14.性別確認
「そういえば、念のためだけど…」
そんなリーリアさんのセリフに僕は仕事の斡旋にあたり重要な問題でもあるのかと緊張する。
「あなた『僕』といっているけど男なの?本当は女の子なんじゃないの?」
「違います!性別は男です!!立派な男の子です!!」
リーリアさんの同じ顔とはいえ、ここは力強く男ですと当然主張する。
リーリアさんは僕より2歳年上で、身長は少しリーリアさんのほうが高い気が…いやいや、きっとそう変わらない。
宿屋の主人も僕たちを見て仲良しの姉妹だと………女だと誤解するほうが当然かも。
誤解を解くためにはこれしかない!と、僕はリーリアさんがいるベッドに近づき…押し倒したりするわけではなく。
「これで『男』だとわかってくれるよね!」
自分の胸にリーリアさんの手をあてがう。
ここに来る前は4月の春の訪れ真っ最中で暖かかったので薄手のTシャツ1枚、手で胸に膨らみがないことがわかるだろう…となるはずが。
リーリアさんは僕の胸に膨らみがない(男である)ことを確認したように見えたが、いきなりジーンズの(生地は厚めではある)中心部…僕の大事なところをこともあろうにガシッと鷲掴み。
「ぎ、ぎぎゅややゃゃゃゃーーーー!!??」
リーリアさんが!リーリアさんがこともあろうに僕の!!僕の―――!!
過去、私より可愛いな男などいないわ!…という、ちょっとおかしな女性に電車内で僕の●玉を鷲掴みされ男だと確認されたことがある。
いや、まさか綺麗なおねーさんがいきなり僕の逸物を…なんて想像しないだろ!!
それよりもいきなり綺麗なおねーさんが鬼気迫るように近づいてきたら『僕に気があるのかも?』なんて、童貞男なら夢を持つのは当たり前だ!!
なのでまさかの通算2回目の『●玉鷲掴み事件発生!?(※女性にあるまじき行為ですのでけして真似しないように)』ですぅぅぅぅ…。
「僕、もうお婿にいけない………」
リーリアさんに男であることを証明された僕は涙ながらにこう項垂れて呟いた。
ベッドに座るリーリアさんが「大丈夫よ、お嫁にはいけるから」と小声で呟いたが、それを聞いていたのはリーリアさんベッドの上で眠る大兎のピータンだけだ。