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超伝神トライブレイバー  作者: 窓井来足
第0話
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「覚醒 その4」

前回、怪人の不意打ちを受けた郷でしたが。

はたして彼はどうなったのか……

「――っと!! そこ!! 諦めないで!!」


 という女性の声。


 俺の前に投げ込まれた〈何か〉。

 そして、その〈何か〉が……。

 怪物の鋭い尻尾を防いだ……のか?


 急に目の前に刃物のように鋭い怪物の尻尾が迫ったために、思考が追い付いていなかった俺だが。

 怪物の攻撃が〈何か〉によって防がれたのようなので、多少落ち着きを取り戻し。

 ようやく状況を把握。


 どうやら女性――年齢は多分俺と同じくらいかちょっと年上のお姉さん――が。

 何か楕円形の銀色の物体――よく見ると青や赤、緑の宝石みたいのが嵌っているやつ――を俺の前に投げ。

 そして、その物体が宙に浮かび。

 さらにそこから青みがかっている透明な、バリアのようなものが発生して、怪物の尻尾を止めている……らしい。


 いや当然、俺はフィクション以外ではバリアとか見たことないが。

 黒いオーラを纏った蛇人間がいるのだ。バリアがあってもおかしくはない。

 と、まあ。とりあえず助かったということのよう……


「ねえ!! 何やってんの!?」


「何って、怪物に襲われ……」


「じゃなくて!! その盾に手を伸ばして!!」


「た、盾……?」


 これか? この銀色のやつか?

 このバリア出ている奴……盾なのか?

 それにしては小さいが。

 まあ、バリアを出す盾とかなら本体サイズは小さくていいのかもしれない。


 などと考えながら。

 俺は言われたままに、左手をその盾に向かって伸ばす。

 すると……


「え? 何? 何? 何これ?」


 その盾は俺の左腕、手首付近に装着された。


「よし!! じゃあ、そのまま盾を意識して。気合を入れて!!」

「はぁ?」

「いいから!! 早く!!」


 何でこのねーちゃんに、言われた通りにやらないとならないんだよ!!

 とは思ったが。

 まあ、よくわからないアイテムで俺を助けてくれた人だし。

 それになんか……親切そうな気がする人だ。

 何でかはわからないが、そんな感じがする。


 ――よし。

 じゃあこのねーちゃんの言う事を信じてみるか。

 では。


「ハアアァァァァァーーッ!!」


 俺は昔見た少年漫画のキャラをイメージしながら。

 おねーさんに言われたように盾を意識して、気合を入れる。


 すると。

 この盾の影響なのか、俺の身体に力があふれてきた。

 しかも同時に。

 青、赤、緑の三色の澄んだオーラが身体から湧いてきている。

 これは……


「なるほど! これで戦えってことか!!」


 俺は別にアニメや漫画のファンではないので、そういうものは高校時代以降あまり見ていない。

 だがそれでも、この国で育った多くの今の若者がそうであるように。

 子供の頃は特撮ヒーローや、少年漫画で特殊な力を使って戦う登場人物なんかに憧れていたのだ。


 つまり。

 怪物、謎のアイテム、凄い力ときて興奮しないほど子供心を捨てた訳じゃあない。

 と、いう事である。


「っしゃあ!! いくぜ!!」


 俺は怪物に戦いを挑むために、前へと踏み込む。

 すると。

 怪物は俺に向かって、短刀による突きを繰り出してきた。


 さっきと違い突きなのは、単なる偶然か。

 それとも、さっきは俺の事をなめていたから斬りかかっていただけで。

 怪物は最初から、短刀ならば突きの方が相手に致命傷を与えられると知っていたのかは定かではない。


 ――が。

 仮に怪物が本気でこちらに痛手を与えるつもりで、斬りから突きに変更したのだとしても。

 最早、今の俺には大した問題ではない。


 何せ、今の俺は。

 そんな怪物の普通の人間基準だったら素早い動きさえ、スローで見ているように捉えられるので。

 その突きに対して身体をわずかにずらすことで回避し。

 その上で、相手の腕を横から(はた)くことで、軌道を逸らし無力化することも可能なのだ。


 そして更に。

 それによりバランスが崩れた怪物の鳩尾に、拳を捻じり込むように力を入れながら、強烈なアッパー。

 その一撃で宙に浮かんだ怪物に、流れるような動きで回し蹴りを叩き込み。

 そして。

 立ち上がってきた怪物に、右手の正拳突きを、


「喰らえぇぇぇーーッ!!」


 と、気合を入れながらエネルギーを拳頭に集中させて炸裂させる!!

 すると。

 それを受けた怪物は、拳を受けた胸を押さえ。

 そして内側から発光し始め……。

 最終的に、


「グ……ガ……グギャアアァァァァ!!」


 という、断末魔をあげて。

 黒い煙となって消失した。


 さて。

 こうして、とりあえず危機が去った事と。

 自分が凄い力を手に入れた事。

 更に能力を初めて使ったというのに、一方的に勝利を収めた事で。

「もしかして俺って、それなりに戦う才能あるんじゃないか?」なんて調子に乗った俺は。


「よし!! よし、よし!! よっしゃあああ!! 勝ったぜーーっ!!」


 とガッツポーズをしながら。

 この戦いに、さっきのおねーさんも満足してくれていると思って。

 彼女の方を見た。


 が。

 その先にいたのは。

 なんか、どうでもいいものを見たって顔したおねーさんだった。

 その上。


「はぁ………………」


 ――なんかすっごい溜息つかれたんだが。

 俺、なんか駄目だった?

 ねえ?


(続く)

こうして、戦う力は手に入れた郷でしたが。

突如現れたおねーさんはどうやら不満なようで……それは何故なのか。


次回に続く!!

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