(仮) 第6話「秘密の絆と、新たな挑戦」
午後の柔らかな光が差し込む都内の小さな喫茶店。
紬は大学時代の同期であり、脚本家としてこれから期待される東雲康熙と向かい合って座っていた。
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紬「康熙、今日は来てくれてありがとう。話したいことがあるんだ」
康熙「いや、こちらこそ久しぶりだね。大学以来だし、こうやってゆっくり話すのも初めてだよね」
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紬はゆっくりと息をつき、話し始めた。
紬「実はね、私のシェアハウスに修斗や苑香、碧、彰人、それに苑香の親友の未羽も一緒に住んでいるの。5人とも結婚しているんだけど、それは絶対に秘密にしてほしいんだ」
康熙「え、そうなんだ? でも…なんで秘密にする必要があるの?」
紬「彼らは俳優やアスリートで、ファンや周囲の目がすごく厳しいから。特に修斗と苑香は俳優の世界にいるから、結婚してることが知られると色々大変なの」
康熙「なるほど…それで、その秘密を僕に守ってほしいってことか」
紬「そう。約束してくれる?」
康熙は真剣な表情で頷く。
康熙「もちろんだよ。君たちの大切なことだからね。絶対に口外しない」
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その時、修斗と苑香が店に入ってきて、みんなが集まる。
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苑香「康熙さん、今日は来てくれてありがとうございます」
修斗「実は、康熙さんにお願いしたいことがあるんです。僕たち、次のドラマで主演とヒロインをお願いできないかって」
康熙は驚きつつも笑顔で答えた。
康熙「それは光栄だよ! 紬からも話を聞いてるし、みんなとても信頼できるからね」
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碧が冗談交じりに口を挟む。
碧「いやー、俺たちもたまにはドラマでかっこよく映りたいもんだな」
彰人「お前はサッカーのピッチで十分かっこいいだろ」
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苑香は照れ笑いをしながら、紬に耳打ちする。
苑香「紬、高校の同級生ってことにしてくれるって、ありがとうね」
紬「うん。そうするしかないから。みんなの秘密を守るためには大事なこと」
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未羽も真剣に話に加わる。
未羽「このシェアハウスは私たちの大切な場所。誰にも壊してほしくないから、康熙さん、どうかよろしくお願いします」
康熙「もちろん。みんなの絆が壊れないように、全力で守るよ」
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その日、5人と紬、そして康熙は新たな絆と挑戦に胸を膨らませて店を後にした。
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紬の大学の仲間である康熙との出会いは、シェアハウスの秘密を守るだけでなく、新たなドラマへの挑戦という未来への扉を開けた瞬間でもあった。
喫茶店のテーブルを囲んだ7人。温かなコーヒーの香りが漂う中、話題は自然とドラマの構想へと移った。
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康熙「主演が修斗さん、ヒロインが苑香さんだとしたら、どんな役柄を考えているんですか?」
修斗「僕は演じるのは、夢を追いかける若い俳優の役。実際の僕の経験も少し混ぜて、リアルにしたいと思っています」
苑香「私はその彼を支えながら、自分もモデルと女優として葛藤しながら成長していく女性の役ですね」
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碧「へぇ、二人ともリアルな話をドラマにするんだ。どんな内容になるか楽しみだな」
彰人「でもさ、そういうリアルな話って、逆に演じるの難しくない?感情が入りすぎたりしない?」
苑香「確かに難しいところもあるけど、私たちはお互いのことをよく知っているから、自然に演じられる部分も多いよ」
修斗「うん、だからこそ、このドラマは特別なものになると思う」
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紬が少し照れたように口を開いた。
紬「康熙さん、このドラマの脚本もお願いできますか?私たちの秘密を守りながら、でもリアルな部分も入れてほしい」
康熙「もちろんだよ。君たちのことをよく知っているからこそ、心に響く作品を書けると思う」
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未羽が周囲を見回して静かに話し始めた。
未羽「シェアハウスのみんなには本当に感謝してる。仕事で辛い時も、帰ればみんながいてくれるから頑張れるんだ」
碧「俺たちも同じだよ。お互いがいるから乗り越えられる」
彰人「これからもずっと一緒に支え合っていこうな」
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その言葉に一同は頷き合った。
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数日後、ドラマの打ち合わせが始まったスタジオ。
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苑香「撮影現場に来ると、やっぱり緊張するわ」
修斗「でも一緒だから安心できるよ」
紬「私も応援してる。もし困ったことがあったらいつでも言ってね」
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碧がふと笑顔で言った。
碧「シェアハウスの秘密がドラマになっていくなんて、ちょっと不思議な感じだよな」
彰人「うん。でもこれが俺たちの新しい挑戦なんだ」
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康熙もカメラの合間にふと話しかけた。
康熙「みんな、本当にありがとう。君たちの絆を大事にしながら、最高の作品にしよう」
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夕暮れの撮影現場。紬はふと空を見上げた。
紬「これからも、どんなことがあっても、みんなで歩んでいこうね」
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シェアハウスで過ごす秘密の仲間たち。彼らの新しい物語は、静かに、しかし確かに動き出していた。




