソアラは2000人を超える魔道士や騎士を先導し大五芒星の広間を破壊していた
『何を?ですってプリズン様、、もちろん大五芒星を壊しているのです』
『だから何故そんなことをやっているのだ!?』
『異世界転生をさせないためですわプリズン様』
『なに?なんだと、、どういうことだ?』
ソアラは小さく笑った
『ふふふ、、プリズン様どういうことだ?は私達のほうですわ、、今まで真実を隠して私達に酷いことをさせていたのはどういうことですか?』
!!!
『知っていたのか?知ったのはレクリアから聞いたのか?』
『プリズン様とレクリアの話をたまたま聞いてしまったのですわ、、まさか、、そんな真実が隠されていたんて』
うぐ、、っとたじろぐプリズン
『ここに集まっているみんなは真実を知って今こーやって集まってくれているのですわ』
くそう、、プリズンは杖を落として膝をついた
『このまま真実が知れたら異世界人達の暴動が起きることになるぞ!』
ソアラはふんっといった顔をした
『そんなのは自業自得ってやつですわ、、彼等は被害者です、、加害者の私達を恨むのは当然ですわ』
『受け入れるのか!?やつらの暴動を?』
『どっちにしよこのまま異世界人達が増えていった後に暴動されたほうが危ないことですわ?』
『そうじゃな、、ソアラ、、其方の言う通りじゃ』
声が聞こえた
この声は
この国の王オートリア•ビルディ
皆は膝をつく
『もういいんじゃ、、プリズン、、これ以上はもう無駄なことじゃ』
『し、、しかし、、王様、、異世界人達の召喚は?』
『異世界人達の中には確かに優れた能力のおる者もいたが、ほとんどがそう我らと変わらぬ存在だったレベルも1じゃ時間をかけてレベル上げも出来るがそこまでして相手側の犠牲を出してまで行うことでは無いと私は判断した、、この世界のことはやはり自分達でなんとかするべきじゃ、、』
『し、、しかし、、今まで召喚してきた人達は?彼らはどう対応したら?』
『今回の件我らのわがままで無理矢理連れてこられた、、我自身からも頭を下げて謝ることにしようと思う、そしてこれからの生活も保証、、そして戦いに参加したくない者の対応もしっかりやっていこうと思う』
王は両手を大きく広げた
『これからは異世界人転生は禁止とする!そしてこの事を今から異世界人達を集めて説明を行う!今から大五芒星の広間に集まってもらうがよい!』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
異世界人達はみんな集められて説明を聞いた
皆は涙を流した
自分の死についても悲しむことだろうが
他に転生されなく死んだであろう
人々を思って悲しむ
叫ぶ者もいた
暴れる者もいた
取り乱した人もいて抑えるのに騎士団や魔道士は懸命に頑張った
起きたことはしょうがないって割り切れるわけじゃない
だからこれからはこの国がこの異世界人達に対してしっかりと
保証しなければいけない
話が終わってそのまま国の為に戦う者は少なかった
35人‥‥
それでも助かる、、この国の為に残ってくれた彼らはなるべく死なせないよう
これから修行を積んでもらう予定だ
上から異世界人達をレクリアが見つめる
ソアラがレクリアの横に立つ
『レクリア、、よく頑張ったね、、あなたのおかげで新しい犠牲者を生まずに済んだわ』
レクリアはソアラの方を向いて笑う
『約束しちゃったからね、、、、』
鬼羅君次は君を迎えに行くよ