21 魔窟 その6-2
21 魔窟 その6-2
「……つぅばぁきぃめぇぇぇ~……みぃこぉをぉぉ…皇子ぉぉぉ、うぅみぃおぉった、じゃあとぉぉぉぉ~……!?」
地鳴りのようなおどろおどろしい呻き声が、安の太い喉から絞り出される。
――皇子!?
あの椿が! しゃっ面憎い、あの麗に似ておる椿が!
急速に頭部に集中し出した血の流れに目眩を覚えたのか、安は、椅子に身体を預けた。みちみちと背凭れが悲鳴を上げる。
自分が染姫を懐妊するまで、一体、何れ程の苦労をしたと思っている!?
怪しげな呪符の類から、効果があるとされる薬という薬は全て試した。
腹と血の道を整えるに良いとされる食材を口にし続け、胤を子袋に少しでも長く留めおくという珍妙な体操にまで手を出した。
宦官どもに女盛りの後宮の閨に皇帝を長く置かぬよう袖の下も大いに振るった。
苦労に苦労を重ね、其れでも、女盛りに授かる事が出来なかったが故に、生まれた子は姫だった。
――それを、それを、それを……!
糞憎たらしい面構えが似ておれば、いとも易々と子を得る処まで似よるというのか小娘め、胸糞の悪い!
ええぃ、ええぃ、ええぃ、憤ろしい事この上ないわ!
代帝・安とは対極の彼方に位置する蓮才人が、柳のようにしなやかな身体で礼拝を捧げつつ、すす、と前に進み出る。そして、微風揺らぐ鈴に似た、凛とした涼しげなよく通る声で告げた。
「皇子の名は、星、と名付ました由にて」
厳かに、戰が続ける。
「星月が伝えし命は日月星辰の誉を得、人相が現せし相は旭日昇天の証を与えられ、導かれし卜により我が子の宿星は尭風舜雨と定められました」
同時に、彼方此方で衣擦れの音が夏場の虫の羽音より姦しく起こる。
品位の高い妃と皇子、低い妃と王子、そして後見たる臣たちの間で顔が見合わされて、潮が引いた後に顔を出した蟹や貝のように蠢いているのだ。
正妃として迎え入れた椿姫とに間に、戰は皇子をもうけた。
この事実により、戰は禍国の皇子でありながら、同時に帝室の一端に、新たに彼を家長とした家門を開いたと見做される。
子孫繁栄、特に長子誕生という慶事は祖霊に対する最大の功徳の一つだ。
戰にとってはこの上もない誉れあるが、他の皇子たちにとっては敗北の二文字がくっきりと脳裏に浮かぶ。
天と乱と同様に他の皇子たちも、其々に妃を得て子をもうけている者もおり、皇孫はそれなりの数になる。が、椿姫のように一国を背負って嫁してきた妃と、王族の血を母から受け継いでいる御子はいない。しかも、初子で跡継となる皇子を産んだ。太刀打ち出来る道筋が見付からないのだ。
歯軋りが耳障りな程、其処彼処で響くなか、蓮才人と同じく品位の低い妃たちの間では明らかな別の潮流が生まれた。
「公孫の誕生、お慶び申し上げます」
「誠に素晴らしく目出度き儀に御座います」
「驚喜とは正に此の事。なれども皇子様と正妃様に似て麗しき和子様に御座いましょう」
「この喜びを共にし栄誉を賜わりしこと、感涙せずに入られませぬ」
「此の御慶事は只、郡王陛下御一人のみのものならず、禍国においての御慶事として賀したるべきで御座いましょう」
口々に祝賀の文言述べたてる。
母親の必死な姿に遅れをとった王子たちも、傍に控える後見人たちの目配せを受け追従する。
「新たなる皇子様の御誕生、誠に慶ばしく」
「子孫繁栄の良き日を得られましたる事、お慶び申し上げます」
「禍国帝室の繁栄に万歳!」
「我が帝室の誉ある日、恩赦を出し、覚えを良くせねばなりますまい」
戰と椿姫の皇子誕生を祝い、次々と万歳の声が上がる。
椿姫が祭国にて新たに編んだ『紗』という織物を手に入れ、あまつさえ郡王となった戰との繋がりを求めて蓮才人に好を結ぼうと画策していた彼らは、彼女の人柄に逆に感化され款を通じるようになっていた。
蓮才人の一言に、一箇所に波が集結したかのように下品の妃とその王子たちは、彼女の此れまでの恩に報いるべく、援護擁護に一斉に回った。
★★★
「えぇい、えぇい、五月蝿い、五月蝿い、喧しいわえ! 黙りゃ、黙りゃ、黙るのじゃあぁっ!!」
其処に雷鳴のような怒鳴り声を上げたのは、安であった。
ずるり、と巨大な尻を引き摺り出して玉座から立ち上がる。
「誰が認めると言うた!? えっ!? 誰がその赤子を禍国の御子として認めると言うた!? えぇっ!? 言うてみよ! 妾は認めてはおらぬ! 妾が認めねば尊き帝室の血を引く貴人の皇子とはならぬ! 認めぬ故、鄙びた属国の血を引いた、只の泥臭いわっぱに過ぎぬのじゃ! 品位卑しい者らが挙って煽りたて、ぎゃあぎゃあと姦しゅうするでないわ!」
認めてやらぬ、認めてやらぬ、妾は断じて認めてやらぬ、やるものか! と安は唾を飛ばして叫ぶ。
はあはあと息を荒くし、目蓋を無くす程ぎろぎろと目を剥いて低位の妃と王子たちを睨み据え凄む安に、帳内・中はにやりと笑い掛けた。
「恐れながら申し上げます。陛下、お赦しになるのは、今暫し、慎重になされるべきでありましょう」
「何じゃと?」
中の言葉に、皆が一斉に注視しした。
中でも最も鋭い矢のような視線を投げ付けたのは、兵部尚書、優であった。
おのれ貴様! と、眦を割いて叫び中に向かい抜刀仕掛けるのを、半瞬、動きの勝った克が止めた。手首を掴まれ、其れがビクともしないと分かると優は、憤怒の表情で腕を押さえ動きを封じてくる嘗ての百人隊長を睨む。
――えぇい、離さんか、この馬鹿者が!
――離しません! 兵部尚書様、此処はお堪え下さると約束して下さった筈!
――戯けっ! そんなものをこんな所で生真面目に守る阿呆馬鹿間抜けが何処におるかっ!
猛り狂う優に、克は一段音を落とした圧し殺した声で凄む。
――此処が肝要なのだと真殿も何度も申された筈! 陛下御自身が一人、御怒りを堪えておられると言うのに、兵部尚書様は己の意地や我を優先なされ、無下になされるおつもりなのですか!?
ぐうぅ、と優は唇を噛む。
ぎりぎりと音を立て奥歯を擦り合わせつつ、眼前の戰をこそりと盗み見る。
優が残りの人生を賭けるに値する、と恋するように慕う若き王は、顔ばせを蒼白とし拳を固めながらも必死で怒りに耐え、彼の息子の言葉を守り、己を律しているではないか。
うぐ、と息を止めて優は己の中の怒りの炎を消せずとも勢いを落ち着かせんとする。
顔面を亡者を裁く鬼形相にした優の前で、中は己の優位性に酔いしれていた。
此れで戰を窮地に立たせられるという確信が、彼の中ではあるのだろう。
中は悠々と息を吸い混み、む、と気合いを込めた。
「郡王陛下と椿姫様との間に儲けられし和子様におかれましては……その御懐胎の御期間に、些か不思議が残されておられますれば……」
中に全ての視線が集中する。
期待を込めいる皇太子、天親子。
何を言い出すのかと額に焦りを濃くする二位の君、乱親子と実兄、充。
淑妃以下、多くの皇子と王子たち、控える臣たち。
そして、睨み殺す気かと瞳赫怒の炎燃え上がらせている、皇子・戰。
――ああ!
今、この場を支配しているのは、この私!
私なのだ!
中は一世一代の晴れの舞台が成功進んでいる事に、酔いしれていた。
★★★
中は己が放った言葉の威力の凄まじさを目の当たりにし、踊り出したくなった。
この場の雰囲気を一変させた自身に、深く酔いしれていた。
品位の低い妃と王子たちばかりだけでなく、不当に己を追い落とした兄である大司徒・充と二位の君・乱、貴妃・明の間抜け面が、可笑しくて可笑しくて堪らない。
特に、此れまで、ほんの数年先に生まれただけという塵にもならぬ事実を巌のように見せて傲慢不遜な態度を取り、暴虐の限りを尽くしてきた兄・充が忙しなく表情を変える様は、この上ない見ものだった。
――どうだ、兄上!
此れまで大司徒として殿上の中核を握るのは己とばかり思ってきたのでしょうが、残念でしたなぁ、兄上!
最後に笑う真の勝者は此の私、貴方が馬鹿にし続けてきた弟の中ですぞ!
呆けた顔の兄に一瞥を呉れた後に、一応の仕えるべき主人である皇太子・天と徳妃・寧の顔も覗き見てやる。彼らにも、此の言葉を安に奏上するとは告げていなかった為、阿呆面を晒して棒立ちになっている。
ぐるりと眼球を巡らし、背後をみる。
郡王・戰を後押ししていた、低位の妃や王子たちが起こしていた遠い潮騒のような騒めきが、止まった。代わって、黒々とした津波が生じ、王の間の柱や天井を砕く波濤となり、どよめきへと変化して行く姿に恍惚となる。
もう一度、皇太子たちの方へと向き直る。
己の一言に、形成が全く逆に流れ出しているのを誇るためだ。
果たして、満足気に二人とも口元を緩めている。
特に皇太子・天は、先程まであれだけ追従と言うよりも明白なおべっかの言葉の波に溢れていた王の間が、戸惑いから一気に悪意ある疑念と疑惑へと反転遂げた事に満足感を覚えているようだった。
戰の味方が一瞬で旗色を変えて、此方に向かって振り回し出した光景は、天の自尊心を大いに満足させ刺激する。
――見ろ、見るがいい、見ているがいい!
4品程度の腹出の癖に、烏滸がましくも郡王陛下なぞと呼ばれる不埒者に、今、相応の報いが下されるのだ!
憐れみと蔑みを込めて天が睨み据える先には、怒りか其れとも羞恥か、顔面を蒼白にさせた戰が立ち竦んでいる。
此処ぞとばかりに追い討ちの罵声を浴びせかけようとした天の袖を、密かに引く者があった。彼が帳内に任じ、今し方、問題を提議したばかりの中である。
――殿下、なりませぬ。此処より先を突くのは、別の者に任せねば。
――しかし、中よ。こんな面白い事態を楽しめぬとは……!
再び成りませぬ、と中に釘を刺されて、歯噛みしつつも皇太子・天は一旦は引き下がった。
だが、幼少時より我慢の二文字を知らずに育った天が、堪えられる筈がない。隣に立つ乱や大司徒の浮き足立ちつつも此の事態を最大限に利用しようと思案を巡らしている様子と、蝋を被ったかのように青白くなり身じろぎ一つせぬ戰を見比べて、ふふん、と鼻先で嘲笑する。
――乱め。
せいぜい、阿呆面晒して足りぬ脳を動かすがよいわ。
――戰め。
下賤の血を引きながら此れまで不当に持ち上げられてきた報いを、此処で一度に受けるといい。
口角の端に唾の泡を乗せて興奮に乱れる息を隠そうともせず、皇太子・天はここぞという瞬間を待ち、成り行きをぎろぎろした目で見詰めていた。
★★★
大司徒、・充と二位の君・乱、貴妃・明も、此れまでの不利を忘れて中の言葉を反芻する。
衝撃は計り知れない。
――懐胎の期間に疑いがある、だと……?
其れはつまり、胤に疑い有り、という事だ。
つまり、妃である椿姫が戰以外の男と同衾した事になる。
子を孕むのは一度、閨を共にすれば事足りる。
それで出来る出来ないは、結局のところ、時の運もあれば男と女の身体の相性だ。
しかし、弟である中のいい様は到底、『一度きりの過ち』と云うではなさそうな素振りだった。
――だが……あの、楚々とした慎ましやかな椿姫が、不貞を働き婦徳を破ったと言うのか?
俄かには信じがたい。
三回忌の折、舞を奉納した際に見せた椿姫の清楚で可憐な姿が目に浮かぶ。一切の飾りを排して挑んだ彼女の舞は、極彩色に走った他の妃をその袖のひと振りで灰色に変えてみせた。
嫋かなだけでなく、確固たる、強靭な意志を胸に抱かねば出来ぬ事であり、彼女に其れだけの力を奮わせたのは、偏に、魅せた舞の如くに熱い、郡王・戰への一途な想いの筈。
女にも、気概と矜持があるのだと認めずにはいられぬ感動を覚えた瞬間であり、あの時ばかりは誰しもが、そう、充も、彼女に酔い、天晴であると讃えたものだった。
――あの姫が、浮気をするなど……。
後宮内の妃たちは皇帝に忠誠と真心と操を捧げると宣してはいるが、その実、厚い化粧の面の皮剥がせば貞淑ではない。
流石に与えられた棟に間男を引きずり込む事こそせぬが、見目の良い宦官などは、皇帝の訪れが途絶えた妃たちの間では性的な欲求不満を発散する為の程よい玩具となっているのは周知の事実だ。皇帝の方でも久しく脚が遠退いている妃たちが恨みがましく眉間の皺深くして待ち構えていられるよりは、火遊にもならぬ程度戯れであれば目を瞑ってきた。
だが、椿姫は己の性的な欲求を持て余して、夫君となった男性以外に遊び目的で秋波を送るとは思えない。其れは、5年前に皇子、戰の初陣の折に敗戦国の朝貢品の一つとして祭国から差し出されてきておきながら、時の皇帝・景の申し出通りに後宮入りするをよしとせず、薔姫の介添として城を出た経緯からして、考えられないし信じられない。
蠢く思案に脳が焼かれそうなのは、大司徒・充や二位の君・乱だけでなく、安も同様なのだろう。
袖から出た芋虫のような指が、びくびくと跳ねている。
――認めてはならぬ、じゃと……?
其れはつまり……。
いや、じゃが幾ら何でも信じ難い事じゃ。
迂闊に信じてはならぬわえ……。
だが。
だがもしも真実であるならば!? と安の胸には期待せずにおられない豪流が生じ始めた。心が浮き立ち気がそぞろになっている証拠に、安の口元が歪み、皺が増えて深くなった。
――そもそも、じゃ。椿の腹に種を仕込んだ相手とは、一体誰であると言うのじゃ?
玉座に座り直した安は、ふと、何かに気が付いた。やにわに指を折って、何やら数え出す。
――……まて、まてまて、待て……。
あの生意気な小娘がわっぱを産みおったとしてじゃ……はて?
太い首を捻りつつ、一つ二つと小声に出して、芋虫の様な指を折って椿姫の懐妊していた実数を数えていた安であったが、不意に、折られていた指が、ひたり、と止まる。
肉で弛んだ頬が、ぐだぐだと醜悪に歪む。
安は、ある事に気が付いのだ。
★★★
ほぼ同時に、充も、そして乱もハッとなる。
此処で皇太子に先んじて、安の求める答えを上奏すれば、覚えはより一層高まる。大司徒も同じ考えなのだろう。奸邪な光りを湛えた安の眼光を受けて、自分の奏上を待っていると気が付いた二位の君・乱は、頬を喜色に染めて、一歩、進み出た。
上奏すべきであるか機会を推し量っていた二位の君・乱は、ちら、と嘗ての最大の後見であった中に視線を送る。すると、何と中は乱にのみ伝わるよう、微かに目配せしてきたのだ――此の機会を逃すべからず、と。
身内に転じた中が、よもや味方するとは思わなかったが、確かに、皇太子・天は安に奏上する素振りを見せていない。
――悪いですな、兄上。
どうやら、貴方が買われた帳内は、深い縁の方を大事とする忠義者であったようだ。
最礼拝を捧げつつ絞り出す乱の頬は、興奮にぶるぶると震えている。
「畏れながら申し上げます」
「何じゃ。許しを与えてやる故、云うてみるがよい」
尊大に命じてくる安の唾塗れの言葉も、今だけは許せる。
背後に控える大司徒・充と、母である貴妃。明の熱波の様な視線の後押しを受けて、乱は進み出た。
此処は発する言葉に、より真実味を増し、重みを加味せねばならない。
となれば、利用できるに思い浮かぶ人物としては、乱としては一人しか思い浮かばない。
「実は――我が幼き日より仕えし身内の一人である大令・兆の言葉を預かっております」
「ほう?」
「郡王と祭国女王・椿陛下の縁組に御座いますが……。その場にて些か場違いな御方が居られたと。醜聞となり得る憚りもあり、箝口令を敷いて参ったと」
「ほっほぅ?其れが今、関係しておるというのであれば、聞き捨ててはおかれぬのう。もうせ、何じゃと?
「は――実は。我が身内、大令が左僕射の地位にあった頃の事にて」
勿体ぶって乱が言葉を切ると、他の皇子たちは一斉に彼に注視する。
三回忌を終え、祭国に帰国せんとする椿姫と薔姫の乗る輿の一行の後を大令・兆――当時は左僕射であった――は追った。
其の時、三回忌に参列した朝貢国の一国、句国王・玖が彼女らの輿を守り祭国まで送り届けると明言したという。
二王女を無事に祭国に送り届けた後も、祭国の女王として椿姫に請われた句国王・玖は王城に逗留し続けた。表向きの理由は良質の軍馬を産する国柄である句国王に、量産する為の指南役を女王自ら願ったからだという。
事実、一ヶ月以上に及び、句国王・玖は王城に残り軍馬に適した種馬の選別法、牝馬との勾配時期、仔馬の飼育の要点について自ら指南役を務めたという。
そして、祭国の女王・椿姫とは良好な関係保ったまま、句国王・玖は帰国の途に着いた。
だが此等は別段、隠されていた訳ではない。
戰は郡王として拝領した地政の報告に載せている。
しかし今の安にも、そして乱にも大司徒・充にも、先大令・中も皇太子・天にとっても、事実がどうだこうだなど、関係がない。
大切なのは、椿姫が郡王の妃にあるまじき、婦人が守るべき徳と貞節という訓示を破ったのだという論法に持って行く事、なのだ。
一門の間にある奇妙な一体感を感じつつ、安はにやにやと笑う。
「つまり――其の時に、椿姫の腹に他所の男の種が仕込まれた、と言いたいわけじゃな?」
はい、と乱は興奮に乱れた赤ら顔で礼をする。
「文字通り『種馬』が別におったという訳か! 此れは可笑しい! のう、可笑しくはないか!?」
笑え、笑え、そぅれ、皆のもの嗤うのじゃ! と煽る安の哄笑が、皇子たちの脳天を突き刺しながら王の間を駆け巡った。




