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超伝神トライブレイバー  作者: 窓井来足
第1話
2/22

「覚醒 その5」

さて前回、突然現れたお姉さんから〈盾〉をもらう事で何とか怪物を倒したのですが。

どうやら、そのお姉さんは結果に満足できないようで……

 盛り上がっているところ悪いんだけど。

 ちょーと期待はずれかなぁって思う。


 だって、この子、鎧は召喚できてないし。


 それに倒したのだって、ただの雑魚。

 テレビのヒーローものでいうところの戦闘員に過ぎないような奴なんだから。

 これを倒したってくらいでこんなはしゃぐってのもどうなんだろう?


 と、言ってもまあ。

 二十代前半の人間の、()()()なんてこんなもんかなぁ?

 あたしが昔、この子を助けた時に比べたらそりゃあ大きくなっているけど。

 ()()あれから十五年くらいしかたっていないわけだし。


 ――と。

 いつまでも上から目線で、このまま眺めているわけにもいかないか。

 何せ彼、店屋郷(たなやごう)君は(あたし)に選ばれた戦士なわけだし。

 さてさて。


「君、郷君だよね?」


 まあ、流石に人違いってことはないと思うけど。

 念のため確認も兼ねて尋ねて……


「え? 俺のこと知っているんですか? ……もしかして、昔の同窓生とか?」


 ん?

 あたしの事、同窓生だと思ってんの?


「いやいや、そーじゃないよ。あたしは……」


 ってか、なんで同窓生と誤解するかな? 

 もしかして郷君って地元に友達少ない系の人だったり?

 学生時代の友達とかいない系だったり?


 ……まあいいや。

 とりあえず言葉での説明はめんどくさい。


 ので。

 人間の姿をやめて、神様としての姿を見せるとするか。


 あたしの神様としての見た目は、人間基準だと怪人に近いのかもしれないし。

 さっきの雑魚と同じで蛇に似ているからあれの仲間と思われるかもしれない。


 けど、ま。

 自分で言うのもなんだけど。

 神々しいオーラとかで見分けてくれるっしょ。

 普通の怪人に比べたら百万倍も美しいはずだし、余裕っしょ。


 と、いう訳で。

 神様モードにチェーーンジ!!

 つまり変身……というか人間状態の変身解除?

 まあ、あたしにとってどっちの姿が本物とかないけど。


 あ、というか。

 今度から変身時の掛け声とポーズ考えておこう。うん。

 とか、考えながら。余裕をもって。

 あたしは神様モードになった。

 んだけど……


「な、蛇怪人!? テメェ、さっきの奴のボスかなんかだな!?」


 って言いながら、郷君は。

 特にためらわずに、そして間も置かずに。

 あたしに向けて拳を握って構えを作った。


 ――って。

 いや。

 いやいや。

 いやいやいや。


 見分けようよ。

 オーラが違うっしょ。

 てか、何で敵のボスがわざわざ君を助けるためのアイテム渡すかなぁ?


 まあ、ある意味。

 当たらずとも遠からじではあるけれど……


「違うよ~。可愛いおねーさんだよ~」


 とりあえず。

 このまま誤解されて戦いとかになったら面倒くさいので。

 一度人間の姿に戻って、そう言い訳しておこう。


 郷君から見て、あたしが可愛いかは知らないけど。

 こんな冗談言うヤツが、悪い敵のボスだなんて流石に……


「怪しい!! 美人なおねーさんの姿で俺の事を騙して利用するつもりだな!?」


 あ、美人だとは思ってくれるんだ。やった。

 って……そうじゃなくて。


 そういう解釈かい!!


 まあ、仕方がないか。

 悪い奴って天使みたいな顔をして、心で爪研いでるって言うもんね。


 というか。

 郷君が見た目で相手を判断するような人じゃないってわかったから、これはこれで良しとしよう。


 が、でも。

 流石にこのままいつまでもあたしの事、信用してもらえないのも困るし。

 よし。あれだ。


「ええと、ごめんごめん。あたし、こーゆーものです」


 とりあえず名刺を渡してみよう。

 まあ、これ。


 仲間内でアニメのイベントとか出る時のために作ったやつなんだけど。

 持っていて良かったというか……。


「ええと……町田界隈(まかい)で境川の神様やってます☆ 高座水槌(たかくらみづち)?」


「そ。ほらそこに境川の源流あるでしょ? あの辺に住んでるわけ」


 ちなみに、境川というのはこの草戸山付近から江ノ島あたりまで流れている川で。

 ほぼ東京都町田市と神奈川県相模原市の県境を流れている川でもあるんだけど。

 まあ、郷君は地元民だから、そのあたりの説明はいらないでしょう。

 ただ。


「住んでるって言ったって、山の中にいるわけじゃないからねー。あの辺りにあたしの住んでいる異空間への入り口があるっていうだけ」


 流石に「神様、山の中で野宿しているのかよ」とは思われら困るから、これは説明しておこう、うん。あたしのイメージにも関わるし。

 そして、そこから「神様ってどんな部屋に住んでるの?」って言われて、あたしの部屋に連れ込んで、そしてお茶でも出しながらじっくり説得を……


「とりあえず、水槌さん……いや、神様だから水槌様って呼んだ方がいいのか? あんたが川の神様で、あれか? さっきの化け物を何とかしようとしていて、俺に協力しろとか、そういう話か?」


 …………おい!!


「何で!? 何でそこまでわかるの!?」


 さっきまであたしの正体、敵だと疑っていたのに。

 急にここにきて、その状況把握能力は何!?


 そこまで理解されちゃったら、あたしがさっき即興で考えた〈郷君をマイルームに連れ込む計画〉全部パァじゃん!! 

 ――ってか、何で本当に分かったんだろう?


「え……いや、だってこういうの。漫画とかでよくあるじゃん。ん? もしかしてこれ、フィクションと現実をごっちゃにしちゃまずいパターンだった?」


「…………いや、大丈夫。ごっちゃにして良いパターンだから、はい」


 そう、事情はそうなんだけど。


 こっちとしてはフィクションと現実を分けてくれて、事情が分からないままの方が、あたしの部屋に連れ込めたから後々の事を考えると、やりやすかったんだけどなぁ。


 まあ、この国の若者から言ったら、神様とか怪物なんて、神話や伝説、伝承なんかより、漫画やアニメで先に知ったりするから、こういう展開になったら、そりゃあフィクションから大体推測されちゃうのは仕方がないか。


 恐るべし、現代日本文化!!


 なんて、いつまでもそんな事考えているワケにもいかない。

 とりあえず、郷君が予想より自体の理解が早いってことだから、それはまあ良しとするとして。


「で、話を戻してさっきの化け物の事なんだけど。ああいう怪物がこの川の源流に封印されていて」


「うん? それであれか? そいつらの封印が解けかけているからあんた……いや水槌様が再封印する為に動いているって事か?」


「そうそう、それであたしが君をこの町を護るヒーローに選んだんだけど。実はまだ郷君が持っている力は完全じゃあないっていうか……」


「なるほど。だから水槌様さっき溜息を……ん? それって俺が悪いのか?」


「うーん。悪いのかって言われると。どうなんだろう?」


 さっきは最初から鎧まで召喚できると思っていたからがっくししたけど。

 それはあたしの勝手な期待だったわけで。

 そうなると別に郷君自身は悪くはなかったかも……


「どうなんだろうって言っているけど。こっちは頼んでもないのに勝手に選ばれたんだから、むしろ選んだ水槌様に見る目がなかったってことなんじゃないのかって話なんだが」


 うぇ……。

 そういう意味か。


 確かに、郷君視点からしたら勝手に選ばれた上に、勝手にがっかりされたら嫌だよねぇ……。

 昔だったら「神に選ばれた」とか光栄だったかもしれないけど、今時そうでもないだろうし。

 おねーさん、ちょっと反省。


 さて、そうなると。

 郷君に無理を言う訳には……、


「ま、選ばれたってんなら面白そうだ。乗ってやるよ」


 え? もしかして郷君って熱血馬鹿? それとも良い人系?

 いやいや、あたしがヒーローに選んだんだから良い人なのはいいんだけど。


 だって、さっきまで郷君あたしの事疑っていたじゃん。

 だったら、ここで断ってもおかしくは無いっていうか……まあ。

 こっちとしては話が進みやすいから良いけどね。


「そ、そう? そう言ってくれると助かるかな!!」


 と、調子よく返事しておいて、そして早速――


(続く)

こうして、川の神を名乗る水槌から事情を聴いた郷でしたが。

彼はこの後どうするのか……次回に続く!!

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