03
ふー……あの先輩は一体なんで姉さんと一緒にいたんだろうか?
まあ、そんなのはどうでもいいか!
ぼくは、ぼくで楽しんでいけばいし、姉さんはあの先輩に任せておけば、きっと生き残れるだろうし、さぁーて、僕の遊び相手はどっかにいないかなぁ……。
いつも通りの校舎なのに、明らかに置かれている現実が間違っているというのに、珍しくワクワクしてるんだ。
これも、あの人たちの『血』いや、正確には僕の小さい頃の名残なのかもしれない。
僕には小学6年生までの記憶が一切と言っていいほど残っていない。
なぜか、僕が覚えている範囲では、『親』という、存在が無かった。
姉さんの話にその話をしても、答えられないと言われる始末。
ぼくはどうしても真実が知りたかった。
だから、ぼくは親戚一同に尋ね回った……、けれども、そこで待っていたのは、醜い物を見る目だった。
ようやく、その真意を聞くことができたが、当時は愕然としていた。
なんと、ぼくは小さい頃に、人をしかも複数人を同時に殺したというのだ。
いわゆる、通り魔殺人だ、子どもだから、目撃者も少ない、そして何より犯行に及んだ動機が一切ないという、今考えても恐ろしいくらいのなんとも卑劣なお子様だったのだ。
だけど、ぼくにはそんな記憶はない。
ただ、実感だけはしていた、この手で人を殺すことを何のためらいもなくやっていたのかと思うことがあっても、不思議なくらい、その現実を受け入れることができた。
さて、ふっと、昔の事を思い出していたら、ちょっと変な人を見かけたなぁ。
あれは一体? どっかで見たことがある気がするけど……。
自然とぼくはおかしな人に向かっていった。
「あのーもしもし? 元気ですかぁ?」
よく見れば、人違いだった、まったく知らない人間に声をかけてしまったが、この際どうでもいいか、と肩を落とした。
ぼくの目を見ようとせず、振り返りざまに刃物を振るうおかしな人。
ぼくは咄嗟の判断でそれをよける。
「危ないなぁ……殺し合いだったら、もう少し楽しみましょうよ! せっかくのお祭りが台無しになるじゃないですか!」
しかし、おかしな人は返事をしない。
ぼくは、それがたまらなく気に入らなかった。
「あーあ、ぼくをおこらせたねぇ……死んで詫びろよ? このクソ野郎っ!」
ぼくは刃物を持った手をひねり、手からそれを奪い取り、腹に一刺ししてやり、刃が突き刺さったまま、そこに蹴りをお見舞いしてやる。
そいつはうずくまり、その場に倒れ込んだ。
「おらおらぁ……さっきの威勢はどこに行ったんですかぁ? もっと楽しませろよぉああ!?」
うずくまったそいつの腹に何度も何度も蹴りを入れ、最終的には、頭を踏みつぶした。
あっけなく、ぐしゃぐしゃになった。
ぼくは一気に萎えた。
「あーあ、つまらないの……」
次の獲物はどこかなぁ……。
ぼくはお祭りで目的の屋台を探すようなそんな感覚の足取りで先に進んだ。
次回!
新しい人物が登場します!!
そして、初日予選は終わりを告げ、新しいゲームが始まります……




