04
辺りの悲鳴が聞こえていたから、僕らのクラスのように、ほとんどのクラスで殺人が行われたはずだ……。
生き残っている生徒なんて数えきれるほどになっただろう……。
ただ……ここから、敵を探すのは難しくなる、なにせ、人口密度が一気に減ったんだ、遭遇するのも簡単ではなくなる……もちろん、動かなければ探せないが、動けば、僕も殺されるかもしれない……。
「小里さん……いや、生乃……僕はここから動くけど、生乃はどうする? 動くならば僕の手伝いはしてもらうし、動かないなら、このクラスで隠れていればいいさ」
そういえば、僕が生きてる間は死なせないんだっけ? まあ、事故ったらしょうがないし、ここにいたいなら、ここに居させてやるのもありか……?
「ここにいれば……安全?」
「校内に安全な場所はないよ……たとえここに、留まっていようが、きっと誰かが探しに来るだろうし……たぶんもうすぐ、放送が流れるはずだから聞いてなよ」
「え? なんで……」
『ピーンポーンパーンポーン……えーみなさん、お疲れ様でした……この放送を聞いてる方々はクラスメイトを手にかけた……『殺人者』です……さて、私はこのゲームの参謀として、ゲームの進行を務めさせていただきます『ロード』と申します。以後よろしくお願いします……では、今回生き残った人数はざっと、60人ですかね……現在この学校にはいくつかの『凶器』が隠されております……それを見つけて私物としてもかまいません『凶器』は拾った人の所有物ですご自由にお使い下い……それでは、次回の放送まで学園サバイバルを続けてください……言い忘れていましたが、この放送が流れてる間に殺しがあった場合、即死んでいただきますのでご注意を……初日後半戦スタート!』
なるほどな、僕の机の中に入っていたのは隠された凶器の一つだったってわけだ……運がいいんだか悪いんだかな。
「ね、ねえ……さっきの『ロード』って人おかしくない?」
「何が? 別にあんなの気にすることはないさ……たまにルールをしゃべるだけで、それ以外は気にしなくてもいいと思うけど……」
「だって、『参謀』なのに『支配』なんて……」
僕は答えなかった……生乃の質問に答えるよりこれからどうするかを決めるべきだったからだ。
「そうだなあ……生乃自身にも自分の身を守ることぐらいは覚えてほしいんだけどな」
「私、絶対人は殺しません!」
それぐらい言うと思ってたよ。
どうしようか、敵を殺さずに自分の身を守る方法なんてあるのか?
「そうか! 敵を気絶させればいいのか! というわけで、生乃は何か護身術的なの覚えてる?」
「一応、空手を習ってた時があったけど」
意外だな……まあ、今どの程度動けるかはしらないけど、動けないよりかはましか?
「それじゃ、生乃は僕が守ってあげられなかった時には、敵を気絶させてね、そしたら、僕がそいつを殺すからさ」
生乃は小さく頷く……。
まずは、大量に武器は手に入れておくべきか……。
僕は、クラスメイトの筆箱の中から武器になりそうなカッターナイフやハサミを取り出して学生服の中に突っ込み、教室にあった、野球部員のものと思われるバットを手に入れた……。
生乃には「ほうき」の柄だけを取ってを渡した……。
準備はできた……さあ、行動開始だ!