19.身代わり?嫁?死罪!?
「リーリア様でないなんてウッソだー。男ならさっきなんで抵抗しなかったんだ?…いや待て、本物のリーリア姫なら足蹴りぐらいはされていたはず…。フム、君は本当にリーリア姫ではないのはないな。了解!リョーカイ!納得!ナットク!」
「ユナガ隊長!そこで納得しないでください!彼が男であるなら、自分の姉はバケモノに分類されますよー!!こんな男がいてたまるかー!?」
「ヘイゼル王子、嘘ですよね!この顔で、リーリア様の顔で男なんて!?」
…兵士たちよ、僕が男であるかどうかはこの際どうでもいい話ではないか?
僕はリーリア姫の手紙に書かれている内容が気になる。
『身代わり』とか『嫁』とか。
いやいや、それよりも目の前にいるオウジ様が怖い!
先ほどよりニコニコ笑顔で絶対零度の視線を兵士たちにバシバシ放っているヘイゼル王子。
視線から推測するに「てめーら、そろそろその辺で静かにしろーや(※ヤクザ調)」と言っているような気がする。
リーリア姫の目力もすごかったけど、お兄様もなかなか…似たもの兄妹ですね。
その笑顔にいち早く気づいた僕はベッドの上で正座のまま硬直。
その後、遅れて気づいた兵士たちは直立不動で僕と同じく硬直したのは、ヘイゼル王子が丸めた紙をパシッッとベッドの上に叩きつけた瞬間。
「ようやく静かになったね。さて、わたしがソリエナ街道から離れたということは、リーリアにはもうそこから逃げられたと結論づけてもいいだろう」
丸めた紙…その正体はリーリア姫の手紙なのだが、カサカサ音を立ててヘイゼル王子はしわを伸ばす音を出しながら話はじめる。
「手紙には要約するとこう書いてあったよ。『お見合いには私の身代わりをお使いください。彼は湧き人なので保護もよろしく』とね」
「ヘイゼル王子、彼は『湧き人』なんですか!?それなら何も知らない彼女…彼は本当はフィルミーノ国で保護して教育しないといけないはず―――」
「待て、バハレーン。何も知らない『湧き人』でもリーリア姫を逃がす手助けをしたんだ、死罪は免れないだろう。それならそのままこの世界を知らないほうがいい」
「しかし、ユナガ隊長!」
僕はギョッと目を見開いて『なんでこんなことになってるんだよ!』と、ヘイゼル王子に目を向ける。
「し、死罪って、なんでっ!?」
「リーリアには大国のサフニナィーナ国王の後妻にと見合い話が出ている。もちろん断れば小国であるフィルミーノ国など潰されてしまう。リーリアを逃がした君が死罪で当然だろう?」




