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異世界転生は引退勇者の喫茶から  作者: 笑門一二三
3/9

召喚主とメイド

「あ、噂をすれば、だね!今開けるから待ってて」

ユノさんが扉を開けると、そこには綺麗な黒髪のメイド服を着た女の子が立っていた。

「失礼します、長月蘭丸様はどこに」

「俺が長月蘭丸ですけど...」

女の子は俺に気づくと、一気に距離をつめ両手を握る

一瞬の出来事だったので、すっかり呆気にとられてしまった

「え、あ、あの?」

「申し訳ございませんっ!間に合いませんでした!」

「????????」

「落ち着きなさい、ロイズ。ランマル君が困惑しているよ、また頭から煙がでてしまう」

「は!はい!ふー、すぅー、ふー、すぅー」

ロイズと呼ばれたその女の子は胸に手を当て、深呼吸をしている

彼女の動きに合わせてぴょこぴょこするアホ毛が気になる...


「ほら、ロイズちゃん自己紹介から始めましょ!」

「はい、私はロイズ=ベルフラワーという者です。蘭丸様の死後、この世界に転生させた召喚主の従者です」

それから...と、申し訳なさそうに続ける

「私の主が女神を自称したり、説明不十分のまま召喚したり、トイレに行ったり...すみませんでした...」

「な、泣かないでください、全然大丈夫ですよ!でもなんでこんなことに?」

「理由はバカらしい事なんですが...それは主から話します、出てきてください!」


「お、お邪魔しまーす...」

呼ばれてからワンテンポ遅れて、女の子が部屋に入ってきた

「早くしてください...!」

顔を赤くして、恥ずかしそうにしているロイズさんに急かされ、

俺たちの前に来る

「私の名前はルナ=エルセット、あなたを召喚した女g、召喚主よ」

「ルナちゃんはねー、王都からよくここまで遊びに来てくれる常連さんなの、ね~」

「別に遊びに来てる訳じゃないわ、たまたま仕事の帰りに寄ってるだけ」

「...この辺りは私達の管轄ではないのですが」

「ぐっ...て、手伝いに来てただけよ!」

主に小さな復習をしたロイズさんは満足したようだ

なんかすごーく微笑ましい

「ルナちゃんって可愛いよね~ランマルもそう思うでしょ!」

「はい!とても微笑ましいですよね」

「微笑ましい...ってなによ!」

「うん、微笑ましいよね、わかるよランマル君」

「私もです、たまにめんどくさいですが」

ヴィルさんとロイズさんがだめ押しになったのか

ルナさんの顔が真っ赤になっていく

「うぅ...うぅぅ...」

「ルナさんってすごく綺麗なのに、なんか」

「可愛いがりたくなるよね!」

「あ!そう、それです!」

「うぅぅぅ...」

ルナさんは縮んでコンパクトサイズになってしまった



「それで、なんで女神を自称したりしたんですか?」

結局キャパオーバーで倒れてしまったルナさんの代わりに

ロイズさんが答えてくれることになった

「主は召喚主の一人として選ばれ、その日を待っていました。ですが、あまりに緊張してしまうので、解決策を考えました」

「それが女神様を自称する事だったんですか?」

「はい、主は昔から子供向けの物語本が好きでした。特に勇者と女神の話が大好きで、大きくなったら女神になる!とまで言ってました...んふっ」

「なるほど」

「まあ結局、緊張はほぐれず、お腹が痛くなってトイレに籠ってしまったんですけどね。起こさなかったのは、主なりの優しさなんです。少し...というか、かなりずれてますけど本当は優しい方なんです、どうか許してやってください」

「ロイズさん、ルナさんのこと大切に思ってらっしゃるんですね」

「え?」

「今のお話聞いてそう感じました」

「...そうかもしれませんね」


「ぁぅぅぅぅぅ...」

変な声と共に、倒れてロイズさんに膝枕されていたルナさんが悶えている

「どうしたんですか!?どこか痛いんですか!?」

「胸が痛いとか?」

急に後ろから出てきたユノさんがにやにやしながらルナさんに聞く

「そうなんですか?主」

ロイズさんもにやにやしている

「...う、うううるさいっ!!!もう帰る!!!!」

ロイズさんは顔を真っ赤にして部屋を飛び出してしまった

「ほんと可愛いなあ、ルナちゃん」

「主も行ってしまいましたし私もこれで、色々とご迷惑おかけしました。あ、後日また報告しなければいけない事があるのでお邪魔すると思います」

「いつでも来てね、コーヒーご馳走するよ」

「また来てね~!」

「それでは、失礼します」

丁寧に礼をしてドアノブに手をかける、

「あ、蘭丸様。私達のことは呼び捨てで構いませんよ、召喚主と転生者は対等な関係ですし、その方が主も私も嬉しいので」

「わ、わかりました、ロ、イズ」

「ハハハ、ランマル君は敬語を使わない練習をしなきゃな」

「では、今度こそ失礼します」

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