「決意 その2」
場面は切り替わり。
武神の力を手に入れた郷でしたが。彼はその後、どうすることになったのか――
トライブレイバー。
それが俺の変身した姿の名前になった。
ちなみに名付け親は俺だ。
なんかあの後、水槌様にSNSで。
「そういえば、この鎧って名前あるの?」
と、何気なく聞いたら、
「武神の鎧ってのが名前かなぁ? 言い伝えだと『闘い来たる時、武神の霊を刃に宿して挑む勇敢なる者』とかは言われているけど」
と帰ってきたんで。
そこから考えた末、トライブレイバーという名称にすることにした。
それを送ったら、水槌様からは、
「なるほど〈挑む〉と〈勇敢な者〉から考えたんだ」
と返ってきたが。
そう言われてしまうと「闘来武霊刃」と考えてつけた名称とはちょっと言い出しにくい。
というか何だ、闘来武霊刃って。
不良かなんかの名前の付け方かよ!! というところだが。
あの日、あの戦いの後の俺は。
疲労に加えて、非現実的というか超常的な体験をしたことによる高揚感があったので、妙なテンションになっていたのだ。
……多分。
い、いや。神様とはいえ、女性と連絡先を交換して舞い上がっていた訳ではない。
……きっと。
ま、まあそんな感じで、ある意味その時の勢いでつけた名前だけれど。
理由はどうあれ、水槌様も良しとしたから、これで行くことにしようと決めたのだが。
トライブレイバーとしての活動。
その最初の目的は、なんか、町の住民に町の魅力をアピールする事らしい。
それを最初に聞いた時「何でヒーローがそんな事を」と思ったのだが。
何でも。
トライブレイバーの力の源は「人々のこの町を想う感情」らしいので、より巨大な敵と戦う為には人々に町について魅力を知ってもらう必要があるのだという。
とはいえ。
俺は生まれも育ちもこの町田市だが。
別にこの町に詳しいわけではない。
例えば版画美術館があるとか、リス園があるとか、サッカーに力を入れているとか、そういう「住んでいれば多少はわかる」程度の事は知っていても。
この地域の歴史がどうだとか、どんな人々がかつていたのかとはあまり知らないし。
また、さっき上げた美術館や公園やスポーツみたいなものだって「何度か行った事がある」とか「有名らしい」くらいしか知らないのが実際のところだ。
なので、そんな俺に町の魅力を紹介、つまり地元の宣伝? みたいなことが出来るのかという話なのだが。
この話を水槌様にしてみたら。
「だったら、まず行って欲しいところがあるんだけど」
と指示されて――
(続く)
こうして、郷は自身の町を知るために。
まずは水槌に指示された場所へと行くことにしたのですが……さて何処へ行くのか。
次回をお楽しみに。




