食後のメインディッシュ
早めに切り上げた食事の後は、
本来なら香織とのイチャイチャタイムのはずで。。。
今日も、
いつも香織が取っているホテルのルームに直行したのだけどそこには先客がいた。
白髪交じりの男性でちょっと疲れた風貌に高くはないが上品なスーツ。
靴と時計はたぶんおろしたて、あれ。。。僕より気合入ってる?
僕らが部屋に入ると男性は立ち上がって深々と頭をさげた。
どうしよう??
香織を伺うともう彼女は男性の前に立っていた。
「御父さん。。。紹介する。今日から婚約者の凪さん。」
香織の説明は簡潔だ。
男性は頭を上げて口を挟もうとするけど香織が続けた。
「私のことはもう心配要らないから今日は家に帰ってほしいの。」
まだドアのそばにいた僕を引き寄せ、代わりに男性を外へと促す。
何かを言おうとした男性は、何も言えずにドアを出る。
重たい雰囲気。。。
でも、これに耐えてこその今日のミッションだ。
間違えちゃいけない、僕の人生はシュール路線じゃない。
そりゃたまにはありかもしれないけど、今日は違う。
男性が外に出て、遮音性の高いドアが閉じられると香織が椅子に座り込んだ。
「お疲れ様、香織」
上着を受け取りながら僕は声をかける。
香織が僕を見上げる。
シャンパンで出来上がってる。
ああ。。。香織も精一杯だったんだな。
きっと今日は仕事のときから上の空だったんだ。
もしかしたら、ディナーのお芝居を思いついたときから、
頭の中は今日のミッションでいっぱいだったんだろう。
「お疲れ様は凪のほう。。。ありがとう。」
香織は僕の手を取って立ち上がる。
「先にしていい?シャワーを浴びる余裕、なさそう。。。」
香織の指が僕の上着のボタンにかかる。
新年早々しばらく入院してました。
更新がおくれてすみません。
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