第2話 秘密の結婚と葛藤、周囲の反応と二人の決意
幼い大人たちの決断
修斗と苑香は、秘密の交際から一歩進み、結婚の話を本格的に考え始めた。高校3年生の秋、二人は人知れず小さな約束を交わす。
「僕たち、絶対に離れないって誓おう。」
苑香は目に光る涙をこらえながら頷いた。
「どんなことがあっても、一緒に乗り越えよう。」
彼らにとって、結婚は単なる形式ではなく、生きる覚悟の表れだった。
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親たちとのすれ違い
だが、現実は厳しかった。芸能界に関わる家庭の事情もあり、親たちに結婚のことを話すことはできなかった。修斗の両親は芸能活動の成功を期待し、苑香の両親は厳しい監視の目を光らせていた。
密かに結婚指輪を交換し、二人だけの誓いを胸に秘めたまま、家庭内では互いの真意が伝わらずすれ違う日々が続く。
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学校と事務所の圧力
学校でも噂は消えなかった。周囲の視線、同級生のささやき、そして何より芸能事務所からの圧力が二人を追い詰めていく。
「君たちは若い。今は自分の夢に集中しなさい。」
修斗を担当するマネージャーからの冷たい忠告は、彼の心に重くのしかかった。
苑香も同様に、事務所からは「恋愛禁止令」が暗に示され、将来の契約に響くかもしれないと言われていた。
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秘密結婚の準備
そんな中、二人は「秘密の結婚式」を計画した。親しい友人だけに声をかけ、都内の小さな教会で式を挙げることに決めた。
準備は極めて秘密裏に進められ、互いの家族や学校、事務所には一切伏せられた。式の準備を進める手は震えたが、その手の温もりが心の支えとなった。
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式当日
式は静かに、そして美しく行われた。苑香は純白のウェディングドレスに身を包み、修斗はシンプルなタキシードを着ていた。
誓いの言葉は二人だけの秘密。誰も知らない未来への約束。
「君を一生守る。」
「ずっと一緒に歩もう。」
涙と笑顔が交錯する中、二人は固く手を握り合った。
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結婚後の生活
式の後も秘密は続いた。修斗は芸能活動を続け、苑香は学業とモデル活動の両立に努めた。
だが秘密は重く、時に二人の間に亀裂を生むこともあった。
「いつか、本当に自由になれる日が来るのかな…」
苑香の呟きに、修斗は力強く答えた。
「絶対にその日を作ろう。俺たちのために。」
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エピローグ
秘密結婚は若さゆえの無謀さもあったが、二人の愛は確かなものだった。
次回、第3話では第一子・陽菜の誕生と、家族としての絆、未来への希望を描きます。




