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とても寒かった
とても暗かった
そして
君の瞳から感じる辛さに
私も辛かった。
学校の帰りはいつも真っ暗。
星と月だけが灯りになる。
こんな当たり前のように語れるようになった私は、もうあの頃に戻れないみたい。
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「んもぉ~返してよぉ!」
「さみぃんだもん」
「あんた男でしょ~」
茶髪に黒いマフラー。
そこまでは普通の男子高校生よね。
だけど問題が・・・耳にかけられた桃色の耳あて。
私の耳からいつの間にかとられて付けられていた。
それを怒る私に対してケタケタ笑う君の顔が好きだった。
「睫毛なが・・・」
「ゴメンネ、天然なもんでね」
「うざい~」
「お前も充分長いだろ?」
「女は化粧で誤魔化せるのよ」
「化け猫か!」
「ばかぁ~」
そうやってからかって笑う君。
また頬を膨らます私の手を引いて、抱き締める。
するとバランスを崩して土手に転がった。
「いったぁ~」
「俺が痛いよ」
うまい具合に下敷きになってくれた君に笑ってしまう。
すると君もケタケタ笑い出して2人して仰向けになって大きな夜空を飽きずに・・・ずっとずっと見てた。