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追憶3

1-012

 

――追憶3――

 

「先生、子供たちの様態はどうでしょうか?」

 報告を受けた両親はリリトとクルルの所に駆けつけてきた。

 

「刺し傷は外皮を貫通して内臓に達していましたので緊急手術の上縫合と洗浄を行っています。」

 ガラス越しにベッドで丸くなっているリリト達が見える。それぞれの体に包帯が巻かれていていて痛々しい。

「刺し傷はそれなりに深いものでしたが致命的ではありません、問題なく回復すると思います」

 

 両親は怪我をした子供たちが収容されている部屋を見て驚いた。

 今回5人の竜の子供たちが被害に合ったがみんなこのひとつの部屋に隔離されている様である。

 厳重に隔離され面会は大きな窓越しに行われていた。

 

「なぜ子どもたちを隔離しているのですか?」

「隔離と言うよりは防火対策です。あの子達には回復の為に魔獣細胞の大量投与を行いました。」

 両親は竜の里親を引き受けるのに当たって研修を受けている。

 竜の体は大きくニンゲンと違っておりその特性も教えられていた。

 それでも医者の言っている意味は理解出来なかった。

 

「子供たちに魔獣細胞を与えるのと防火対策が何の関係が有るのでしょうか?」

「魔獣が作る魔獣細胞と言うのが有りましてね、獣人と竜人はその細胞を体内で活性化させる事が出来るのです。」

 魔獣の持つ非常に高い治癒力となんでも食べる食性はこの魔獣細胞に拠るものなのである。

 つまり竜に魔獣細胞を投与すると高い治癒力が発生すると医師は言っていた。

 

 逆に魔獣細胞を与えなければ竜の体が危険だとの判断が医師には有ったらしい。

 問題なのは魔獣細胞を体内に取り込むと竜の魔法能力まで活性化してしまうと言う事なのだ。

 

「この子達はニンゲンの間で育てる都合上安全の為にこれまで魔獣細胞を与えられて来ていません。しかし竜の子供は本能的に魔獣細胞のコントロールは出来るのですよ。子供達の口のあたりをご覧ください。」

 子供達は息をする度に口の周りから小さな炎が漏れ出している。

 

「ブレスですよまだ教えられてはいない魔法を無意識のうちに使ってしまうのです。ですからこの部屋と備品はすべて不燃性の物を使用して看護人も耐火服を着用してフェイススクリーンを付けています」

 

「………………………………」

 

 確かに寝ぼけてブレスを吹き出されたらたまったものではない。

 竜とはそれだけ恐ろしい生物であると改めて両親は思った。

 

「竜はカテゴリー的には獣人の仲間ですから獣人も魔法を使います、ニンゲンだけが魔力を使えないのです」

 両親は改めて竜の子供の里親になると言う事の意味を問い直されたような気がした。

 ふたりはじっと竜の子供達を見ていた。

 

「この子達の事を恐ろしいと感じましたか?」

 医師は言外に里親を辞退する事も出来るのだと告げている事に両親は気が付いた。

 ふたりは眠っている子供たちを見てからお互いを見つめ合う。

 

「いいえ、この子は私たちの子供としてとても愛しています。私たちにこの子を与えてくれた竜人センターには感謝をしています。」

 母親のオデールが迷いなく答えた。

 

「そうですね、私たちはあの子とても誇りに思っていますし子供達が将来私たちを思い出したときに誇れるような親で有りたいと思っているのですよ」

 隣から父親ナマンも同じ様に答える。

 

「結構!あなたがたは大変すばらしいお方達です、さすが竜の嫁の親御さんですね。」

 医師はすごく嬉しそうに両親を見た。

 

「怪我は普通の子供であれば致命傷にもなりかねませんでしたが流石に竜の子供の生命力は強いですね、仮に後遺症が出てもすぐに魔獣細胞が修復してくれるでしょう」

 ナマンとオベールは防護服を着せられると病室の中に入っていった。

 

「リリトちゃん……痛む?」

 母親の声に目を開ける。

 なにか物々しい格好をした両親の顔が有った。

 

「カアサン……」

「リリトちゃん先生が怪我はもう心配は無いって。」

 母親の言葉にリリトは周りを見る。

 

「ク…ルル…」

 横にある籠の中からこちらを見ているクルルが見える。

 

「大丈夫よクルルちゃんも心配ないから。」

 ホッとしたように微笑むリリト。

 

「クルルちゃん痛むかい?」

「ウン……スコシイタイ」

 竜に薬は効かない、本来はそのままでも勝手に傷は治るが子供なので手術をしたのである。

 

「クルルちゃん早く良くなっておくれ、またみんなで一緒に過ごそう」

「ウン……」

 

 一週間の入院の後自宅で一週間過ごした。

 その間両親は何くれとリリト達の面倒を見てくれたがふたりともあの時の事を口にすることは無かった。

 

   ◆

 

 小学校に上がるとニンゲンの子供達はみんなリリトより大きくなっていた。竜は大きく生まれるが育つのは遅いらしい。

 

 リリト達の里親となったニンゲンは我が子の様に二人に接してくれたし二人もまた親にはなついた。

 確かに親と呼ばれるニンゲンとの血のつながりは無かったものの心の底から二人の事を愛してくれていた。

 

 しかし竜の子供達は14歳になれば両親とも別れ二度と会う事は出来ないと言う事をまだわかってはいない。

 

 その当時は里親制度の導入を行うか否かがずいぶん議論されていた。

 里親制度はうまくいけば家族と言うものを竜の子供に示す事が出来る。

 つまり竜の嫁が結婚したときに家族を作る時のモデルに出来ると言う事だ。

 

 何しろオスの竜はニンゲンの中で育てられただけで家族と言うものを知らないのだ。

 家族との間に強い絆を作る事は竜の子供にとってはとても残酷な事になりかねない。

 ニンゲンの為に竜の元に嫁ぐのはあくまでもニンゲン側の都合に過ぎない。

 

 家族と離れ竜の元に嫁ぐことを嫌がる子供が出る事も十分に考えられた。

 それでも子供達は親の元で少しでも愛情に恵まれた時間が有った方が良いとエルギオスは主張した。

 そして里親には心の底からこの娘達を愛してあげて欲しいと伝えていた。

 

 それは狭い範囲で暮らしているニンゲンの中でさらに狭い範囲で育てられる子供達に対して与えられる僅かな物であったからだ。

 家庭と学校とその近辺での暮らしはある意味檻の中の生活と変わる事は無かった。

 

 それでもたまに両親はふたりをニンゲンのいる繁華街に遊びに連れていってくれた。

 

 今日はふたりの若者がサポートについてくれる。男人をジュシェル女の人はアンジェと言っていた。

 頭に帽子をかぶりサングラスをした若者だが思いのほか竜達には好評であった。

 荷物を持ったり食事の時に口の周りを拭いたりとか何くれと面倒を見てくれてリリト達には兄か姉の様に感じられた。

 

 多くの場合施設のニンゲンは竜の子供達には優しかった。

 それは竜がニンゲンを嫌いになることを非常に恐れているからでもある。

 子供の時のトラウマで人間不信に至った竜が大人になった時にニンゲンを襲わないと誰が保証できるだろう。

 

 繁華街を見て回りアクセサリーを買う、残念ながら竜の子供服は売っていないのでお預けだ。

 沢山のニンゲンのいる場所に行き映画を見てアイスクリームを舐める。

 そのは日とても楽しい一日になるはずだった。

 

「政府はドラゴンを飼育して外部に放出するつもりでいます」

 繁華街の一角でマイクを握った一団が宣伝活動を行っていた。

 

「大人のドラゴンは現在でも非常に危険です、獣人と組んで人間社会への侵略を試みています」

「新たなるドラゴンの製造に反対しましょう、プリントをどうぞ」

 町の広場にはのぼりを立て拡声器で演説をしながらプリントを配る一団である。

 

 両親はすっと方向を変えるとそこから離れようとした、どうやら政府のドラゴン政策を批判する一段の様である。

 しかし演説をしていた人間がそれを目ざとく見つける。

 

「そこにおられるのは今噂のドラゴンではありませんか?」

 拡声器の男が大きな声で呼び止める。

 その声を聴いて周囲にいた大勢の人がリリト達の方に向く。

 

「こんな繁華街にドラゴンを連れて来るとはなんという非常識な事でしょうか?しかも鎖につながず放し飼いにしています」

 若者の二人がリリト達と一団との間に割って入るが周りに人が集まってくる。

 クララはおびえてリリトに抱き着いてくる。

 

「大丈夫だよ、あのふたりに任せておけばいいから」

 両親はふたりを抱える様にしてかばう。

 周りの人々は好奇の目で竜の子供達を見て写真を撮ったりひそひそ話をしたりしている。


「政府のドラゴン政策は我々ニンゲンの生存圏を狭める為の政策にすぎません。しかもごらんなさいドラゴンを護衛しているのは獣人ではありませんか?」

 リリトは何を言っているのかわからなかった、しかし一緒にいる若い二人はどうやら獣人だと言われているらしい。

 

 二人は胸ポケットの中から首からかけているメダルの様な物を出して胸の前にぶら下げる。

 周りにいる人たちは竜の子供を見ていたが誰かが声を出した。

 

「か、かわいい……」

「………………?」

 若い女性が進み出てリリトの前にしゃがんむ。

 

「ね、撫でてあげていいかしら?」

 両親の方を見上げて尋ねる。

 

「やめてください、この子達はペットじゃありませんから。」

 リリトがクルルを抱いたまますすっと両親の後ろに隠れる。

 

「大丈夫よ~、乱暴なんかしないから~」

 リリトが舌を出して「べ~っ」をする。

 

「「「「可愛い~~~~っ!」」」」

 周り中から黄色い声が上がる。

 見回すといつの間にかふたりの周りには沢山の若い女性しゃがんでリリト達を眺めていた。

 写真を撮っている者もいる。

 

 一体何なんだ、コイツらは?

 

 そこに警官がやって来ると集まっていた人たちを解散させていく。

「はい、皆さん解散してください、周りの人たちが迷惑をしていますから」

 若い女性たちもリリト達に向かって手を振りながら去っていった。

 警官はチラリと二人の胸のメダルを見たが何も言わずに演説をしていた男の方に行って何かを話していたようだ。

 

「あまり気にしないでください次はどこに行かれますか?」

 ジュシェルが両親に向かって聞いてくる、結局この二人は竜の護衛に来ていたのだ。

 

「そうね、また来ることにしましょう、お二人にはご迷惑をおかけしました」

「気にしないで下さいどこの世界にも人のやる事に反対するニンゲンはいる物だから」

「この子たちに怪我が無くて良かったわ」

 

「大丈夫ですよその為に俺達がいるんですから」男はニコリと笑った。

 その後ふたりはをたくさんのお菓子を買ってもらって大喜びで家まで帰っていった。

 

 子供達を家まで送り届けた二人はその夜繁華街で酒を飲んでいた。

 彼らの近くで飲んでいたのは昼間街頭演説をしていた10人程の一団であった。

 

「今日は街宣うまくいくと思ったんだがな?」

「あの連中が挑発に乗ってくれれは聴衆をあおりやすかったんだがな~」

 

「なんだろうな周りにいたあの若い女ども竜の子がかわいいとか言ってたぜ」

「ちょっとあの感覚にはついていけんわ~、やらせじゃないでしょうな~」

 酒を飲みながら昼間の事をべらべらとしゃべっている、その近くで二人は黙って酒を飲んでいた。

 

「やっぱ意外と一般人はドラゴンの事を知らないですね。」

「仕方がない、あの危険性に気付いているのはごく一部の見識の有るニンゲンだけだからな」

 

「しかし毎度こんな所で飲んでいていいんですかね」

「かまやしねえ、活動資金は上から降ってくるんだからさ」

 成程なと思う、スポンサーがいると言う事らしい。

 

 今日の昼間の情報からこの連中の居所を割り出して来てみたが末端の連中のようだ価値は無い。

 ジュシェルとアンジェは顔を見合わすとそのまま出て行こうとした。

 

「待てよ、お前たち昼間の獣人じゃないのか?」

 先ほどの一団の中の男が目ざとく二人を見つける。

 二人は昼間の様にペンダントをポケットから取り出す。

 

「獣人が都市部への入場が禁じられているのは知っているな?」

 ふたりは男たちを前に動ずる風もない。

 そっと後ろに回った一人がいきなりかぶっていた帽子をひったくる。

 

 獣人の証である立った獣の耳がぴょこんと現れると周りから動揺の声が聞こえる。

 

 ニンゲンが住んでいるこの世界は魔獣の侵攻を食い止めるために直径1000キロの外周部に高い壁が作られている。

 それとは別にニンゲンの住む繁華街や住居は数か所にまとまった都市部がありそこにも直径30キロ程の壁に囲まれている。

 都市部にはニンゲンだけが住み外周の壁と都市部の壁の間には獣人とニンゲンが住んでいて農業や牧畜を行っている。

 

 食料そのものは機械で人工的に作る事が出来るがやはり天然の食物は人気が高い。

 ニンゲンはパンのみでは生きていけないのだ。

 そしてそのエリアは魔獣が都市部への侵攻を食い止めるための干渉エリアとなっている。

 

 ニンゲンは自らの安泰の為に獣人と都市外周部に住む仲間のニンゲンを盾にしているのだ。

 なぜならば魔獣はニンゲンを襲うからだ。

 

 元々食料として遺伝子操作で作られた魔獣はある時から生物兵器として改良された、その結果魔獣はニンゲンを襲い殺した。

 食う為ではなく遺伝子に組み込まれた情報によってニンゲンを殺すのである。

 

 しかしニンゲン以外の獣は襲う事は無い。

 ただし元が肉食獣だった魔獣だけは食料として獣も魔獣も襲って食った。

 しかし実際には魔獣の持つ魔獣器官を求めているので魔獣を襲う場合の方が圧倒的に多かったのだ。

 したがって意外なほど魔獣と普通の獣は共存していた。

 

 この世界において魔獣はニンゲンにとっては危険でも普通のケモノに取ってはそれ程危険な物では無かったという事なのだ。

 

 そこでニンゲンはニンゲンの盾としてケモノとニンゲンのキメラを作り魔獣を狩らせる事にしたそれが獣人である。

 獣人と一緒に住むニンゲンは犯罪者か世捨て人だ、彼らは都市部への侵入は許されているが住むことは許されてはいない。

 獣人は都市部への侵入すら許されてはいないのだ。

 

 帽子を取られ獣人の証である耳を露出させられた二人は動ずる風もなくサングラスを取る。

 大きめの白目の少ない丸い目が現れる。

 個性かと言えばそれなりにも見えるがやや普通とは違う風貌に見える。

 

 ジュシェルは犬族の獣人でアンジェは猫族の獣人である。

 夜間での暗視能力を高めるために大きな虹彩を持っているからだ。

 

 周囲の人間がザワザワとふたりから距離を取る。

 反ドラゴンの心情を持つ人間は同時に反獣人の勢力でもある。

 要するにニンゲン以外の人間を認めたくないニンゲンなのである。

 

 狭量と言う言葉を感じる。

 

 皮膚の色だけで、あるいは同じ民族でも国境だけで人間を差別したがる醜い人間性のさがである。

 自分より劣っていると信じる事により、獣人や竜人を見下して自らが高みにあると考えたい度し難い人間性なのである。

 

 壁で囲まれた都市部への出入りを禁じられた獣人が都市部に入り込んでいる事が発覚した。

 しかもそれを追求するニンゲンの人数は10人以上いるのだ。

 これ以上ないシチュエーションで彼らを叩きのめせる状況であった。

 ふたりの周囲は既に囲まれており逃げる事も出来ない。

 

 全員がそう思っていた、楽勝だぜ!

 

「さっきもこの奇妙なペンダントをぶら下げていやがったな、獣人のお守りか?」

 ひとりの男がアンジェのペンダントをジロジロと眺めるといきなりそれをつかんで引っ張る。

 ペンダントは鎖がちぎれ男の手に残る。

 

「どうだ?返して欲しいか?」

 男が勝ち誇ったようにあざける、この状況では彼らには手も足も出ないと信じているのだ。

 しかしアンジェは大したことでもないと言うようにフッと笑う。

 

「この時点で貴様には公務執行妨害が課せられた」

 

「なんだと?」

「ほざいてんじゃねえ!」

 そう叫んでジュシェルの後ろから酒瓶を持った男が殴りかかる。

 しかしジュシェルは目にもとまらぬ速さで瓶を持った手をひねり上げると男の腕がボキッと音を立てる。

 

「うぎゃああ~~っ!」

 男の肘は妙な方向を向いたまま動かなくなっていた。

 

「こ、この野郎……」

 そう言って殴りかかってきた男は片手をひねられバキッと音を立てるとそのまま肩からぶら下がる。

 

 二人は素早く周囲の一団に進み寄ると次々と腕をひねり上げる。

 たちまち周りには手を押さえてうずくまる一団が出来上がっていた。

 アンジェはその中ゆっくりと先ほど取られたペンダントを拾いに行くが、そこに警官が突入して来た。

 

 二人は両手を上げておとなしく警官に向き合った。

 周囲の惨状を見た警官は渋い顔をする。

 

「と、とにかくこちらへ、事情聴取を願います」

 二人を外に連れ出すと警部が待っていた、その横では警官が救急車の手配をしている。

「頼むからおお事にしないでくれないか、こっちも後始末が大変なんだ」

 警部は泣きそうな顔で彼らに訴える。

 

「我々も竜人センターの依頼で反対勢力の動向を調べている、我々の行動はそちらでも逐一モニターをしている筈だな。」

 ジュシェルはペンダントを持ち上げて見せる。

 

「あいつらは末端だからな我々もおとなしく引き上げる所だったんだがね、そちらがちゃんと取り締まっていればこんな事をしなくて済んだんだ」

「なかなか政治がらみは動きにくいんだよ。とにかく帽子を被って引き上げてくれないか?当分は町に来るのも控えてくれ。彼らには君らがどの位危険なのか理解できないんだ」

 

 警察には警察の立場が有って竜人がらみは管轄外なのだ。

「君らが竜の子供達の護衛をしているのはわかるがさっきの仕返しでもあるまい、とにかく大人しくしていてくれ。竜の子供は無事だったんだろう?」

「あんた俺達が竜の子供の護衛をしているとでも思っていたのか?」

 ジュシェルは皮肉っぽい笑みで口を歪ませる。

 

「違うのか?」

 

「竜の子供にかかればニンゲンなんてもろい物さ、ああ言った輩でも燃やされないように俺たちが守ってやっているんだ」

「私たちを危険人物の様に言わないでもらいたいなあ、あれでも相当手加減したんだからさあ」

 

 ふたりは帽子を被るとそのまま夜の街に消えて行った。


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