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12.恋バナ


 町にたどり着けたのは夕暮れ時だった。


 僕が異世界に倒れていたときは青空で太陽の位置もそれなりに高かったので、町まで僕が歩いた時間は………計算したくない。


 たどり着いたときにリーリアさんに当然のごとく罵倒されました。


 ついでに大兎…お名前はピータンさん(雄)には足蹴りを何度も受けました。




 無一文の僕はリーリアさんに連れられるまま宿屋に行き、2階に2部屋借りると、1階の食堂で軽い食事をしてリーリアさんの部屋のほうに移動する。


 ちなみにベジタリアンの大狼の彼女…アンさんは外の宿屋に併設されている家畜小屋に移動で、大兎ピータンさんはリーリアさんの部屋に入るなりさっそくベッドの上で大の字で睡眠中。


 部屋に入るなり仕事の話になるのだが、なぜか妙な胸騒ぎがした。


「『仕事』は私の兄がここに来るときに紹介するわ。私は用事があるから明日になったらここを出るけど、あなたはここで兄が来るのを待っていてもらいたいの」


「うーーーん」


 リーリアさんは部屋に入ると黒い長い布…改め、風塵よけのアラビア風のマントのようなものを脱いでいるのだが、中身がアラビア風のきわどい衣装とおもっていた僕の緊張は涙に変わった。


 中身はドレスのようなワンピースだった。


 ここの異世界は夢がないのか!!


 男のロマンを返せ!!と、部屋にある椅子に座りながら心の中で泣いてみる。


 リーリアさんの出だしのセリフは、衣装に残念感を出している僕の深刻そうな声により、不満そうに発するにことになったのは当然だ。


「そっ、それほど日数はかからないで兄は来るから心配はいらないわ!あ、兄は私を溺愛しているから、あなたもきっと気に入られるはずよ!!」


 リーリアさん風塵コートを脱ぎベッドに座りながら、妙に自分の兄を押す…けど、重要なのはリーリアさんが明日この宿屋からいなくなるということだ。


 はじめて異世界に来て優しく?はないけど、それなりに一緒にいた人のだから、次の人(たぶんリーリアさんの兄になる予定)に託されるうちは離れたくないとおもってしまう。


「リーリアさんは『困ったこと』があるのに、明日にはここを出ていくの?」


「そうそう言ってなかったわね!私が『困って』いることを!実は私今家出中なのよ!!」


 なぜか胸をそらし自慢げにしているリーリアさん。続けて話続ける内容に突っ込みどころがないというか…。


「実は、しろ…貴族の屋敷、私の実家に行商人がきて買い物をしていたんだけど、その商人の一人に素敵な人がいて私恋しちゃったの!きゃ♪」


「………」


「告白もしたのよ。でも身分違い的なことを思ったのか突然別の国に移動するとか…。だから私は今彼を追っている最中なの!それでね―――」


 リーリアさんの強制爆裂恋バナは続くが、僕はほとんど屍+死んだ魚の目状態だ。


 過去の僕の恋愛歴は………生まれて(16年)このかたない。


 さらに言うなら、女顔のせいで異性にはフラれ、女顔のせいで同性には若干好かれる…男にモテても嬉しくない!!


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