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五百文字の小説

冬の無花果

作者: 銭屋龍一

 この冬一番の冷え込みだとラジオで言っていたけど、

 2月の新婚旅行にエーゲ海を選んでいたらこんな風だったんだな

 気温が5度って、


 慣れているとは言ってもさすがに外回りもつらい。

 営業って仕事であって仕事じゃないみたいね、

 と言ったのは一馬商事の由美ちゃんだったのだけど、

 キャンプと称してホテルに誘った時には、

 これだから営業マンって好きよ


 なんて


 だからお前はバカだというんだ、

 その脳みそは女のこと以外考えられんのかね、

 まったく近頃の若いやつは、

 って、言い出したら終わりだとよく言われますよね。


 それにしてもこのところよくわからなくなっているのだけど、

 僕の中に突然死したどこかのおやじの人格が入ってきて、

 ときおり独り言を言っていたのだが、

 今ではどうどうとしゃべりやがる


 のはいいとして、


 今のセリフは僕の? おやじの?

 なんて感じで


 くだらないことは考えないことだよ

 そんなことがわかったからって人生得することもないからな、


 ああ、寒い


 昼飯はとんこつラーメンでも啜ろう。

 そうそうラーメンと言えば

 二燕商事の久美ちゃんの好物のはずだから

 メシに誘って

 あたたかい毛布にくるまってにゃんにゃんしよう、


 そんときゃ感覚交代な、

 なんで交代?

 バカ、ひとりでいい思いするんじゃねぇよ、


 財布の中を確かめてみるとホテル代がなかった。


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