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異世界転生は引退勇者の喫茶から  作者: 笑門一二三
6/9

お客様は異世界人

カランカラン


開店とほぼ同時にお客さんが来た…!

俺の初めてのお客さん!勝手ながらよろしくお願いします!

「いらっしゃいませ!」

「あ、いえ」

勢いよく挨拶をしたが

それに反して返答はいまいちだった

初っ端から空回りしてしまった…

「すみません、コーヒーを飲みに来たわけではないんです。ギルドよりクエストの依頼が何件かありまして。あの、ここの店員さんですか?」

「あ、はい!今日からここで働かせていただきます、蘭丸っていいます!」

「なるほど…ガレリノと申します。よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします!」

「ハハ、二人とも挨拶はすんだかい?彼女は王都冒険者ギルドの職員さんだよ、これからもお世話になるから仲良くしてね」

「は、はい!」

「…素直で正直そうな方ですね、信頼できます」

真正面で見つめられながら言われると少し困ってしまう


「それで、クエスト依頼だっけ?」

「はい、高難易度でクリアされなかったものです。いつもすみません…」

「困った時はお互い様だよ!気にしないで!」

「…ありがとうございます」

テーブルの上には何やら色んな情報が書かれた紙が

10枚ほど並べられている

「深刻である上に騎士団では動けないものもありますので、出来ればクリアをお願いします」

その言葉と同時に深く頭を下げる

「そのようだね、なるべく早くクリアするよ。どーんと任せなさい」

「助かります、それでは僕はギルドに…あ、持ち帰り用にコーヒー6つお願いします」

「こちらこそいつもありがとうねー」

「はい!持ち帰り用6つだよー!わっ!とと…」

「ユノ先輩!」

転びそうになったのをすごい体勢でこらえている

足元に段差などはなさそうなのだが、何も無いところでつまづいたのだろうか

「ランマル…ちょっと…手貸してくれない…?」

「ユノはもう少し落ち着きなさい…まったく、ガレリノを見習って欲しいよ」

「僕はユノさんみたいになりたいですけどね」

「え?」

予想外の返答に思わず声が出てしまった

「…なんですか?予想外みたいな顔をなさって、初対面なのに失礼ですよ?」

ジト目でじーっと顔を見てくる

「す、すみません…っ!」

「…ふふ、冗談ですよ。それでは僕はこれで」


「ガ、ガレリノが笑った…笑ったよ、ヴィルおじ様」

「私も初めて見たかもしれない…」

「なんですか、揃いも揃って失礼な方々ですね」

少しムスッとしたような顔をして、いるんだと思う

…多分。


「それでは、クエストの件よろしくお願いします」

お辞儀をしてガレリノさんは王都に帰った


「あ!!」

ガレリノさんが帰って数分してからユノ先輩が

急に叫んだ

「ガレリノコート忘れてる!」

「なんと、んー…取りに来るかもしれないけど、ユノ届けてくれるかい?」

「わかったよー!ちょっと行ってくるねー!」



そしてユノ先輩がガレリノさんに忘れ物を届けに行ってから

数分後…


カランカラン


今度こそ!

俺の初めてのお客さん!よろしくお願いします!!

「いらっしゃいまー」

ドンッ

「せ」

「ヴィルはいるかい」

俺よりも高い身長を、

さらに超えるほど大きい大剣を片手に持ったそのお客さんは眼光鋭く、威圧感いっぱいに入ってきた


今度は殴り込み…ですか…???


「ん?お前…」

相手の力量をはかるようにじっと見られる

猛獣に睨まれたウサギになった気分で、体が動かない

「ん、なんだ?どうした」

「その子は新しくここで働くことになったランマル君だよ」

ヴィルさん…!

「久しぶりだな、ヴィル。なるほどな新入りか…こいつ勇者候補だよな?なんでこんな所にいるんだ」

「色々事情があってね…コーヒーでも飲みながらゆっくり話そうか、なにか食べるかい?」

「ああ、軽いものを頼む。ヴィルに用があったんだが…」

そう言いながらゆっくりと俺の事を見る

「まずは、気になってしょうがないお前のことを、聞いてもいいか?」


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